perspective
DiaryINDEX|past|will
| 2004年11月03日(水) |
「SAW」「笑の大学」 |
今年のIQは129でした。 制限時間ぎりぎりで「たぶんこれ!」と解答したのが当ってた場合ってどうなのかな。 まぐれだからダメなのか、直感力があるとみるのか。
今日は電車で1時間かけて映画を観に行って参りました。 「SAW」と「笑の大学」。 遠出したのも「SAW」は県内でそこ1館しか上映してないので。 ちなみに「笑の大学」は県内3ヶ所……1番近いのは隣の市なんだけど、行ったついでにハシゴ。 祝日でレディースデーなのでシネコンは混んでいた。
まずは「SAW」 見終わってずどーんと重くなる映画ですな。「観るとストレスがたまる」というあおり文句もウソじゃない。 でも面白い。褒め言葉として悪趣味って言いたいぐらい。 月イチゴローの「パーフェクト」ってのには若干賛同しかねるけど 脚本も映像も全く「無駄がない」し、目から鱗がぽろぽろ落ちる感覚を味わいました。 最後のオチというかどんでん返しには感服。 (あまりにも見事だったんで「オチが弱い」という「シークレット・ウインドウ」を見てみたくなった) ま、細かい点をつっつけば、辻褄あわないような所もあるんだけど 力技でそれをねじ伏せるんじゃなくて、それに気付かせないストーリー運びが見事ですわ。 怖くはないですね。ホラーじゃないし。 意外と哲学的。でも頭でっかちじゃない。エンターテイメント性も持ち合わせてる。 後に引きずる映画でした。
で「笑の大学」 実は4回目なんですが。しかもこの1週間で3回(ははは)…。 ゴロさんが出てるからというより、この映画自体が好きですわ。 感想を書くのは今回が初めて。なので初見から今までの感想アラカルトといった感じで。 えーと、ネタばれありです。
初めて観た時、スクリーンの中には「向坂」と「椿」しかいませんでした。 一度も役所・稲垣に見えなかった。 ゴロさんのドラマ観てて、役柄でなくイナガキゴロウを意識してしまう瞬間があるんですよ。 でも今回はそれが全くなかった。 それだけ二人の演技も素晴らしく、ストーリーにのめり込めたということかな。
冒頭のハンコ押すシーンが大好き。台詞無しで音楽と一体化した動きにぐいぐい引き込まれるんですよね。 撮影段階から音楽に合わせて演技してたんじゃないかって思うぐらいピッタリ。 畳み掛けるリズムと段々と憎々しい表情になっていく向坂も秀逸で。 また冒頭、保安課の机に座っている向坂を背後から寄るシーン。 向坂ひとりだけ背筋がピンと伸びていて、パリッとしたスーツを着ている。 それだけで余計な説明しなくても堅物ぶりが予想できる。見事な演出。
脚本は、もう言わずもがな。 ベタな展開とも言えるけど、面白くて面白くて。しかもじんわり来る。 画も美しい。さすが星さんというか、ライティングも計算され尽くした美しさがあって。 隙がなさ過ぎるとも言えるんだけど、今回はそれがいい方へ働いている。 そういえば5日目だったと思うんですが、二人が向き合って立っていて 窓から入った光で虹が出来ているシーンがあるんですよ。 これは偶然なのか、計算なのか。
役所さんはホント凄い役者さんだなと。 それに比べると、どうしたってゴロさんは叶わないわけで。 そこがダメだって言う人もいるんだろうなぁ。 しかしゴロさん本人も「試写で観て役所さんの演技の力を感じた」と言っていたり もともと三谷さんも演技力でない部分を持ってキャスティングしたのであって 乱暴に言うと最初から演技力で並ぶのは期待されてないわけで。(失敬) 確かに始めの方では役所さんとの差がくっきりしていて、稚拙な感じがどうしてもしてしまう。 それが時間が経つにつれて変わっていく。 「役者としてどんどん成長していく」と三谷さんが言っていた通り、立ち居振る舞いも台詞運びも 1日目と7日目じゃ全然違うんですよね。 (某コラムで作品上でそんな成長過程を見せるなって言われてたけど。うーむ。 そういう考え方もあるけどさ。ちょっと了見狭いよ?) 7日目のただ佇んで向坂の言葉に静かに応える姿(赤紙見せるまでのくだり)は素晴らしかった。 向坂に出会ったおかげでまた一歩喜劇作家としての高みへ登ることができた。 なのに、赤紙が来て喜劇作家としての未来も作品も、もう必要無くなってしまった。 自分にはもうその先へ進めないという絶望。 それでも向坂への感謝の意味もこめて、ただ向坂一人のためだけに最後の作品を書き上げた。 その達観した椿の想いがひしひしと感じられたんだよなー。 だからラストの廊下を去っていくシーンもいいけれど、その前の静かに対時しているシーンの方が好き。
ちょっと暇があったら何度でも観たい。 そういう気分になってます。 ……いつになったら2046観にいけるんだろ(苦笑)
|