日々雑感
DiaryINDEXbacknext


2002年10月03日(木) 『この地球を受け継ぐ者へ』

外へ出ると、友人宅のベランダではナーちゃんがひなたぼっこの最中。目が合うと律儀にしっぽを振ってよこす。

『この地球を受け継ぐ者へ』石川直樹(講談社α文庫)を読む。北極から北米、中米、南米を通り抜け南極までを、各地で人々と交流しつつ旅してゆくという「P2P」(Pole to Pole 2000)と名づけられたプロジェクトに参加した著者が、その全日程を記録したもの。メンバーは世界各国8人の若者である。

ときにぶつかり、協力しあい、たまにはハメを外したり、クリスマスには思いがけぬプレゼントに涙したり。旅行記にはむずがゆくなるものも多いけれど、この本は面白くて一気に読んだ。メンバーのそれぞれが自分たちなりのテーマを持って参加していること、それに眼差しが自分中心でないことが、その理由か。

荒涼として美しい北極の光景。ひたすらに広いアメリカの平原。中米の町並みや人々。エクアドルの市場の喧騒。いろんなものの傍らを通り過ぎて行く。世界から自分を考える。自分を通して世界を考える。そのバランスがとてもいい(この「世界」というのには、もちろん「自然」も含む)。

石川氏(まだ若いので、何と呼んだらいいのか迷う)の行動力と、自分の身体を通して考える姿勢。読みながら、自分もぼやぼやしている場合ではないなあという気になる。例えば、現在の日々を何かもどかしく感じるとして、それは環境ではなく、意識の問題だ。タフでありたい。シンプルでありたい。

夕方からは、髪を切りに行く。また短くなる。これから寒くなるのだが。


ブリラン |MAILHomePage