キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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久しぶりに、蓮から電話がかかってきた。 私はそのとき授業中だったので出ることができなかった。 前電話したときに「今度電話するときはー」なんて言っていたけど、 もう連絡はこないと思っていた。
留守電が残っていた。
何してる?元気?また電話するかもしれない。
そんな内容だった。 蓮が電話をかけてくるということは、何かがあったに違いないと思う。 そしてその「何か」は恋愛に関わっているに違いない。
上手くいってるといいな。
そしてその幸せを私に分けて欲しい。 無理な話。
私がこの春に味わった哀しみを
蓮に話すことはできないだろう。
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