原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2005年03月12日(土) 共存 DA VINCI CODE

★1: 共存
★2: DA VINCI CODE



★1: 共存

家の前にホームセンターができることになり、その用地となる工場跡地の椎の木を伐採することになった。
樹齢40〜50年にまで育った大木が、商売のために簡単にその命を絶たれる。

ちょっと前には、こんなこともあった。
某金融機関の「計算センター」というのがうちのすぐ近所にあって、そこはたぶんセキュリティのためだろう、塀の代わりに1m以上幅のある植え込みを設けていた。
ところが、その銀行はつぶれてしまったらしく(ちょっと記憶が不確か、移転しただけかも)、その建物は新たな借り手として大手ドラッグストアを迎え、物流倉庫として使われることになった。
当然トラックが頻繁に出入りするようになり邪魔だからということで、植え込みは跡形もなく取り払われてしまった。

結局、人が何か新しい建物を作る時、そこにそれまであった「自然」(実は椎の木も植え込みも純然たる自然じゃなくて人の手によって作られたものなんだけど)を尊重したり活用したり、という知恵は働かないことが多いんだな。
椎の木の木立はかなり高くまで伸び、その向こう側に作った建物を隠してしまうだろう。
「景観が悪い」「売り上げにはマイナス」……
ちょっとしたことでも下手すればお店の死活問題になりかねない。

商売上は、ね。

貨幣経済と自然って、相性悪そう。
っていうか、よほど頭良くないと、その地域の自然環境と共存できるかたちで商売を成立させるなんて、考えられないんだろう。
わたしは商売については傍観者でいられる、ある意味ラッキーな立場だけれど、実際に商売やってる人に言わせれば
「そんな余計なことにまで気を回す余裕なんかない!
こっちは遊びでやってるんじゃないんだ」
と怒られてしまうでしょうねぇ……

ちなみに、向かいの工場が解体され、木立も3分の1くらいなくなってきて、最近気になるのは、我が家に対する「風当たりの強さ」。
いえ、世間からじゃなくて、家の500mほど向こうを流れる川から吹き付ける、川風の当たりが、障害物がなくなってきたからだろう、急に強くなってきたのを感じるのだ。
これは、数年前に家の前が広い道路になった時にも感じたんだけど、更に強くなってきたような気がする。

でも、こういうことって、誰かにどうにかしてもらえるものでもないから……

こうやって「砂漠化」が進行していくのかなあ……

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★2: DA VINCI CODE

いや、まだ読んでないんだけどさ。

テレビでダ・ヴィンチ・コードにまつわる番組やってて。

「イエス・キリストにはマグダラのマリアという妻がいた(そうして子どもをもうけた)」

……そう言われると、突然キリスト教の世界が色彩を帯びてくるような気が。

キリスト教の記述には、確かに男性中心主義と思われても仕方ないような言葉が多い。
まあそれは、キリスト教というものの存在がはじめから持つ限界かもしれない。

限界……それは「政治」。
古代には宗教と政治の区別なんかなかった。
そうして、政治が当然のように戦争と不可分だった時代、その主な担い手が男性中心になってしまうのも、仕方なかっただろう。
聖書の記述は、たとえ神さまの言葉を記したものであっても、その時代の「常識」を抱えた人間の頭と手を通じて書かれたものだ。
「聖書の言葉は絶対」という考えは、ともすれば不正な戦争を正当化するブッシュのような過ちをただすこともできない。

わたしにはなんの根拠もないけれど。
イエスは決して男性中心主義に囚われてなどいなかっただろう、と思う。
神さまは絶対だ。
全知全能にして無謬の神さまの、そのひとり子であるイエスが男性中心主義などという過ちを犯したはずがない。

そうだ、たった一つだけ、わたしがそう思っても良いと思える証拠があった。

イエスは「神の国」を作ろうとする活動の中で、ただの一度も武力や戦争に頼ったことがなかったのだ。
(それは決して記述した人間の「常識の限界」なんかじゃなかった)

このたった一つの事実をもって、イエスが男性中心主義に冒されてなどいなかったと断言していいと思う。

結局は人間の愚かな罪のせいで、イエスは地上に神の国を作るどころか処刑されてしまうのだけれど、それこそがわたしたちの希望の光に他ならない。
神さまはその一部始終をごらんになりなから、決して「神の軍団」を差し向けて武力でイエスを救ってしまおうとはしなかった。

わたしたち……いや、少なくともわたしは、この事実に学び、従って生きていきたい。

あらら、レオナルド・ダ・ヴィンチの話だったのに。
(彼の姿に、なぜかセクシュアルマイノリティの雰囲気を嗅ぎとってしまうのはなぜ?)

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