日々雑感
DiaryINDEX|back|next
| 2002年05月17日(金) |
2歳のころを覚えてますか |
ミーヨン写真展『2歳の瞬間』へ行く。会場は世田谷区文化生活情報センター「生活工房」。自身の娘が2歳になったことをきっかけに2歳児を撮り始めたというミーヨンの写真が集められている。
「まだ赤ちゃんの1歳と、幼児の入り口にいる3歳の、ちょうど真ん中にいる2歳は、どんなふうに生きているのだろうか。彼らの世界には、過去へのこだわりも未来への不安もなく、今この瞬間だけを生きる純粋な美しさがある」。写真を撮ったミーヨンの言葉である。
何人もの2歳児の何枚もの写真。一生懸命に目を見開いている。笑っている。おしゃべりしている。涙を流している。何かを見つめる小さな背中。「今、ここにいる」ということ。その危うさ、不確かさ、だからこその尊さ、美しさ。写真の中の2歳児たちは、みな力いっぱいでそこにいる。
「2歳のころを覚えてますか」。自分が2歳だったころ、何を見て何を考えていたのか。断片的なイメージがいくつか浮かぶばかりで、まるで思い出せない。どうして忘れてしまったのだろう。いったい、世界はどんなふうに見えていたのだろう。そして人はいつの間に、自分の中に記憶を積み重ね、それに気づくようになるのだろう。
一日中、雨。真っ赤なレインコートを身につけた犬とすれ違う。レインコート、隠しているのは胴体の部分だけ。胴体隠して顔隠さず。鼻の先をぬらしながら歩いて行った。
|