Opportunity knocks
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| 2004年04月19日(月) |
小人の夢(いちおう創作です・・・) |
小人の夢をよく見る。 小人といっても童話などにでてくるようなのどかな小人ではなく、思いっきり意地が悪くて思いっきり醜い小人だ。 体の大きさは10センチ程度、鼻と耳が大きい。はれぼったくて小さい目をしている。 長くて小枝のように細い指はつねに落ちつきなく小刻みに震えている。 夢の中でわたしは仕事に追われている。 顧客に提示するための資料を明日の朝までに作らないといけないとか、そういうときだ。そういう時にやつらはやってくる。 はじめ一匹かニ匹が視界に入り出す。 わたしに存在を知らしめるかのように、ちらっと現れては消える。 僅かに口元に笑みが浮かんでいる。楽しんでいるのだ。 わたしはだんだん苛つきはじめる。そして同時に狂おしいほどの不安が襲ってくる。 そういうわたしの精神状態を見透かしたようにやつらはいっせいにあらわれる。 はじめは数匹、そして数十匹、さらに数え切れないくらいたくさん。 小人は思いつく限りの悪逆をやりつくす。 仕事のために作った資料を引き裂く、コンピューターに花瓶の水をぶちまける、 大切にしているレコードやCDなどを真っ二つに割ってそれをいっせいに投げつける、お気に入りの服で鼻をかんだり唾を吐いたりする、ほんとうに数え切れない。 わたしは、小人に向かって悪態をついたり悪さをしているやつを捕まえて窓から放り投げたりしているのだけど、小人の数が多すぎてどうにもできない。 途方にくれてわたしはたちつくしてしまう。すると小人はわたしのそばに近寄って、わたしが能無しであるとか、おまえにはなんの将来もないだとか、なにをやろうが無駄なんだよ、だとかそういうことを口々に言い始める。最初は囁き程度だったものがだんだん耳を覆うほどの大きな声になってわたしを襲う。 わたしはどうにもならなくなって泣き始める。 5歳くらいの子供の様に、無力で非力な存在となって泣き続ける。 たいていそこで目が覚める。 汗と涙でシーツと枕はぐっしょり濡れている。 小さい時から夢の中に小人はでてきた。程度の差こそあれ、小人は毎回わたしの行く手を阻む。そしてわたしは戦おうとするのだが、最後には小人が必ず勝つ。小人は笑う。そしておまえは一生そうやって生きていくんだとばかりに嘲り続ける。 でも、そんな夢を見るのは今日で終わりだ。 なぜそんな夢を見るのか、小人はどこからやってくるのか、 わたしはずっと考えてきた。そしてようやくわかったのだ。 わたしはそれを今から殺しにいく。 息の根をとめる。 わたしはもう夢に、小人に悩まされる事はない。 やすらかな夢を見ながら眠るのだ。 わたしはそう決めたのだ。 誰にも邪魔できない。
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