| はじまりのウタ。 | |
| Mail / いづる | |
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| 其れは、何処にあるのか。 明日はチーフ君は映画撮影らしい。 映画と言っても、 商業映画ではなく個人が撮っている自主映画ってやつで、 3年前くらいまでは私もよく撮影に参加してた。 もちろん、スタッフでだけど。 現場に遊びに来くる? と誘われたけど、 見学に行っても今更なんにも面白くないし、 それどころかまた例の凹みに襲われそうなので遠慮しました。 なんで凹むんだろう。 なんかこう、 いろんなものから、捨てられた気分になる。 そこにいるのにとても、遠くに思える。 手が届かなくて。 すごく、羨ましくて、嫉妬するよ。 東京行ったらどう暮らすか、 ってことを私は私なりに勝手に考えていて。 私がいままでやっていたことを知っている人たちは、 業界はやっぱり東京が断然強いんだからいいんじゃない と言うのだけど。 もう一度、イベントだの芝居だのをやるのかと考えると、 よくわからなくて、 深く考えるのを止めようとしている所がある。 私は、つらい暮らしは嫌なのです。 もうほんとに食べ物にも困るような、 着るモノも欲しいモノも満足に買えないような、 そんな生活は、たぶん無理なのです。 贅沢したいとは言わないけど(そりゃできればしたいけど 最低限、普通に暮らしたいわけで。 お洒落だってしたいわけで。 小劇場で役者をやりながら、 さらに声の勉強をしようとするチーフ君が、 東京で生活を立ててくれるとは思えない。 だからやっぱり、 私がしっかり稼がないとまずいと思うわけで。 そしたら、収入少なくて、 勤務の不規則な仕事って厳しいわけで。 チーフ君は、 顔に少し傷があるのです。 子供の頃の手術痕。 本音を言うと。 少しばかり業界をかじった私は。 この世界のシビアさを知っているので、 たぶんテレビや映画や、 そういったビジュアル的な部分では、 彼は役者では難しいと思っています。 芝居をしている彼は素敵だと思うけれど、 顔に傷があるというのはね、やっぱり難しい。 外見が基準の一つの世界なのでね。 だから、 声の方で頑張って欲しいと密かに思っているわけだけど。 まあ、どうなるにせよ、 彼の人生というモノはまだまだ方向がわからない。 どこへ行くのか。 どこまで行くのか。 それは彼にも、わからないことだろう。 そうして進んでいこうとする彼が羨ましい。 イベントや芝居の現場は特殊です。 緊張感や興奮、高揚感、達成感。 多少の優越感もきっと、そこにはあった。 それがきっと、 私を満たしていた。 これからそれなりにその道を歩いている彼を見て、 そして私が手を出したくてどうしても出せなかった、 「表」の部分を歩いていく彼を見て、 私はどこか嫉妬するに違いない。 だから、迷う。 だけど暮らしが苦しくなっても、 すごく大変な思いをしても、 時には彼や生活を多少犠牲にしても、 それでもやれるのかと言われると。 そこまでの情熱は。 実は、ない。 いろいろ言い訳をして、 結局安全パイを踏もうとするのが私の姿。 普通に仕事して、家のコトして。 そして好きなことしてる彼のことを、 果たしてにっこりと支えてあげられるだろうか。 ほんとうに自分勝手な。 私の中のその部分が、 ふいにひたひたと迫ってくるその部分が、 時々、頭を擡げる。 全部、自分の中だけで回ってる。 多くを追っても、 結局何も掴めないだけ。 くだらないな。 何処にあるかわかってるものなんて、 きっとたいしたもんじゃないのに。 わかってるはずなのにね。 2003年07月26日(土) |
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