恋愛日記



 家出。

医者嫌いなあたしが行った病院の先生は
女医さんが居て。
予約をする際、もちろんその方にお願いしたのですが
正解でした。
30代前半の綺麗でさばさばしたお姉さん。
今まで数々の病院を回ったけれど
そんな人は一人も居なかった。
ここなら通えると思った。

その夜、
幼い頃からの数々のことを彼に話すと
黙って全てを聞いてくれて、
あたしの名前の由来や、
親の素行に憤って
全てを否定して、
今まで溜めていたこと
汚らしいドロドロとした澱
トラウマの尻尾
根を張って染み付いている樹を
全部引っこ抜いて
あたしを攫ってくれました。

涙が出て
止まらなくて
あたしは彼の胸の中に身を預けるしか
術は無かったのです。

あたしは明日から横須賀で暮らします。
歩いて海が見える距離。
親と会いたくないから、
家にいたくないから、
でもどこへ行けばいいのか分からなくて
家から出たくなくて
ぐるぐる同じところを彷徨っていたところを
彼が連れ出してくれます。

ただ、妹のことが心配です。


2007年02月22日(木)
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