甘い煙
頭出し|巻戻し|早送り
今なら隙間有り放題よー。 優しい言葉をかけてくれたりしたら、ぐらりといっちゃうかもよー。 なんて、お布団にごろんとしながら誰にともなくテレパシーを送っていたら、携帯が鳴った。 私にとって恋愛の入り込む余地のない、さっぱりからりとした男友達からだった。 世の中うまくできてるな。素晴らしい。 これでいい。
昨日は、彼と花火を観に行ってきた。見ている間、とても楽しかった。 会場に向かう時の混雑した駅構内や、帰りの歩行者天国になっていた広い車道を歩いている時も、幸せがぽちぽち散りばめられているかんじ。 人ごみの中、私がはぐれていないかと振り返ってくれる彼、とか、あまりに人が多いから、私の後ろに立って私の肩の上に手を置いて、私を操作しながら進む彼、とか。
帰るために駅へ向かって歩行者天国を歩いている時に、 好きな人と二人で花火を観に来たんだなぁ、というほんのり嬉しいような幸せなような気持ちが、じわっと心に広がってきた。 好きな人とふたりきりで花火大会に行ったのは、実は初めてだ。 初めてということに、その帰り道ではじめて気づいて、心に広がるじわりに拍車をかけた。
さて。 言葉は儚いけれど、そのことが良く作用することもあるんだな、とは、昨日感じたこと。 同じ形にするでも、文字にする方がだいたい好きだけれど、文字だと心に重い時もある。 煮詰めてしまうし、きっちり残ってしまうもんね。
口から出る言葉の、消えてゆく感だとか、無責任さだとか、流れていってしまう感じだとか、そういうものをとても偉大に思った。
|