samahani
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2002年11月06日(水) 家族のかたち 3

子ども連れで再婚して義理の子ども(子どもにとっては義理の親)ができた家族をステップ・ファミリーと言う。

私の隣の家には、30歳くらいの娘さんと60代くらいの夫婦と大きな犬が2匹、住んでいる。家の外で偶然会ったときに、立ち話をする程度の付き合いなのだが、ふたりが再婚であることや、子どもは奥さんの方の子だということは、お隣さんが引っ越して来て、ほとんど一番最初の会話のときに話してくれた。

彼女(娘さん)は、父親から見ると step daughter (義理の娘)である。

息子たちと一緒に、子ども連れのパーティーに行った時や、サッカーの試合に兄弟が来ている時などに、なにげなく 「あの人は、キミのおねえさん?」 と訊いて、 「うんそうだよ。 ステップだけどね」 と言われ、そういう答えを予想していなかったために戸惑うことがある。

義理の娘や義理のおねえさんになったことを、わざわざ隠さないことは、養子であることを隠さないのと同じだと思うけれど、ステップであっても兄弟であることに変わりはないのに、わざわざ、本当の兄弟と区別して、ステップの兄弟だと付け加える意味は何なのだろうか?

私の夫には妹がいる。彼女は私の“義理の妹”(sister-in-law)なのだが、親が子連れ再婚して妹ができた場合の“義理の妹”は step sister である。

例えば、海苔もワカメも“もずく”も“ひじき”も昆布も、あれだけ違う形と味のものでありながら、英語では seaweed(海藻)という一種類の単語しかなく、区別することができない。 反対に、日本語では「鶏」、「牛」としか区別しないものが、hen、cock、rooster、chick、chicken、fowl (鶏) cow、 bull、ox、calf、cattle(牛) と区別される。

日本語で「義理の妹」としか区別できないものが、英語で区別できるのは、その必要があるからで、その違いを認めているからだと思う。 そのことが、ひいては、いろいろな家族のかたちがあることや、そういう人たちのあり方を認めていることに繋がっているのではないだろうか。


この国は、日本のように単一民族で皆が同じ外見や考え方をしているという前提のもとに成り立っているのとは違い、初めから異なるメンタリティーで異なる民族が共棲(国を成す)しているのだから、日本とは比べられないけれど、日本でも、いろいろな家族のかたち(家族に限らず、独身でいることや、子どもがいないことなども含め)をがあることを、もっと認め合ってもよいのではないかと私は思う。


さとこ |mail

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