原初

羅列 回帰



―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年06月06日(金)
出逢えた射程距離の光。


この後はちょっぴり、いや冒頭から何この後とか変じゃね振り? 本日はちょっぴり、頭から辛辣な批評っぽいコメントが始まるので、特定の誰を示したものではないのだけれど、いやでも個人は個人なのかな、評論家ぶってる奴がおきらいな方は無視すると宜しいかと思われます。じゃ、おれも見ねー!(それはどうだろう)

この間読んだ物語なのですが、一言で言えばファンタジーを駆使した少年少女の成長物語?
色々諸々を省いて言ってしまえばそうなんです。つまりあんまり中身が無い。酷いなのっけから。
先ず冗長である。そして、がっつり真っ向からファンタジーといえば聞こえがいいが目新しさ、有り体にいえばオリジナリティが無い。いやまぁ目新しさも随分有り体ですが。
この二つが組み合わさって、口を悪くしてしまえば作者が妄想した細部を披露されてしかもそれが本筋に大して関係も無く引っ掛けや伏線でもなく、固い口調で語られるものだから肩が凝る。
勿論そうしたディティールに拘るのも素敵ですが、必然性が無く、と言って先に述べた通り既出の概念から離れてもいないのでどっかで見た事のある設定、を繰り返して冗長さを演出してしまうなら無意味じゃないかなと。明らかに、量が多いんです。
更にその舞台を選んだ理由が思い当たらない。ファンタジーだからこそ説明量が多くなる必然なのに、別に特有の別世界を設定しなくとも全然いけてしまう分、より導入部が自己満足として浮き立ってしまう。
そしてこれが一番残念か、大きな山場が無い。それだけ、と言っても具体的に提示していないので把握なんか出来てたまるかバカチンが! でしょうがまぁまぁ兎に角、なんというか、何と比べてにも因るんでしょうが、少なくとも絶対的に長いと言える、それだけのスペースを割いておきながら、それこそ定番のラブシーンの一つや心に残る名台詞、どんでん返しに感動も、いや感動については個人差がありますが、そうここで、オリジナリティの欠乏が叫ばれる訳です。その点が更に更に長いだけだなぁと感じさせてしまう所以。

しかしこれだけぼろくそ言っておきながら、いざ自分がそうでないかと問われると甚だ疑問である。

現在連載中であるUALも明らかに現代ではなく、故にその差を明確にする為屡説明が入り、今のところ大部分が本筋に起因する事無く、この先も全てが働き合うかと問われれば多分さっぱり忘れるだろう(待て)。
オリジナリティの程は視点を持つ者がどれだけの情報量を有しているかにも依りますが、多分無いね。おお、既成ファンタジーだいすきだもの。
又導入部と自覚している一章に関しても十話以上を割いて、尤もここは長くなっても好いと言う考えからですが、そんなんそれこそ自己満です。
一応変換を彼是すれば現代劇でも充分可能ですし、あくまで現実からの逃避と言う自分の主体の為決して現実世界と関係ないと言い逃れても例えば現代のパラレルとした方が、余程すんなり入れる訳です。
大きな山場も、どうなんだろうなぁ。何処が琴線に触れるかも又、個々人に委ねられるから。
つまり全てが跳ね返って来る訳で、自身を窘める、戒めとしても、今までの批評は充分に成り立つ。
寧ろそんな欺瞞を微か懐いているからこそ、辛辣な意見が飛び出したのやも知れない。同族嫌悪ってやつね。
それにしてもだ。誤字脱字の多さや文章自体の稚拙さと言う批評は、それこそ自分に帰ってくるから扨措くとしても、やっぱり、他のものに比べて長く使った分の甲斐とか成果とか、感じられないのは、読んでいてがっかりしてしまうよな。
せめてそうならないようにありたいと願っても、願うからにはそこから脱却していないという露呈であり、至らないと自己申告であり。
嗚呼そうならないよう、願うばかりですとも。


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