甘い煙
頭出し|巻戻し|早送り
「告白されたからつきあった」 「意識したことのない相手だったけれど、つきあったら好きになるかもと思って」 なんてよく聞くけど、私にはそういう気持ちがわからない。 なんでそんなバクチを打てるんだろうと、不思議でならない。 ずっとそう。
私にはそこのところ、曖昧な部分が一切ないみたい。 恋愛感情があるかないか、その境目に揺るぎない線がひかれていて、迷う余地は寸分もない。
「じゃあ、ちょっといいなと思ってるくらいの人だったらどうするの?」と訊かれるけれど、 その時点で相手に対する恋愛感情を自覚できていなければ、断る。 で、万一その後に好きになったら、自分から言うこともあるかも、と答える。
それは自分勝手だねと言われることもあるけれど、それが私なりの誠意だ。 つきあってみて、やっぱりラブな気持ちを抱けない、ごめん、って言うより、相手の傷口が化膿しないと思うんだけど。
で、最近、なんで自分がこんなにきっぱりと答えられるのかが、ちょっとわかった。 そもそも、ちょっといいと思っているとかそういうまだ中途半端な、発展途上な関係の相手とは、基本的にしっかり精神的関係を築いてからでないと、言わない・言わせないからだ・・・・・。 “ちょっといいと思うくらいの人”に告白される状況を自然と回避していたんだと、やっと気づいたよ。 つきあう前から「つきあってるんでしょ?」って言われることが多かったのも、そのせいかと。 納得。
でも、もう毎日通う学校があるわけでもなく、職場も人の入れ替わりが激しく、今までの私の恋愛パターンを成立させることは、もう難しいなと思っていた。 たまにしか会えない相手とそうやって気持ちのつながりをつくっていくのは難しいわけで。 だからイチくんはそういう意味でイレギュラー。これも新鮮と感じる要素のひとつ。
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