ようやく、ドナ・タート「黙約」を読み終えました。
作中、殺人事件がいくつか起こるのですが、 ミステリー色はそんなに強めではないので、 それを期待していると肩透かしを食らいます。 最初からもう犯人がわかっていますし。
この作品は犯人捜しや推理をするのが目的ではなく、 むしろ、そこに至るまでの過程や殺人を犯してしまった後の 人物同士のやりとりや心理状態がとても詳細に書かれています。
読み終えて、ふと、一つ前に読んだ桐野夏生の「OUT」を思い出しました。 これも死体解体という犯罪を犯した人たちの人間模様を描いていますが、 登場人物の生まれも育ちも全然違うのに、心の闇に迫る人間ドラマが 書かれているという点において、両作品は似ているなと。
桐野夏生がドロドロなのに比べると、ドナ・タートはすごく上品ですが、 どちらも人間というものを書ききっている。そんな気がしました。
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