Opportunity knocks
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2004年06月07日(月) 映画を観ながらおもったこと

「ロスト・イン・トランスレーション」
うーん、良かった。

観た後、初めて海外(アメリカ)にいったときのことを少し思い出した。
連れ合いとコドモと3人でいった海外旅行。
連れ合いは数回目ということででかなりリラックスしていたけど、飛行機に乗るのも初めて、というわたしはかなりナーバスになっていた。コドモはまだ幼稚園の年中さんだった。ひと時も目が離せなかった。

最初に着いたのがデトロイトの空港。ニューオリンズ行きの飛行機がでるまでの5時間あまり、空港内で時間をつぶさないといけなかった。飛行機に乗っている間中緊張していたため(ずっとアラスカの凍りついた大地を眺めながらあそこに落ちませんようにと祈っていた)空港についたら一気に肩の力が抜けた。とりあえず飛行機をおりて入国手続きをする。荷物カートをがらがらおしながらてくてく歩く。ふと見てみるとまわりは異国だった。白人、黒人、アジア人、男、女、若者、子供、中年、老年、旅行者、働いている人、何をしているかよくわからない人、とにかくありとあらゆる人(しかも外国人、当たり前だけど)がいた。非日常だった。というかよくわからない感覚に包まれていた。

ぼーっとしているわたしに連れ合いが言った。
「ちょっとオレその辺みてまわってくるからそこで座って待ってて。」
連れ合いはそういって、さーっとどこかへ消えてしまった。
とても愛する妻への態度とは思えないとおもう。だって初めての海外で、初めての時差ぼけ状態なのに、そのうえ荷物もコドモも置いていくなんて。信じられますか?

仕方ないので連れ合いがもどってくるまでの数時間(数時間!)コドモとふたりで過ごした。

で、そのときなにを感じていたかというと、今日観た「ロスト・イン・トランスレーション」を観ていたときに感じた気持ち、だった。
誰一人自分のことを知らない、誰にもつながっていない、その孤独と自由な気持ち。心細さとほんの少しの高揚感がまじりあっていく感覚。

疲れて眠ってしまったコドモを抱きながら、ぼんやりと行きかう人たちをみていた。吸ったことのない空気、見たことのない風景、見たことのない人たち、その存在を感じながら時間が過ぎていった。

次に海外に行くときはもう、そんな感覚はないのかもしれない。最初で最後だったのかも。でも映画を観ている間中、そのときの気持ちを鮮明に思いだすことができた。懐かしくてせつなくて、とても素敵な時間だった。





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