メロ


2009年12月25日(金) Merry Christmas

これといって特別なことはしていないんだけど、なんとなく穏やかでゆったりとした気持ちで過ごせたクリスマスだった。本来のありかたに近いかな。

日本人だけど、幼少期のインプリントとともいうべき欧州でのクリスマスの過ごし方は根強くて、この時期はすべての人に幸福なきもちで過ごしてほしい、と思う。プレゼントは二の次で、ツリーを見上げてきれいだねって言い合うかんじとか、暖炉の前で絵本を読む時間とか、そういったものにあるやさしい感触を誰もが感じることができるといいなというかんじ。

母親の手作りの、お菓子の家とアドベントカレンダーが毎年のお楽しみで、そのせいかこの季節は母親への感謝の気持ちが高まる。25歳で乳飲み子抱えて異国での暮らしをたちゆかせ、おとぎ話のような幼少期を過ごさせてくれた母には、頭が上がらない。泣き虫で弱虫の母の頑張りを想像するだけで泣きそうになる。この思いこそ、わたしが子供に受け継いでいきたいものだと思う。そして、あの母に育てられたということが、わたしもいつか母親になれるのだろう、という自信に繋がっている。

最近父が「うちの娘は上出来だ」と言っていたと母から聞いた。父がわたしをおおっぴらに肯定したのは本当に初めてのことだったので涙が出た。
機能不全の父娘が少しづつ正常化しているかんじがして、ずっと父が死んだときに弔辞を読めないのではないかと不安に思っていたけど、あまり心配ではなくなってきた。この日記でも、おもしろくもない父娘の軋轢についてウダウダと書いてきたけど、やっと上り坂に差し掛かったということなんだろうと思う。

そんなようなことを考えて過ごしたクリスマスでした。
メリークリスマス、世界。


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