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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2005年10月17日(月)
ひなたぼっこをひとりぼっちで。


未だに卒業アルバムを探してますイエー。見つからないのか。嗚呼そうさ、見つからないんだよ!!
一体何処にしまいこんでしまったのだろうか。そんなに判り辛い場所に置いただろうか。
それともやっぱり本当は見つけ出したくなくて無意識の内に避けてるとか。アリエール。
と言っている時点で馬鹿にしているのでそれは無いにしても、輝かしいのは小学校時代。
その時のしかアルバム有りません。それすら見つからない状況ってどうなんだ!
時折は、思う。どうしてあの場所を逃げ出したりなんかしたんだろう。
決して居辛かった訳でもない。居た堪れないのは寧ろその逆。そこにさえ行っていれば、
美しい詭弁の元、逃げる絶好のチャンスを与えられた。それでも結局選んだのは、
一番逃げ出したかったあの場所なのだけれど。それとも本当は、そこにいたかったのか。
例えどれだけが繰り広げられて若しか今でも雑音が鳴り響いていようとも。
まぁ、そんな事はどうでもいいやと思うのは度量では無くただ単に無気力なだけなのですが。
順調に捜索が進まぬ中、期せずして似通った、しかし全く予想外のそれを見つけたのは、
何故なのだろうか。探す場所があまりにも悪かったとか。嗚呼それだ見当違い。
なんて事はない、時代背景は同時期の、輝かしい胡散臭い写真や同窓からの手紙などがゴロゴロ。
そういえば一度も返した事無いんですがそれって人としてどうなんでしょうか。
その気が無いのではなく、いやしかし突き詰めてゆけば若しかしてそういう事なんだろうか。
意味合いは今でも判らない。苦しくなるのは時々で、狂おしくなるのは毎日だ。あ、駄目だ。
そう思った瞬間にはもう遅い事。どれもへらへら笑いを浮かべてやがる憎々しくも思うのは、
それが真実では無い事を、誰よりも身に沁みて判っているからだ。
どうして、あの頃をあの頃のまま、とっては置けないのだろう。
今も延々と続く気持ち悪さに縛られては。何一つとしていえなかった真実は、若しかそれだけでも
苦しめてくるというのに。今なら割とさらっと言える事も、本人さえいないのに
恐らく勝手な呪縛に縛られたままで、情けないままに何も言えなかった。
踊らされる為のピエロだった。マリオネットなんて上等なもんじゃない
糸が付いていたのかは今も判らないけれど。絡みつく、意図ならばあったと。
本当は動物がきらいだ。一般的なそういう人達と違って触れるし側にいても平気だけれど
出来れば眺めるのが精々で、身の毛の弥立つ理由は後付。
本当は好きな人なんていなかった。それらしい話題の一つも愉快だなと笑う事はあったとしても、
誰かに対してそういった感情を持ちまた向ける事は叶わなかった。生きているのに。
だけどそれでも偽るのは、見栄や己の体面じゃない。恐れていたからだ。あの場所にいたあれに。
全ての虚言をそれらしく振舞えば、いつかは出口が見つかると思っていた。若しかしたらそうすれば
倖せが、あるとでも思っていたのかもしれない。有りつけると浅ましく考えたのかもしれない。
真っ平御免に莫迦な話だ。そんな事、あの場所では、在り得る筈なんてなかったのに。
希望すらも見出せはしなかったのに。必死で縋りついていたのは、それが唯一の世界だったからだ。
私にとっての。
それとも、みんなか。ごめんなさいとは、いえなかった。あの時でさえ。今この時でさえ。
どうしても緩慢にその場所に溶け込んでしまえれば、怠ける事さえもいとおしいものだと、
望まれるままに怠惰を謳う事はなかった。だったら何故今あの場所と指すように
そこにいないのかといえば、そこを抜け出す事を望んだのが過去で有り、生きたかった。
一人で生きたかった。本当にちゃんと、己の心で生きて、いきたかったからだ。
誰に面倒を見て貰わないという事は無理であっても、誰を面倒見る事無く、
それは可能だったからかもしれないからだ。けれど逃げたとしか言いようの無い状況は、
誰が知る訳でもない孤独の中に。秘密の真相なんて、知らない方がいい。
知ったこっちゃ無い、知れるもんじゃない、
知らない方がいい、知られたら困る、それをどうして欲しかったって言うんだ本当に。本当は。


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