■あんただけにそっと■

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2007年06月13日(水) 妊娠13週、卵巣嚢腫切除手術。一週間の長い長い記録。

13日(水):入院+手術日

朝九時までに来院とのことで、ぴーと病院へ。

初めて腹の子の心音を機械で探って聴く。
しばらく待ってから検診と診察。待ってる間、腹が減って辛かった。
診察は大学病院の先生だった。
エコーは結局ぴーと見られず。腹の子、頭の横幅が2.4cmに。

11時過ぎに病棟に入ったが、
まだ面会時間じゃないので、12時半にまた来るようにと言われ
ぴー帰される。

処置室で院内着に着替えてから剃毛。
そんな下まで剃らなくても・・・と思ったが、おしっこの管入れるからか。
病室のベッドで、抗生物質のテスト注射。
点滴用の針で採血後、そのまま点滴開始。
その針が長いわ太いわでびびったが、痛みはそんなでもなかった。
心電図、血圧計、血中酸素計?を取り付け一時間。
途中でぴーちゃんが来るが、動けないので会えず。

やっと終わって、点滴と一緒にぴーに会いに面会室へ。
一時半頃かな。腹減りのピークを越えて感じなくなってた。
へらへら話していると、また処置室へ呼ばれる。

処置室にておしっこの管を入れる。いてて。
ストレッチャーに寝て、いよいよ手術室へ。
ぴーとバイバイ。

2時過ぎ、手術台へ移って、全裸に。腕に抗生物質の注射。
麻酔担当のクリニックの先生登場、一番怖かった腰椎麻酔。
横向きで丸まり、看護士さんに押さえ込まれて麻酔開始。
注射自体の痛みより、骨にゴリゴリ入ってくるのが気持ち悪かった。
硬膜外麻酔のチューブも入れてたのかな?
終わって仰向けになると、足がシュワ〜と痺れるのと同時に、
すごく寒くなる。歯が合わないくらい。

大学病院の先生が助手だとわかって少し安心する。
横腹をつままれて、痛いか聞かれる。
乳の横辺りでやっと痛いとわかる。麻酔完了らしい。
しかし寒い。
腕固定。右手は血圧計、左手は点滴続行中。

執刀医、本院の院長登場(クリニックの先生の夫)。
腹にあたりをつけて、手術開始。
なんだか盛大にグイグイと開いてる感じがする。
そしてその辺りが痛くなってくる。
「なんかちょっと痛いかも・・・」と言ってみると、
クリニックの先生が硬膜外麻酔を追加してくれた。
と同時に首の裏で冷たい物がはじける感覚。
それが下にサーッと降りていった。
ウワーと思う間もなく一気に目の焦点が合わなくなり、意識が朦朧とする。

それからは意識を失ったり戻ったりしながら、手術終了を待つ感じ。
先生達が何か言うと応えられる。
最初に切った分では足りないから、もう少し切るよと言われたり。
院長「これ嚢腫じゃないよね?」大学病院の先生「・・子宮です」
冗談でもやめてくんない?
あと、院長が「子宮の形も分かったからね〜」というので、
はっきりとどんな形態の子宮奇形かわかったのかと思って
「何でしたか?」と聞いたら「格好悪い子宮!」と言われてムッとする。
麻酔で朦朧ということにして、怒れば良かったよ。

院長が何か激しく引っ張っているのがわかるが、何をされてるか検討もつかねえ。
終わりの頃「これはここっ」などと言いながら腹の中身を詰め直してたような。
大学病院の先生が「もう縫ってるからね」と言ってくれてしばらく、手術終了。
切ってから47分、とか言っていた。
切り取った嚢腫を見せてくれたけど、丸くてすべすべに見えた。
ぴーも見たらしく、大きかったねーと言っていた。
小さめのグレープフルーツくらい?約7cm。

3時過ぎ、病室へ戻る。
何人もの看護士さんが「せえのっ」と掛け声をかけて、ベッドへ移してくれた。
冷凍マグロになった気分。
足には血栓予防のマッサージ機、口には酸素、右手は五分おきの血圧計測、
右手は点滴と指には酸素計、胸には心電図を取るシール、尿道にはカテーテル。
管に繋がれまくり。結構大事だったんだなあと思う。
あと、恐ろしく寒くて、しばらく電気毛布をかけてもらってた。

足の指に感覚が戻り、麻酔が切れてきたのか痛みがどんどん増して、
痛み止めを欲しがるがくれず。
手術中に追加したので、今は打てないらしい。
ぴーがいるのがわかるけど、痛いとしか言えず。
耐えるしかないけど、痛くて体が動いてしまう。
ぴー、困った顔。
夕方、背中に入れたままの管から麻酔を追加してもらい、
やっと楽になってうとうとできるようになった。

ぴー、8時に帰宅。
9時頃、隣のベッドに手術を終えた人が入る。
看護士さん達が「せえのっ」「あれ」「軽かったね」と言ってるのが聞こえる。
私、重かったんだな・・。

夜が長い。20分ごととかに目が覚めるので、
まだ11時・・まだ1時半・・と夜の間ずっと時計を見てはがっかり。
そんな中、看護士さんがこまめに様子を見に来てくれるのが結構ホッとした。

吐き気が辛い。
ウッとなるだけで傷が痛く、もし本当に吐いたらと思うと恐ろしい。
看護士さんが、うがい用の水と小さな洗面器をくれたので、
口をゆすいでしのぐ。


14日(木)術後一日目

朝痛みが増してきて、筋肉注射にするか聞かれたけど、
医者の回って来る9時半まで我慢して背中に麻酔を入れてもらう。
お隣さんも同時に麻酔をしてもらっていた。

吐き気と、背中の麻酔管の痛み、一晩ずっと仰向けだったので、体も痛い。
横向きになりたいが、痛いのと吐き気でままならず。
気持ち悪くて、ゲップをしたいけど全く出てこないのが辛かった。
微熱。氷枕をもらったらえらい気持ちよかった。
喉は乾くけど、空腹は感じず。

午後2時、術後24時間経過とのことで、水分解禁!
水を飲んでホッとする。
足のマッサージ機が外れて、ベッドの上に腰掛ける練習を促される。
ひいいい超つらいいいい。
上体を腕の力でやや持ち上げた辺りで、にっちもさっちも行かなくなりプルプル。
看護士さんがベッドの背中を少し上げてくれる。
首の力と腕の力でなんとか上体を起こし、足をそっと下ろし、腰掛け成功。
しかし体を起こすと吐き気が・・。

夕方6時半、あーちゃんがお見舞いに来てくれた。
嬉しい。
お見舞いに来てくれた人に、水買ってきてだの、
ベッドの角度を変えてだの言って、こき使う。
あーちゃんが帰ってしばらくして、ぴーちゃんがやってきて驚く。
仕事帰りに急いで寄ったらしい。
面会時間あと20分に来てくれた。
昨日よりはかなり元気な様子にホッとして帰る。

夜、昨日よりは長く寝られる。


15日(金)術後二日目

今日から流動食開始。
朝のメニューは、具無し味噌汁、おもゆ、りんごジュース、お茶。
こんなに汁ばかり飲むのも結構きつい。

午後、おしっこの管が取れて、3種の計測器も外れて、自分でトイレへ。
点滴キャスター(なんていうのアレ)に捕まって、すごい前屈みになって歩く。
トイレでちょっとガーゼをめくって傷を見てみたら、
毛の上を端から端まで15cmほど切ってあって、ホチキスでバンバン留めてあった。
ウヒョー。

吐き気が治まってきた。
酔って出来なかった本を読んだり、テレビを見たりができるように。

ほぼ同じ経過を辿っているお隣さんが声を掛けてくれた。
話したら、彼女は子宮外妊娠だったそうだ。
二人目がやっと出来たと喜んで、妊娠確定してもらいに来たら子宮外と言われ、
すぐ手術ということで、子供が幼稚園から戻るのを待って入院したらしい。
なんと辛い・・・。

4人部屋のお向かい二人は自然分娩らしく、時々赤ちゃんが部屋に来て、
ふにゃーと泣いている。
しかし常にカーテンが閉まったままなので、誰も会話せず。
気楽だけど。

ガスが出たら教えてね、おかゆ食になるよ、と看護士さんに言われてるのだが、
全く出ません。
お隣さんは夜からおかゆ食へ。いいなー。

自分で動けるようになったので、イテテテと呟きながらも自販機へ行けたり、
寝てるときも横向きになるのも少し楽になり、少しずつ回復中。
毎日子供の心音も聴けるのだが、今は子供のことがあまり考えられない。

夜、父ちゃんがお見舞いに来てくれた。
みなさん、遠いところすみませんねえ・・。


16日(土)術後3日目

夜中にガスが出て、朝からおかゆ食開始。

朝、採尿と体重測定をするように言われて、
そりゃあ減っているでしょうよ、とワクワクして測定。
ほぼ変わらなくて愕然。
どういうこと、あれだけ何も食べてなかったのに・・・。

午後、やっと背中の麻酔チューブが抜ける。
ずっと嫌な感じで痛かったので嬉しい。
あと、点滴も終了!
丸三日刺さりっぱなしだったので、跡になるかな。

ぴー、入院費を持って3時にお見舞いに来たけど、
午後にあるはずの退院診察がいつまで待っても無く、
5時頃ご飯食べてくると外に行ったのに、
直後に診察無しのままで会計のお姉さんが来たので、
また呼び戻されて入院費の支払いをしてくれる。
4泊5日で8万足らず。
その後面会室で話して、私の夕飯時間に帰っていった。

退院診察は結局無かった。
手術室を出てから、一度も先生に会ってない。
管を抜いたりは日直の先生というのが来て、処置が必要な患者さんを回って行く。

夜、トイレに起きる以外は良く寝られた。


17日(日)退院日:術後4日目

結局、退院診察は無し。
明日ホチキスを取ってもらいに、クリニックへ行った時するとのこと。
忙しいんだねえ。

そういえば、おかゆ食のまま退院。
この病院は食事が美味しいと評判らしいが、あやかれず。

ぴーが11時前に来て、私はお隣さんに挨拶して退院。
お隣さんも退院のお迎え待ちをしていた。

家に戻ったけど、病院にいる時より動いたせいか結構痛かったりして、
ぴーがテレビのある6畳間に敷いてくれた布団で横になっていた。
手術まで、麻酔を打つまでが辛いと思ってたけど、
何も考えてなかった術後がこんなに辛いとはな〜。

ぴーがおかゆを炊いてくれて、佃煮やお惣菜で食事。
まだ地べたには座れず、ソファも沈み込んで痛くて、
こたつテーブルに直接座って食べた。

夜は、ぴーが寝返り打って腕あてたりすると怖いから、と
4畳半に布団を出して敷いて、別の部屋で寝た。


18日(月)術後5日目

朝、ぴーを布団に寝たままお見送り。

腹の傷というより、ホチキスが留まってるのが痛いようで、
早く抜糸して欲しくて、クリニックが開くのと同時に着くように、
タクシーを呼んで行った。

午前中の診察は本院の院長。
ホチキス抜くの痛いですか?と聞いたら、
「痛くないっ!こんなことで痛がってたらどうしようもない、
 また帝王切開するんだからね!わかった?」などと怒られる。
いいじゃん、そんぐらい聞いたってさー。
最初にクリニックに来た時も院長だったけど、
その時は優しげな印象だったんだけどな。

16個のホチキスが外れ、テープで留められて、
動くのもかなり楽になった。
それでも帰りもタクシー。
家について、すぐにでもシャワーを浴びたかったけど、
まだあんまり動くのは怖いので、夕方まで我慢、と安静に。

夕方、さあさあシャワーしましょ!とガーゼを取ると、
傷口開いてるううう〜。
真ん中3cmほど。ぎぃやぁああ。
消毒して、絆創膏でなるべく閉じるように留める。
そしてもう怖くて何も出来ず・・・寝たままなるべく動かないように。


19日(火)術後6日目

手術日以来のうんこ有り!
しかし腸の中をうんこや屁が移動するのが結構痛い。

クリニックに行くべきか迷う。
また行き帰りタクシーなのも気になるし、午後の診察はすごく待つし、
午前は院長だし、もう一日安静にして塞がらなかったら・・と保留。
幸い、傷口は乾いてきている。

ぴーが一口大に切っていってくれたトマトを食べたり、
おかゆを食べたり。
そういえば退院してから体重がどんどん落ちてる。
土曜朝に病院で計った所から2キロ減。

夜、傷口を見たら、かさぶた風になっていたので、
このまま繋がれ!と祈る。


20日(水)術後7日目

朝、久しぶりにパソコンを数十分ほど眺める。
その後、傷口をチェックしたらまた開いてる〜。
非常に落ち込んでるところにおババからファックス。
「病気じゃないんだからいつもと同じに体動かさないとダメなんだよ」
といういつもの。
腹が立って「うっさいわ!」と泣く。

昼、どうしてもクリニックに行くのが億劫で、近所のかかり付けの病院へ。
そこの先生は穏やかなので、ぴーも私も何かあると行く。

傷の状態は化膿してるとかではないので、
放っておいてもいつかは治るけど、傷の上下で段差が出来ているので、
塞がるまで時間かかるかも、少し縫った方が安心だね、とのことで、
ちょこっと麻酔して二針縫ってくれた。
シャワー浴びられないの辛いでしょう、とシールでカバーもしてくれて、
なんだかとても安心した。

部屋に戻ってやっとシャワー。
実に一週間ぶり。
一応お腹にシャワーが当たらないようにしながら洗髪。
すごくさっぱり。
風呂上がりにぴーが切っておいてくれたスイカを食べ、幸せな気分。

縫ってもらったら痛みも軽減して、洗濯を一回して、
六畳間の布団を四畳半に戻したり、かなり普通に動けるようになった。
寝起きもだいぶんスムーズにできるように。
やっと終わった・・・という感じ。

また半年後に同じことをするんだと思うと、非常に辛くて、
子供のことも楽しい気分で考えられなくなってたけど、
今日病院で看護士さんに「(子供の性別)どっちがいーい?」なんて
屈託無く聞かれて、えーどっちでも嬉しいなあ、と答えたら、
なんだか少し楽しみな気持ちが戻ってきて、気分が晴れてきた。


モーリー・しい子(藻)