いよいよ「8/2の真夏のガルデン&シュテル本気全開再登場祭〜イドロも居るヨ!」が迫って参りました。 それに先駆けて、彼らがチラリと顔を見せた17話も振り返っておきたいと。 ガルデンが登場するシーンから箇条書き。 ・ガルデンはパフの夫(候補者含む)と内通するのがお好きな様ですね ・受け取ったメモにはきっと「今夜いつもの店で」 ・と言うか重要なメモがそんな二つ折りの茶けた紙で良いのか ・シュテル垂直に飛びすぎ ・パッフィー人形欲しい(マジドーラコクピットにでも飾ってあったのか) ・ウィンディのソリッドの肩に掴まっている兵士は何がしたいのか ・怪我した兵士を介護している女性達は家族?恋人? ・「ウィンディ、ガルデンと会っていたって本当?」「はっきりと答えて!」 ・愛憎の修羅場 ・弁明するウィンディの口ぶりが「風俗店の女の子の名刺が背広のポケットから出てきて 妻に厳しく問い詰められている夫」みたい ・爆薬庫に仕掛けをしていた部下は、端役の割りに思いのほか美形 ・ギザルの部下とえらい違いだ ・リューナイトのお約束「部下は使えない奴ばかり」(もしくは裏切る) ・結局彼らは爆薬庫に何の用があったのか ・「力あるものに従うのが悪いか」 ・このウィンディ(魔物)はガルデンたんの力に惚れて部下になったという事で宜しいか ・魔物×ガルデン ・月心老けすぎ ・そして二人きりになった途端ツヤツヤになる作画 ・「嫌い、みんな嫌いよぉ!」 ・初めて見たときは此処でアデューがパッフィーを殴るのかと思った ・「パッフィーは俺が守って見せるから……!!」 ・王道勇者×姫 ・やはりラジオ版のあいつは名前と声が同じだけの赤の他人に違いないと確信 ・裂(not烈)岩十字で見事に敵を倒す爆烈丸に違和感 ・「目を覚ませウィンディ、あんたはガルデンに騙されてるんだ!」 「ウィンディ、こんな事もう止めろよ…パッフィーの気持ちも判ってやれよ!!」 ・魔物×ガルデン ・そして似た様な事をいずれサルトビに言われるとは夢にも思っていないアデュー ・というか、まるでボッタクリキャバ嬢に入れあげる同僚を諭しているみたいだ ・魔物化したソリッド、可愛くないですか ・赤い目がキュート、肩の爪が飛ぶギミックもクール ・「ウィンディなどこの世にはもう居らん…… とっくの昔に始末して、この体だけ俺様が奪ったのだ!」 ・誰だお前 ・「この体だけ」と強調しているのは「ウィンディはこんな魔物とはカケラも志を同じくしない、パッフィーが信じている通りの真の騎士でしたよ」というフォローか ・「でやああああ」→「うわあああ」 ・この間五秒(サルトビin爆烈丸) ・「偉大なるガルデン様の為に、お前にも消えて貰う!!」 ・魔物×ガルデン ・アデューが魔物に切りかかるシーン、描き下ろして欲しかった ・しかも股をぶった切られている様に見えて思わず悶絶(魔物が) ・マジドーラ×パッフィー ・何て愛憎乱れる回か とりあえずこの話はアデュパフ+ガルデン悪女スペシャルという事で宜しいか。 ――――― 昨夜(今朝)は台風吹き荒ぶ中風切嵐様とまたも素敵なお話を!!! この乾いた体にありがたく染み渡る、まるで萌え沸き出でる魔法の泉の様な熱いお話と策謀に、台風は益々その勢力を強め我が家では外に出したままだった重い椅子が倒れるという被害が出ました。 通常とは逆に西へ南へと動くそのひねくれっぷり、しつこく居座る陰険さ、連れて来る蒸し暑さなどと相俟って「まるで奴の様だ」とヒソヒソ言っておりました。 何だよ……そんなに深夜に盛り上がる類の夢と希望溢れるチャットが気に食わなかったのかよ!!(ネクストヒント:鬼畜・姫・24時間・調教) く、挫けるものか。 チャット大会も久々にまた行いたいですね……! 来週金曜(もしくは土曜)夜辺り如何でしょうか。 ――――― Starry Eyed Reality様からミラクルな頂きものを……!! 快く公開を許可して頂き更に感謝感激! いずれドンと見せびらかさせて頂きたく思います。ムッフー。
早速ですが本日の更新。 TOP絵変更。「惨劇5秒前」 目隠しをして、明らかに西瓜とは違うものを狙いながらブンブン釘バットを振り回すガルデン。しかも逃げても追いかけてくる。 それではまた後程。 ――――― 028:菜の花 いちめんのなのはな、という詩があったが。 正にそうとしか言い様の無い光景を眼前に、ガルデンは目を細めた。 個々は小さな太陽の様でいて……拡がる様は、まるで何もかもを包み込む黄金色の海。 優しい輝きは、白狼と呼ばれる強さを誇りながらも常に穏やかで、深く温かな心をもつ遠い日の仲間を―――そしてその言葉を思い出させた。 「菜の花のおひたしを作る時、だしをよく冷ましてからひたすと、色がとても綺麗に出るんですよ」 百年の間にもおひたしを作る機会はついぞ訪れなかったけれど、それでもこの花を見る度に彼の言葉を思い出したし、これからも思い出すのだろうとガルデンは思った。 幽かなる麦笛の音が、遠くで聞こえた気がした。 ――――― 「文字書きさんに100のお題」配布元:Project SIGN[ef]F様 ――――― あのエレガントな容姿に随一の実力を秘めながら、何故か家庭的な雰囲気が漂うグラチェスさんが大好きなのです。 ――――― 台風が来ております。 「ああ、アデューとガルデンの夫婦喧嘩にサルトビが巻き込まれたんだわ」とニヤニヤ出来る様な事態で済めば良いと思います。
タイからやってきた激生ムエタイアクション映画「マッハ!!!!!!!!」を観てきました。 とにかく凄かった。凄すぎた。一撃一撃が本当に痛そうで重そうなんですよ。あんなの喰らったら死ぬだろうなあと手に汗握ってしまうのですよ。 もう主人公のティンが強い強い。有り得ないほど強い。 凄いとしか言えないのがもどかしい。 そして問答無用。急所狙いまくりの殴りまくり。 棒術やトンファーでの攻撃がこんなに速く強く恐ろしく見えたのは初めてだよ。 あ……アクション映画の感想って難しいですね!!だって何処が良かったとか此処がカッコよかったとか、言葉で説明できないんだもの……!!凄いから見て下さいとしか言えないんだもの。(汗や血が飛び散り埃が舞う生々しいタイプのアクションが苦手な方にはお勧めできないかも知れませんが) なので此処からはアクション以外の話を。 見たのが吹き替え版だったのですが、ティンの声が結構若い感じ(LORのフロドの人だった筈)で、役者さんも顔も二重で目ぱっちりな童顔(?)さん、性格も「ど田舎町から仏像の為だけにはるばるバンコクにやってきた純朴で信心深い青年(ちょっと生真面目的天然ボケ入り気味。お人好しという訳ではない)」なので、その繰り出す技のえげつなさとのギャップが凄いったら。 鍛え上げられて艶光る褐色の肉体美も見事。後半でズボンの止め紐(ベルトならバックルの辺り)が映るシーンが有るのですが、スクリーン一杯に映し出された滑らかで硬そうな下腹に思わず拳を握り締めてしまいました。 褐色しなやか筋肉萌えの方(当サイトの、しかも此処を見てくださっている方の中にいらっしゃるのだろうか)はティン(や敵役サミン)の肉体だけでも見る価値ありですぞ。 後、ジョージも美味しい役所でした。 ヒロインの子は可愛いのですが、個人的には役どころと言うかキャラが……正直なところヒロインはティムで良いよと勝手に思ってしまいました。 いや……ティムの生真面目で純朴で礼儀正しくてストイックな性格とかね!容姿とかね!ダメージを受けた時の姿とかね!(特にノコギリ攻撃のアレ)あと、闘技場でコインがキラキラといっぱい降ってくるシーンとかね。先週観た「69」の、薔薇の花弁舞い落ちる中のヒロインを思い出してしまいました。(トニー・ジャーに謝れ) ストーリーに関しては、余りにシンプルで、何を書いてもネタバレになってしまいそうで恐ろしくて書けません。 ただ、予告編などで「仏像を取り戻す」だけの話だと思っていたので、エンディングにはちょっとグッときました。 これ、友達と見に行った方がより楽しめるかも知れません。 もしくはDVD出た後やTV放映された時に、皆でわいわいやりながら観るとか。 ともかく、見た後にはこう、拳に力が入ってしまったりする事請け合いの映画です。 打撃系アクション好き!!な方や格闘ゲーム(特にスト2系)好き!!な方に是非お勧め。 暑い夏こそ暑苦しく滾りまくった映画を!!! またいずれ、今度は字幕版を見に行きたいです。給料入ったらきっと行ってしまう。 後は「セイブ・ザ・ワールド」を見てみたい。キュートな親父スキーと致しましては!! ――――― 火曜日の雑記がUPされていなかった様なのでUPし直してみました。
毎日暑いですね。 そして忙しないですね。 この時期になると、アイス片手にはしゃぎながら道をゆくプール帰りの小学生達一人一人に「足元がお留守ですぞ」と言いながらスライディングしたくて堪らなくなるTALK-Gですこんばんは。 さて、今日陽炎たつ中を台所の隅に放置されていたほうれん草の如くしおしおとくたびれ果てて帰ってきますと、配達用の宛名シールをぺたりと貼られたア・ダンボール箱が居間のテーブルの上に。 家に居た母に聞きますと、なんでもそれは親父が通販で衝動買いしたやたら高い人形なのだとか。 高い人形?ついに親父もスーパードルフィーにでも手を出したかなどと思っていたのですが実際はそんな事は無く、学研・大人の科学シリーズのからくり人形だったのでした。 自分で組み立てるこのからくり人形、ふたつある内「大江戸からくり人形」(カタカタとお茶を運んでくるアレ)は組み立て所要時間は1時間半ほどという事なのですが。 帰宅後すぐ組み立て始めたにも拘らず、5時間経った今も完成には至っておりません。頑張れ親父。 しかし「科学の実験」というのは良いですな!! 言葉の響きがもう既にワクワクですな!! ガスバーナーでスチールウールを燃やしたり水素を燃やしたり勢い余って天井を焦がしたりした学生時代のあのときめきが、胸に押し寄せてきそうです。 ――――― *随分昔の話* コンコン ガチャ 「よ、ガルデン。何やってんだ、ベッドの上散らかして」 「あ、アデュー……」 「なんだ、また『エルドギア魔法科学実験セット』で遊んでたのか。 今度は何だ?……何々、『自立歩行が可能なロボット・リュー』? あー知ってる知ってる、これ、今、凄い人気だよな」 「こら、触るな!」 「何だよ、ちょっと見せてくれたって良いだろ」 「お前はがさつだから壊しそうだ。部品を何処かに失くすかも知れん」 「ガルデンだって不器用な癖にさあ……こないだだって実験セットの『簡易ワープゲート』作ろうとして爆発させてただろ」 「あっ……あれは、少し力加減が巧くいかなかっただけで……他は完璧だったのだ!!」 「後で見たらパーツがかなり余ってたって聞いたけどな」 「……誰から」 「お前の従妹から」 「ナビアーー!!!」 「怒って呼んだって来ないぜ、カッツェんとこにお呼ばれだってさっき出てったから」 「…………」 「玄関のとこで会ってさ、少し留守にするけどお前の事宜しくって」 「……余計な事を……」 「…………」 「……何をニヤニヤしている」 「いや、俺ってお前のパートナーとしてナビアにも認められてるんだなあって。 何つうのかな、家族公認、みたいな」 「たまたま其処に居たからそう言っただけだろう。 お前なら図々しくも我が家の構造にやたらと詳しいから、茶菓子をすすめる手間も省けるしな!」 「ひ、酷え言い草だな。自分でお茶淹れて自分で菓子出して自分で勝手に食えってのかよ」 「そうだ、私はやらんからな。お前は客ではない」 「そうだな、俺は客なんかじゃなくて、もっとこう、深くて甘い関係者だもんな。 こう……心も、体も……」 「……暑さで頭をやられたのか?」 「お前こそほっぺた真っ赤になってるぜ。普段は青白い癖に、こういう時はその長い耳の先っぽまで真っ赤になるんだよな、お前」 「……、………」 「わああ!!わ、判った、俺がふざけすぎた。 あ、謝るからその手のハンダごてを下ろせ!こっちに向けるな、な? そ、そうだ、なんか持ってきてやろうか!その分だとどうせお前、朝から実験セットに夢中で何も食ってないんだろ?ちょっと休憩しておやつにしようぜ、おやつ!丁度いい時間だしな!キッチン借りるぜ!!」 バタバタ、ガチャッ、バタン 「……ふん……」 コンコン、ガチャ 「お待たせー!」 「……ああ」 「何だよ、休憩しようって言ったのに、ずっと続けてたのか。 あんまり根詰めると却って巧くいかないぜ、体にも悪いしな」 「しかし、まだ半分も出来ていない……」 「そんな急がなくても、ゆっくり時間かけて楽しみながらやれば良いだろ。 ほらほら、さっさと片付ける」 「……うう……」 「そんな顔しなくても、取り上げたりなんかしないって。 傷付くよなあ、恋人が作ったおやつよりも科学実験セットの方が良いなんて……」 「そ、そういう訳では……」 「そうだよな、やっぱり俺の作ったおやつの方が良いよな! ガルデンならそう言ってくれると思ったぜ!」 「…………」 「溜息なんかついたって駄目だぜ、ちゃんと食べろよ。 ……ベッドじゃ手狭かな、テーブルの方行くか?」 「……いい。このまま此処で食べる」 「おう、じゃあとりあえずその科学セットはこっちに置いとくからな」 カチャカチャ 「これ、サンドイッチな。中身はハムとチーズときゅうり、卵焼きの四つ。 一口サイズだから、お前でも気軽につまめるだろ? で、こっちがフルーツの盛り合わせと、飲み物は紅茶な。夏バテにも良いらしいからな。 それから、棚に入ってたのをちょいと失敬してきたアップルパイを温めて、上にバニラアイスをこう、のっけてとろかして……どうだよこれ、溶け出したバターと林檎とアイスクリームが皿の上で綺麗に層になってるだろ?!」 「見れば判る」 「……そうだな」 「……お前の分は?」 「こんなに沢山、食べきれないだろお前。いっしょに食うから大丈夫」 「お前には足りないのでは?」 「や、作ってる間に結構つまみ食いしちまったからさ。 気にしないで良いよ。 それより、早く食べようぜ。どれが良い?」 「……言っておくが、自分で食べられるからな。 お前の手は借りんからな」 「ちぇー」 「……ガルデン、口元にクリームついてる」 「見え透いた嘘を言いながら顔を近づけてくるな。 お前など鼻の頭についているではないか」 「え、マジで?!」 「嘘だ」 「……………」 「ああ……何か腹いっぱいになったら……眠くなってきたな……」 「寝るならそちらのソファで寝ろ。 ……ベッドに入ってくるな!」 「あー、眠い眠い……むにゃむにゃ」 「目をぎらぎらさせながら何を言っているのだ貴様は!」 「いや、だってさあ……お前、放っといたらまたあの実験セットに没頭しちまいそうだし」 「それの何処が悪い……、…… ! ど、何処を触っている!!」 「やっぱり俺は金属板やネジよりも、お前の肌の方が好きだな」 「そんな事は訊いておらん! え、ええい止めんか!離せ!!誰か帰ってきたらどうするつもりだ!?」 「誰も帰ってこないって。ナビアが言ってたぜ、皆暫く留守にしてるんだろ。 だから俺にお前の事『宜しく』って言ったんだろう」 「……〜〜〜」 「また真っ赤になってるぜ。 気難しいハイエルフ連中の中で、いっとう判り易いよな、お前って」 「………、……」 「そんな固くならなくても。俺が怖い事しないの知ってるだろ。 な。いつもと一緒だって」 「……。………」 「ほら、ちゃんとこっち向いてみろよ……」 ・ ・ ・ ……かち、かちゃ、…パチン 「……ん……何やってんだ、ガルデン」 「……起こしてしまったか」 「……何だよ、また実験セットやってたのか。 隣に愛しい男が寝てるってのに、つれないなあ」 カチ、カチ、パキン 「なあ……それってそんなに良いもんか?」 「…………」 「つうかさ、お前が作ってるのって、『リュー』シリーズん中でも組み立てが結構難しいやつじゃなかったっけ?ギミックが結構沢山あって、回路系統がややこしくてさ」 「…………」 「手先の器用なサルトビやヒッテルにも手伝って貰ったら、もっと楽に組み上がるんじゃ……」 カチ…… 「……駄目なのだ、これは……」 「え?」 「これだけは、私ひとりで組み立てないと」 「……なんで」 「そんな気分なのだ。本当は私は余り『リュー』には興味は無かった。 けれど、これだけは私が自分だけの力で組み立てないといけない気がするのだ」 ……ぱき、ぱき、カチャ ――――― そうして出来上がったのがシュテルだとか、そんな話。 主題がボケてしまっていますが。ああ。 以前何処かで書いた気がしますが、リューというものが本当は「神様」がホビーとして作ったプラモデルみたいなもので、それを人間たちが勝手に有り難がっている、とか、そんなだと良いなあと思いました。 もしくは病気がちでいつもベッドの上のハイエルフが、自由への憧れや自分の大事なものを守って欲しいと言う思いを込めて作った人形が魂を得た、みたいな。大映の大魔神ですか。 後、ガルデンの一族とナビアの一族に何か血縁みたいなのが有っても良いなあと妄想しています。 特殊能力を持つエルフ萌え。
幽世(かくりよ)に棲まう魂が、嘗て暮らしていた現世(うつしよ)に還ってくる事が有る。 それも儀式などで強制的に呼び戻されるのでなく、自主的にお里帰りする事が、だ。 ……言ってしまえば何のことは無い、お盆だとかハロウィンだとか、そういったイベントに合わせてひょいと愛しい子らや世を見に顔を出すだけの話であるが。 「此処百年のこの国は、文化も宗教も浅く広く交じり合い薄まって、しかしその根本の『タマシイへの漠然とした畏怖の念』は、昔のまま根深く人々の心に残ってある。 厳粛な宗教国家に比して、イージーでフランク、且つポエティックな神秘思想が息づく、この幽世の者にとっては居心地の良い雰囲気が蔓延しているのだ。 いや、実に結構、結構」 幾つかのエリアに分かれた幽世の、中でも最も混沌とした、ちょいと一筋縄ではいかぬ変わりモノどもが暮らす領域。 其処を統べる銀髪の君主は、神秘な世界に余りに似合わぬド真っ赤なソファにどんと掛け、畏れ多くも「上」から賜った神託台に行儀悪くも足を投げ出し、大人っぽいと言うには余りにやんちゃ、子供じみたと言うには余りにワルい笑みを浮かべてそう言った。 隣に侍る、ゆるく波打つ黒髪と凛とした目が美しい聖女は、くすりとたおやかに笑ってこう続ける。 「昔からこの国は剣神・六柱神のみならず、八百万の神々が集い群れるというところ。 他国の宗教観を取り入れ、自らのものにしてしまうのにも、さしたる抵抗は無かったのでしょう」 二人が指差し「この国」と言うは、眼下に広がる大きな湖。 「神々のレンズ」と呼ばれるソレには、今日も現世のあちこちの様子が、ほわんほわんと現れては消えしている。 その中に、件の「この国」の光景が混じっていた。 ミストから電気を取り出す技術の開発と産業革命を経て、ヒトと電化製品と車がごった返す街。 昔ながらの技術と現代の工具を使ってやぐらを組んでいる田舎の広場、水着の姐ちゃんが眩しい海やプール。 それらのどれもに、レンズを通しても伝わる様な熱気が立ち込めていて。 「賑やかな事だ」 君主は目を細め、さっと手を振ってなにがしかの術を用い、レンズ全体で「この国」を映し出した。 「太陽は一年のうち最も大地に近く、その強すぎる光にもこの国のヒトは図太く恵みを見出し、男女の別無くのべつ幕無しに恋よ遊びよと浮かれている。 この光景を見ているとな、短い生涯に己がゲノムを残さんと、割れんばかりに喧しく鳴くセミ共を思い出してな。至極心が浮き立つのだ。 それに、光が濃い分闇も濃いしな。盆とやらもある。それにかこつけた祭もあるし、花火も上がる」 そうでなくとも幽世のモノには、先程言った通り過ごし易い国であるのだし。 いまわの際にぱーっと一花咲かせて…咲かせ過ぎて「問題児」と判じられ此処に放り込まれた型破り上等の連中にとっては、ちょいとはじけるひと夏のヴァカンスに最適という訳だ。 「もう既に、『帰省』願いも随分受理しましたね」 言ってみれば「出国手続き」の様なものだが、それを受け付けた際の大変な混雑や騒動を思い出したのか、聖女はくすくすと笑って君主を見た。黙っていると凛として近付き難い雰囲気だが、笑うと中々どうして、ウブな者ならどきりとくるほど可愛らしくあどけない。 「彼ら彼女らの喜びようと言ったら……受入先の現世に住まう者と、それを統べる者は大変でしょうけれど」 「自らの手に負えぬ、と我等を此処に放り込んでおいて、大変も何も無いものだ。 『生きる』悦びで伸ばした羽に、打たれて失墜せぬ様せいぜい気張っているが良いさ。 そうでなくとも今の現世には、彼奴等『神々』の権威と後光は通用し辛くなっているのだから」 羽は伸ばせる、彼奴等には吠え面かかせられる、この領域の面倒を見ている私やお前や硝子の目の女神も問題児どもの世話から解放されて、全く夏と言うのはまことに結構なもの、と、ソファの上で猫の様に伸びをして。 「……時に其処の黒い騎士よ、お前は現世には戻らんのか」 ふいと湖の脇に視線と言葉を投げかける。 其処でもう長い間ずっと三角座りをして湖を見ていた黒い機械の巨人は、暫く黙って固まっていたが。 「そうやっていつも鬱々としているお前も、他の者と同じく浮かれて里帰りしてくれれば、私の夏は更に有意義なものとなるのだがな」 ここまで言われて漸く、 「己には帰る場所など在りませぬ」 陰々滅々とした声で返事をした。 はあ、と溜息をつく君主。 「お前、何を拗ねている。 此方に来た時から鬱陶しい奴だとは思っていたが、よもや夏の眩しさを目の当たりにしてまでそういじけられるとは思わなんだ。さしもの私もうんざりとしてくるわ」 「いじけてなどおりませぬ」 「嘘をつくな。この私にそんな虚言をほざくのは、この領域では貴様ぐらいのものよ。 ……大体なんだ、日がな一日湖を眺め、望郷の思いなど募らせるなら兎も角うじうじと項垂れおって。私のを見習え、こいつはこの幽世でも実に楽しげに『生』を謳歌しているではないか」 辛辣に言う彼の背後には、これまた黒くしかもやたら滅多にトゲトゲとした機械の巨人が恭しく侍り、手にした(ヒトにとっては)大きな扇をゆったりと煽いで、彼へと涼しい風を送っている。 ……そんなものが無くとも此処は常に、すまう者それぞれが快いと感じる状態に保たれているのだが、まあ雰囲気というやつなのだろう。トゲトゲの巨人はこの状態に、確かに悦に入り満足しきっている様子だった。 見習えと言われた方はそれをちらりと見、溜息をつかんばかりの白けた声で 「孤独や無力感を忘れたモノは幸せですなあ……」 と呟いた。 ひくり、と頬を引き攣らせた君主が何処からとも無く禍々しい力を放つ魔槍を手に召喚し、それに気付いたトゲトゲが慌てて止めようとしたりしているのを他所に、聖女は笑みをおさめて首を傾げる。 「どうして貴方に『帰る場所』が無いのですか」 「…………」 何処までも深い色の瞳に見つめられ、騎士は再び沈黙し、湖に視線をやった。 映し出されるとりどりの景色。 「この国の何処かに、貴方の大切なひとが今も暮らしているのでしょう?」 騎士の傍に歩み寄った聖女は、そのましろい衣を揺らして水面を指す。 もう聞きたくないとばかりに騎士は顔を背けるが、聖女は構わず言葉を続けた。 「貴方には見えているのでしょう、それが雑踏の中でも夜闇の中でも」 「止めて下さい……」 「たったひとりの、貴方の大切なひとが」 「……止めて下さい!!」 苛立ちと共に爆発的に膨れ上がった「力」を向けられ、しかし聖女は一歩も退かずその目も逸らさず立っている。 ……「力」はいつの間にやら聖女の右に立った君主の手に絡め取られ、彼に食われて消えた。 「馬鹿だ、本当に貴様は馬鹿だ。しかもガキだ。どうしようもない」 呆れきって君主は言う。 「『闇黒の君主』と『沈黙の聖女』に刃向かう奴など、聞いた事も見た事も無いわ」 畏れ多いとかそういう理由からではなく、全くもって赤子が大の大人に挑む様なものだからと、この幽世ではまず最初に誰もが思い知る揺るがない理(ことわり)。 ……それに真正面から反駁した騎士は、項垂れて拳を握る。 「……そうです、己は馬鹿です、どうしようもない馬鹿です。 無力で、何も出来なくて……それだからあの方を残してこの幽世に…… だのに、どうして今更のこのこと顔を出したりなど……」 「要約すると『自分の都合でかなり長い間会っていないから顔をあわせ辛い』という事か。 判るぞその気持ちは。ランパブやピンサロなぞでも、馴染みであればある程、一ヶ月足が遠のいた程度で行き辛くなるものなあ」 「下品な例えをしないで下さいッッ!!!」 長くなりそうなモノローグ(セピア色の回想シーンつき)をばっさり切り落とした君主に、騎士はブルブル震えながら握り拳を固めていたが。 「……けれど、会いたくない訳ではないのでしょう。 この湖からいつも心配そうに『あの方』の様子を見ているくらいなのですから」 聖女に言われ、またかくりと項垂れる。 「……あの方は毎日幸福そうに暮らしておられます。 時折寂しそうな顔もされますが……それでも穏やかに、血と剣戟から離れてゆったりと…… ……己は所詮、戦以外の役には立たぬモノです。 今の平和な現世には必要有りませぬ。今の幸せそうなあの方にも……」 「貴様はマイナス何ルクスだ。湿っぽくてカビも生えるわ」 嫌そうに眉を寄せる君主を制し、聖女は騎士に、まるで愛し子のお遊戯を見る母親の如く微笑んだ。 「必要でなければ、会いに行ってはいけないのでしょうか」 「………」 「余り難しく考えず、その『幸せそう』な姿を見に行くだけでも構わないではありませんか。 急に顔をあわせるのが辛いと言うのでしたら、こうして……」 その細い腕をゆるりと挙げる聖女。瞬間、光で出来た幾つもの魔術文字が、リボンの様に彼女を取り巻く。 現世では既に失われて久しい、力ある記号の意味ある羅列…… 光の帯は一旦解けると、彼女が差し伸べた手の先、黒い騎士の巨体をふわりと囲った。 「こ、これは……」 「貴方の魂だけを純粋に取り出す術です。……この幽世において必要上纏っている『物質(マテリアル)の意識』を脱がせる術と言った方が良いかも知れませんね」 狼狽える騎士に、聖女は何でも無い事の様に言う。 「貴方はこれから正真正銘の『タマシイ』のみの存在になります。 現世では誰にも貴方の姿は見えません。勿論貴方の大事なひとにも」 「…………」 「何もかもを見通せても絶望的な隔たりが存在するこの湖からだけでなく…… 『あの方』と同じ世界で同じものを見、彼が本当に幸せなのかどうか、感じてきなさい。 そしてそれが余りに辛いのなら、すぐに戻ってきなさい。 『シュテル』」 柔らかな声と共に、真名を呼ばれた騎士の体から赤い輝きが染み出してくる。 それは掌に載るほどの光球となり、中空にふわりと浮かんだ。 同時に騎士の体は、輝きと同じ色の目の光と、五体の力を失う。 「お前は闇の他に、無機物や雷と相性が良い」 君主が光球を突付きながら言った。 「今の現世に溢れる電化製品に宿って魔力を吸収するなりすれば、そう魂を磨り減らすことは無いであろう」 ある程度ならば宿ったモノを操る事も出来るし、と続けて彼は、ぴしりと光球を弾く。 「早く行け」 その、ぶっきらぼうな言葉と聖女の穏やかな瞳に後押しされたのか、赤い光球は暫しうろうろと彷徨った挙句、結局現世への道である湖へちょぽんと飛び込んだ。 ……融ける様に消えるそれを眺め、 「沈黙の聖女が秘技中の秘技たる解放の言霊を使うか」 君主が肩を竦める。 「随分甘やかすものだ」 「私にとって彼は……彼ら機械の巨人は、全て命を分けあった子供の様なものです。 ……それに、大事なひとを待つ辛さと待たせる苦しさは、判っているつもりですから」 「ふん、我侭で後ろ向きで手の掛かる子を持つと大変だな」 君主の皮肉にさえ、騎士へのものと変わらぬ眼差しを向ける聖女。 彼女に「貴方こそ何故、他の者に求める様な『出領許可申請』をさせず彼を行かせたのですか」と問われた君主は、 「……奴の主は私にとっても代わりの無い者だ、奴だけがあれを好いている訳ではないと言うに」 それだけ呟き、拗ねた様に唇尖らせ足元の石を蹴って、聖女を「貴方が一番手の掛かる子供ですね」と笑わせた。 ――――― 本当は昨日の「お題27・電光掲示板」の前半部分だったのですが、主題以外の部分が長すぎるという事でカット。 別にこうしてUPしてみました。(貧乏性) ガルデン(漫画)やソフィーは、その生き様や能力が余りに特殊すぎる為、この世での生を終えた後は何か隔離スペースに放りこまれていそうな気が。 で、其処の支配者になるのですきっと。 そしてガルソフィ。(何てカップリングだ) ガルデン(漫画版)はソフィーとも結構相性がいいのではないかと思うのですが如何か。いや、露出しているメディアが違っている時点で接点ゼロの二人ではありますが。 しかしこう、「全てのリューの上に君臨し、そのエネルギーを束ねる能力を持つ闇の君主」と「リューに生命を与え、また奪う力を持つ沈黙の聖女」という組み合わせは非常に麗しいのではないかと。 これに「リューの声を聞き、力を与える事が出来る救世の女神」(ナビア)が加われば大変な事に。 この三人は自分の血筋や能力の所為で色々と辛い思いや苦労をした面まで一緒なので、案外気が合うのではないかと勝手に思っています。 「ガルデン様!」「ソフィー様!」「ナビア様!」とか呼ぶ連中がもれなく一人ずつついてくる辺りも同じだしね!(イドロ・ミズキ・旅の僧。全員僧侶だ) ――――― NHKの動物番組を見ていて、「朝子供ラッコが目を覚ますと、いつも傍にいたお母さんの姿がありません」というシーンが。 きゅーきゅー鳴きながら必死でお母さんを探す仔ラッコの姿に、思わず小さい頃のガルデンを見てしまい、不肖TALK-G思わず目頭が熱くなってしまいました。ああ。(すごいバカ) 個人的には、TV版のガルデンのお母さんは凄い強い上に美しく母性愛に溢れた典型的な「グレートマザー」で(それはもう、ガルデンにマザコンの気があっても仕方ないくらい)、漫画版のガルママは自分の息子を恋愛の対称にしてしまう様なひとであったらいいなあと何となく考えています。アグリピーナ的(またの名をTVイドロ的)なひとでも良いですが……!! TV版は愛情一杯に育てられたからあんなので、漫画版は健全とは言えない家庭環境におかれていたからあんなんなのだとか。 TVのガルデンは、ラジオ版などで補完してみるに結局、自分の血の全てを受け入れた様ですが(「俺は邪竜族とアースティアのハーフだ、その二つの世界を魔族などに奪われたくないだけだ」とかなんとか言っているシーンがあるのです……郷土愛?)、漫画版のガルデンは両親の血(エルフと邪竜族)をも否定しているのがなんとも興味深いです。 とりあえずTVのガルママはホットケーキの匂い、漫画版は香水とアルコールの匂いという事で…… ――――― 金曜日の更新、結局出来なくて申し訳ありませんでした。ウウー。
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