日々雑感
DiaryINDEX|back|next
国立へ行く。駅の改札を出たら、ずっと向こうまで満開の桜並木が続いている。視界いっぱいの桜にくらくらする。
写真展をみる。会場は小さな喫茶店だ。いつも来ているらしい女の人や、新聞紙を広げた男の人など、みんな気持ちよさそうにぼんやりしている。
喫茶店の壁に飾られた何枚ものモノクロ写真。砂丘の風景、空、雲、光、その中にぽつんと小さな人の影。写真には地平線が写っているけれども、その向こうに遥かな広がりがあるのを確かに感じる。まるで、いくつもの窓があるみたいだ。喫茶店の椅子に座り、コーヒーを飲みながら、その窓を通して彼方に広がる世界を眺めている。
どこまでつづいているのだろう。自分の目では地平線までしか捉えることができないけれど、その先にも確かに世界はあるのだ。静かで、深くて、強い写真。
店内にはCDのバイオリンの音。コーヒーがとてもおいしい。地元にいる友人のことを思い出して、彼女もここへ連れてきたいと考える。きっと、このお店も写真も気に入るだろう。
桜並木をぶらぶらと散歩しながら帰る。夕方から雨。もう雨が冷たくない季節になった。
|