Opportunity knocks
DiaryINDEXpastwill


2004年04月29日(木) 「エレファント」 

いつものミニシアターで「エレファント」観る。

ひとつの時間の流れがあり、その中をいろんな人が行き来する。いろんな行動がありいろんな感情がある。映画は7,8人の生徒の視点を交互に見せながら、事件の直前まで進んでいく。デイトの約束をするのに一生懸命になっている男子生徒、コンプレックスを抱えている女生徒、気になる男の子の話や噂話に興じる女の子たち、親のアルコールの問題を憂いている男の子。

いろんな生徒達の一面を見ることで、それぞれの死の重みみたいなものを強く感じた。頭で事実として認識するのではなくて、かなり直接的に感覚的に。

あのふたりは何を考えて生きていたんだろうか。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」のときも犯人である二人の少年の事件の動機、背景みたいなものはあまりよくわからなかったけれど、この映画をみてもはっきりとはわからなかった。
でも、あのふたりの視点でみることによっていろんなことを考えた。
人を殺したいという衝動、銃を撃ってみたい、大きな権力を目の前に掲げてすべての人間を平伏させたい、日々感じている抑圧、やり場のない感情のはけぐちがほしい、何かから解放されたい、などなど。
映画を観ていたらそんな二人の目に見えない感情が、するするとしみ透っていく気がした。

でも、そんなふうに感じることはべつにわるくないと個人的におもう。犯人側の立場で撮りすぎだという批判があるらしいけど、そういう事件を起こした人間の心理を考える(共感するというのではなくて)というのはとても有効なことなんじゃないかな。逆にそういう心理がわからない人間の方が実は危険かもしれないとおもう。

前半の気だるく流れていく日常の描写が、事件の非現実性を強烈に感じさせているところが強く印象に残った。


n |MAIL