キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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自分が相手に何かをしてあげて、 それに対して相手に何かを求めるのなら それは愛と言わない。
それって、本当? 私はそうは思えない。 でもその神からのような教えを 真っ向から否定できる訳でもない。
ただ、理想ではあると思う。 見返りを求めず誰かを愛することができたら どんなに楽だろう。 泣かずにすむだろう。 そんな恋愛が存在するんだろうか? 見返りを求めないってことはつまり、「愛されたい」という欲求すら 持ってはいけないということだろう。
そんな究極の愛がこの世に存在するのなら Jに対して、私はそうであってみたい。 見返りを求めずに愛してみたい。 ただの理想だけれど。
思えば私はJに「優しくされたい」「もっと考えてもらいたい」とか 欲求ばかりがふくれあがっていた。 「私はこんなにJのこと想ってるのに。考えてるのに。我慢してるのに。」 勝手にそう思っていた。 確かにそれは愛じゃないなとは思う。
Jに対して優しくなりたいと思った。
この間の電話の私は本当に酷かったと思う。 恥ずかしいことだけれど、 「何であのときメールしてくれなかったの。」とか 「何であのとき電話かけ直してくれなかったの。」とか 責めてばかりだった。 その質問に対する対するJの答えを聞いたところで 何も解決する訳じゃないのに。 もっと違う、伝え方があったはずだったのに。 ほんとにごめんねと、言いたかった。
もう、そんな酷いことJに対して言わない。 そう決めた。 きちんと実行できるかは分からない。
でも、もっともっと根本的に Jを大切にしたいって思った。
まだ恋人同士になる前の私は、 きっといつでもJに対して優しかった。 多分天使みたいに優しくしてたと思う。 嫌われると思っていたし。 Jも言ってた。「はるは天使だね。」って。
そのイメージを壊さないように、って頑張るんじゃなくて ただ人としてJを大切にできたらと思う。 少しずつでいい。
夏、一緒に遊園地に行ったときに Jが私に買ってくれたぬいぐるみがある。 私はそれを研究室の机に飾って可愛がっている。
そのぬいぐるみは、とってもふわふわしていて 触るだけで少し幸せな気持ちになる。 優しい気持ちになれる。 Jが、私に買ってくれたものだから。 心が安らぐ。
そんなときの気持ちでJと接してみよう。 できるかな。 やってみよう。
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