あまつばめの雑記
こんばんは。いらっしゃいませ。

2002年08月06日(火) 本屋へ寄り道

日課といえるほど、仕事帰りに本屋によります。
見てまわる本の種類はさほど多くないのに、毎日よらないと気がすみません。
本屋という空間に依存しているのです。
  鳥が空ではばたくように。
   獣が大地で駈けるように。
    魚が水中で泳ぐように。
私は本屋にいきます。
昨日も、今日も、明日も

<1.夏、恒例のフェア>
聞き馴染んだタイトルが平積みされています。
『不思議の国のアリス』『蜘蛛の糸・杜子春』『人間失格』『燃えよ剣』……
有名ですが、読んだことはありません。
多くの人が共感している話なのに、まだ躊躇っています。

「何か通じるものがあれば普通の人。
 何も通じるものがなかったら道を外れた人」

周囲の評価が高い本だと、変に気づかってしまう。
誰かが見ているわけじゃなくて、私だけが知っている。
勝手に裁決をして、勝手に刑に服している。
自我という檻の中で、返事を返す人形になっていく。
「うん、なるほど」「それはよかったね」「で、どうなったの?」
コダマのようにできる返事。
何一つ、私は考えていない。
……本一冊で、私自身を否定してしまう。
自虐のために本を読んでいるのでしょうか?

妹は、本一冊読むと必ず言う。
「体全部が疲れた」
多くのものが詰まっているのでしょうね、本には。


<2.得したのか、損したのか>
本屋を徘徊していると、バトルロワイヤルを発見しました。
ただし、文庫版です。
分厚い新書版を読んだ私は、その薄さがうらやましかったです。
上・下刊に分かれてたので、普通の本と同じ厚さでした。
重くて、場所を取って、持ち運びに大変だったんですよ。
何より、あの厚さが読めるか否かを試していたと思っていました。

さらさらっと目を通します。
1度区切ってあるだけ話としては頭に入ります。
裏の値段表記を見ると……600円でした。
安くなっていますね。
確か、新書版は1500円弱でした。
まぁ、文庫本のほうが安いのは当然です。
けど、分冊しても安くなっていることがショックでした。

なにか、読んでいた価値が目減りしてしまったみたいです。
でも……先読みの時間と、2冊分の価値を1冊で読んだことを考えると、得をしていると読みかえれるのでしょうか?

軽くなった文庫版を2冊重ね、その厚さを確かめてしまいました。


<3.『GOTH〜リストカット事件』>
乙一さんの新刊です。
といっても、探すのに手間取ってしまい、買ったのは今日です。
人気のある作家で、中〜高校生がターゲットですから、文庫版で出版されているものだと決め付けていました。
いくら探してもないわけですね。

他の本に比べ、乙一さんの本はゆっくり読みます。
同じ文量なら1日で終わるところを、1週間かけてゆっくりと読みます。
乙一さんの本は、痛くて苦しい本ばかりです。
描写が頭の中に浮かんできて、ドア越しに起こっている出来事に思えます。
息を止めて読むこともしばしば。
読み終えるとすがすがしい気分ではなく、うずくまって吐き出してしまいたくなる内容が多いです。

世界一嫌いな本です。
嫌いすぎて無視することができません。
私の一番嫌な部分を投影して、丸裸にして、さらけ出してしまうから。
大嫌いな本です。

好きな作家と嫌いな作家、どちらにも挙げられる不思議な方です。乙一先生は。


 注:GOTH(ゴス) 著.乙一 角川書店より出版 1500円(税別)


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