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- 2001年11月29日(木) 「産めないくせに」 / 悪意
★1・「産めないくせに」
★2・悪意
★1・「産めないくせに」タイトルの言葉で、罵倒された。
でも、それで、私はなんだか醒めてしまった。
なーんだ、これ、「オカマと喧嘩する時の常套句」じゃん。
この女、あの連中と喧嘩したことがあるか、さもなければ喧嘩するのを見たことがあるか、どっちかだ。
その程度か。
……私はそう思ってしまったのだった。でも、言われた瞬間は、ちょっと腹が立ったし、
それで憎しみの言葉が私の中であふれてきてしまったので、
それをここで吐き出してしまおうと思う。**以下、汚い言葉を書きますけれど、それはこの文章を読んでいるあなたのことではありません**
ちょっと、このメスガキ!
産めるからなんだってえの?!
悪いけどね、こっちはそれも悩みぬいた上でこういう生き方を選んだんだよ!!
あんた妊娠中だかなんだか知らないけど、それをひけらかして勝ち誇ったつもりになってるんでしょうけど、
底が浅すぎるよ!
そんな言葉で私が傷つくとでも思っているの?
産むだけだったら犬猫でも産むよ!
人のこと「中途半端」って言う前に、身の程知らずにそんな言葉で私を責めようとする、
自分の浅はかさを振り返ったらどう?
自分が産むことのできる性だっていうことを大切にしたらどう?
それを私に対する「武器」なんかにするって、あまりにもバカすぎない?
そんな女が、自分の子1人育てるのに、知らないうちに子どもを自分の「道具」にしちまうんだよ!!
あんたなんか、私を罵倒するのに子どもをだしに使うなんて最低じゃないか!!とてもひどい言葉を書いてしまったので、ちょっと言い訳しておきます。
詳しいことを書くと相手の名誉を傷つけることになるので書きませんけれど、
ある男性がちょっと困ったところがあって、それをわかってくれないと思ったので電話でお話していたのね。
そしたら、突然後ろから怒鳴り始めたのよ、その女。電話の向こう側で。
一瞬、何が起きているのかわからなかった。
どうやらスピーカーフォンか何かで聞いていたらしいのね。
よくよく思い出してみると、
私が「ちょっと、私の言葉をよく聞いて」なんて言ってしまったら、その直後に怒鳴り始めたのだった。
ああ、この言い方、誰かさんと同じ言い方だった。
理解した後は、正直、すごく怖かった。
言葉を暴力として使おうとしているのがわかった。
でも、やっちゃいけないところに簡単に踏み込んでしまうその女は、
はっきり言ってとても哀れに思えた。
(私はもう二度とその女とも、その女の旦那である男性とも、
関わり合いになりたくないです)賢い男もバカな男もいるように、賢い女もいるけれど、どうしようもなくバカな女もいる。
私は、人間として賢くなければ、と思ってしまう。
決してどこのガッコを出たとか、そういう表面的なことじゃなくて。
肝心なことを見出し、そして、忘れないでいられるような、そんな賢さ。私は、上に書いた言葉を直接相手にぶつけなくて良かったと思っている。
上にも書いたように、妊娠中の女(? あの女は実は違うかも?)には、何があっても罵倒し返したりしちゃいけないと思うし。
それに、バカなのは、実は私も同じだ。
だって、私自身が自分の子を中途半端に育てかけて、
途中で放り出してしまった女じゃないか。私は、現実に「母親」になることはできない。
その女が頭おかしくなって怒鳴ったのは無意味だけど、
言葉そのものは確かに私を傷つけるのに十分だと思う。言葉は女の武器。
それもまた、正しい。悪意がなくても人を傷つけてしまうことは、誰にだってある。
大切なのは、そのことに気づくことではないか。もしかしたら、あんがい多くの人が、私のことをけっきょく「中途半端なオカマ」と思って
低く見ているのかもしれない。
――え? 「今ごろ気づいたのか」って?
気づいていたら、ここまで来ないよ。そっか、せめて他のいろんなことがらについて、中途半端でいるのを止めないと。
「性同一性障害」と「中途半端な生き方」を、ごっちゃにされたらたまんない。
他の当事者にも迷惑だ!
人に侮られるような生き方をするのは。……それにしても、世の中には
「こちらには悪意がなかったんだから、それを誤解して悪意あるもののようにとるそちらが悪い。
でも、許してあげる」
という人がいる。っていうか、多いし、もしかしたらそれが「常識」なのかも。
自分の心を守るための「常識」……っていう言葉、私はあまり良い意味で考えてないんだけど。でも、それを言うなら私だって悪意はなかったのに元パを傷つけてしまったことがある。
彼女はそれを許してくれようとしても私に対する恐怖とか不信とかは払拭できないだろうし、
何よりも私自身が自分のことを許せない。
いくら悪意がなかったからって、相手に拭い去れない恐怖を植え付けるなんて、最低。
(って、私はあまりにも自罰的にものごとを捉えすぎるし、そういうことを臆面もなくこういうところに書きすぎる。
きっと、「私はそんなことゼッタイにしない!」と勝ち誇ったように思う、気が付いていないだけの人がいっぱいいるんだろーな。
「おまえと一緒にするな」と思っている人、要注意だよ)
実際は、たぶんそれに等しいか、満たないにしてもそれに近いほどの代償を、私は払っていると思う。
代償はあくまで代償でしかないけど……
だからこそ許せないとしか思えないんだけど……人は誰でも、自分に対してどうしても許せないことの一つや二つや三つや四つや……数限りなくあるはずだ。
きれい事で生きるわけにはいかない。ただ、きっと、もう一つ大切なのは、「罪を憎んで人=自分!を憎まず」なんだろうな。
私にはまだ、できないけど。
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