水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2020年10月30日(金) 柚木麻子『エルゴと不倫鮨』

「注文の多い料理小説集」(文春文庫)を読みはじめました。
料理をテーマにしたアンソロジーで、7名の作家による7作品が1冊に!
知っている作家さんもいれば、はじめましての作家さんもいて、楽しみ倍増。

最初の物語は柚木麻子『エルゴと不倫鮨』。
エルゴというのは、抱っこ紐です。
舞台は東急沿線徒歩20分の閑静な住宅地のマンション地下1Fにある会員制イタリアン創作鮨店で、客は若い女と中年男……訳ありカップルばかり。
シェフもその辺のところは心得ているようす。
お鮨とワインのマリアージュが売りのオシャレな店で繰り広げられるグルメ話かと思ったら(いやいや、タイトル見てちょうだい)、
抱っこ紐の中年女が予約なしで、突然来店!

場違いな服装、図々しさ、何より乳児を抱っこ紐で胸元にくくりつけている女に店内の空気がガラリと変わります。
振りまわされるシェフに同情しつつも、小気味いい。
男たちは苦々しく思うのに、連れの女たちは意に介せず。

中年女の食通ぶりとワインが好きなのは本物なんだなあと、はじめは距離を置いていた私も応援していました。
子育て、頑張って!


水野はるか |MAIL
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