Opportunity knocks
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2004年01月06日(火) 記憶

人生最初の記憶。
わたしは誰かに連れられてどこかの道を歩いている。
誰と歩いていたかは憶えていない。母親だったかもしれない、父親だったかもしれない、またはまったく知らない誰かだったかもしれない。とにかく一緒に歩いているひとが大人で、わたしの手を軽く握っていたということだけは不思議に憶えている。わたしはその誰かと一緒に線路伝いの道を歩いている。そしてそのうち広い野原のような場所にでる。せいたかあわだちそうの黄色い花が頭上に見え、その遥か上には真青な空が見える。わたしは頭をあげてせいたかあわだちそうと青い空をみる。世界はなんて大きいんだろう、と思う。
わたしも隣を歩いている大人も口を開こうとしない。ただ歩く。手をひかれながらわたしは歩く。

どうしてそんなことをずっと憶えているのだろうと思う。じゃりじゃりした地面の感触、歩く速度にそって流れる景色、黄色い花、青い空、草の匂い、などなど、今でもはっきり憶えている。それらの記憶はたぶん何かにつながっているのだと思うのだけど、肝心な事はなにも憶えていない。断片的な記憶だけが残っている。そんな形にならない記憶が頭のどこかにたくさん仕舞われていて、これからもどんどん埃のように積もっていくのかもしれない、と思うとかなり不思議。人の体ってほんと途方もない、そんなことを何となく考えた1日だった。


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