日々雑感
DiaryINDEX|back|next
夢の中で汽車に乗っていた。地元の町を走るローカル列車だ。汽車は橋をわたる。橋を越えてすぐの駅でひとり降りる。
秋晴れの午後。自分の町であるはずなのに、知っている人は誰もいない。家へと向かう海沿いの道を歩く。どこか様子がおかしい。漁船の音がしない。車も通らない。ススキは風に揺れているのに。
高台にのぼる。かつて自分の家があったはずの場所には湿地帯が広がっている。何もない。人もいない。建物の跡すらない。目の前に広がる見たことのない風景。海と草だけが茫々と広がる。海鳴りと風の音が低く聞こえる。
呆然としていた。けれども、それはなんて美しい光景だったろう。
一日、夢の中で見た風景が頭から離れず。あの場所でも、空はよく晴れていた。
|