※漫画版・擬人化・若返り・214年前で※ 「シュテルー、見てみろ!いいだろう!!」 不意に響いた幼い声に、ガラス食器を割らない様に磨く練習…つい先日「一族」と同じ姿を手に入れたばかりの彼にとって、それはとても難しい作業…をしていたシュテルは、直ちに手を止めて体ごと振り向いた。 何時の間に其処にいらしたか。キッチンの入り口には彼の小さな御主人様が、蒼の瞳を得意げに輝かせて笑っている。 その表情の眩しい事。闇に慣れた目には些か刺激が強い。 シュテルは紅い目を細め、素早くそのでかい身を屈し、何のてらいもなく跪いた。これで主の許し無しに、彼を見下ろすという無礼を働いてしまう心配は無い。 ……さて、主は一体、何を以って己に「見てみろ、いいだろう」と仰ったのか。 「これを見ろ。イドロが『服』を作ってくれたのだ」 考える間も無く出される答え。主の面(おもて)しか見ていなかったシュテルは、改めてその小さな体を包む衣に注意をやった。 「そろそろわたしも、この世界のしくみの何たるかを学ぶために、ヒト里におりたりしなくてはいけなくなった。 そのとき着ていくようの服なのだ」 あまり熱心に見詰めるシュテルに気分を良くしたか、主は猫の様なしなやかな仕草でくるっと回って見せる。 ふうわり広がるケープ、上着の裾。その下からは膝丈のキュロットが覗く。 淡い色合いの、子供向けの上等な服……一般の者には、その程度の事しか判るまい。 だが。 「―――――」 シュテルの紅い目が無機質を思わせる光を宿し、その「一見、ただの服」の詳細なマトリクスを読み取り始める。 ケープや上着、キュロットの所々には、様々な魔術的意味を篭められた紋様の縫い取り。 革のショートブーツや上着の袖口には、釦に模したアミュレット。 服に使われた布そのものに織り込まれているルーン。 それらから構成される術式は――――― 「……極めて強固な守護の魔法。 守護だけではなく、仇為す者に対しては高レベルの逆魔法を発動させ、報いを受けさせる…… 正に刃を着込むに等しい攻守一体の効果。 また、招魔の式と抗魔の式を同時に成り立たせ、使用魔力の不足や余剰を常に解消する事によって、着用者への負担を無にする工夫も見られる」 「ん、その通りだ。 さすがわたしのリュー、シュテル……おまえの『目』はとてもたよりになる」 ますます上機嫌になった主に褒められ、シュテルは「勿体無いお言葉」と顔を伏せた。 ……そうでもしないと、嬉しさに微かに頬がひくつくのを隠せない。 主に褒められるというのは、何時だって最高に気持ち良い。 戦場で槍を揮い脆弱なモノ共を貫くのなんかより、何倍も、だ。 「すごい力があるだけじゃないぞ」 と、そんな下僕をさておいて話を進める主。 「この服はとても軽くてやわらかくて、きもちいいのだ。 どんなにすごい力があっても、ごわごわしていたり重かったりしてはダメだと思わないか?」 「仰る通りで御座います」 魔法衣とは、マジックアイテムである以前に「服」である。 どれほど魔術による付加価値が高かろうと、そもそもの基(もと)である「服」としての能力が低ければ、それは欠陥品なのだ、と。 そう仰せられる小さな御主人様の鋭く容赦ない「目」に恐れ入り、シュテルは益々頭を低くする。 こんな厳しい御主人様に、自分は褒めて頂けた、と、収まりかけた喜びを再燃させながら。 主は主で下僕の賛同を得られた事に満足し、「やっぱりそうだろう」と頷いて。 「それと、もうひとつ。 服というのは、にあうものじゃないと、どんなにいいものでも台なしだと思うのだ」 笑みを含んだ言葉。 「シュテル、わたしを見ろ」 言われるままに顔を上げると、目に飛び込んでくるのは御主人様の笑顔。 天上の精霊も煉獄の仔悪魔も、こうまでひと(リューだが)の心を惹き付け蠱惑する笑顔は浮かべられまい。 思わず瞬きも忘れて見入る(魅入られる)シュテルに、主はケープを留めるブローチを弄りながら囁く。 「おまえは良い『目』をもっているから、おまえに聞きたい。 この服……にあっているか?」 尋ねられたシュテルは、思わず……今度は極めて感情的に……主の姿を見た。 刺繍の入ったケープ、その下の上着。柔らかな色合いの中でも、主のそのミルク色の肌と銀の髪、薔薇色の頬に青玉の瞳は良く目立つ。 キュロットから伸びた脚は黒のニーソックスに包まれていて、ぼやけがちな色彩へのアクセントのみならず、ちょっと大人びた雰囲気を醸し出してもいる。そこ等の子供など比較対称にならぬ程の風格を備えた主には、大人っぽいくらいが丁度良い。 とにかく、よく似合っている。可憐且つ華奢でありながら生き生きと躍動感に溢れた主のその御姿、魅力を存分に引き出すフォルムといい、見事なデザインであるとシュテルは考えた。 「はい、よくお似合いです」 「ほんとうか?」 「はい。とても、可愛らしくて……」 うっとりしながら賛辞を述べようとしたシュテルに、主は突然むっとした表情を向けた。 「……かわいい、だと?」 「は?は、はい」 先程までにこにこしていた御主人様の声と表情の変わり様に、シュテルはびくりとしながらも頷いた。 「……ばかシュテル!おまえなんかきらいだ!!」 「!!?」 途端主はキッとその大きな猫目で下僕を睨んで身を翻し、キッチンを走って出て行ってしまった。 下僕は何が何だか判らず、とにかく「嫌われた」というショックに呆然とその場に凍り付いていたが。 「……おや、どうなさったのですか?そんな御機嫌斜めなお顔をされて」 「イドロー、シュテルがわたしをバカにしたのだ」 「!!!」 キッチンの扉の向こうから聞こえる会話に、顔色を変えて立ち上がった。 誤解だ。バカになどしていない。 例え天地が引っ繰り返ろうと、このシュテルが貴方様をバカになどするものか。 引っぺがす勢いでドアを開け……勢いだけでなく本当に少し蝶番部分をがたつかせながら、シュテルはキッチンを飛び出した。 すると其処の廊下に、主と珍しく若い女姿のイドロが立っている。 主はシュテルに気付くと、ぱっとイドロの後ろに隠れて。 「あっち行け、ばかシュテル」 と、顔だけ覗かせてべーと桃色の舌を出した。 「……お前、何をしたんだい」 あからさまな拒絶をされ、床に膝着く事も忘れて顔にスダレを掛けるシュテルを見上げ、イドロは眉を顰める。 問われてもシュテルは答えられない。彼にだって原因が判らないのだから。 と、其処にもうひとり、主の腹心であるマーカスがやってきた。 「何やってんですか隊長、こんな所で」 食事帰りか、爪楊枝を咥えながら不躾に尋ねるマーカス。普段なら「ぎょうぎがわるいぞ」と咎める所だが、今の隊長……主には、それも目に入らないらしい。 むくれた表情で、小さな拳を振り回しながら、 「シュテルが、わたしのこのかっこうをバカにしたのだ!!」 「そ、そんな!!わたしはそんな事は!!」 必死で弁明しようとするシュテルときゃんきゃん怒る主の間に挟まれ、何とも困り果てた表情のイドロに、マーカスは訳知り顔で呟く。 「ははあ。どうせシュテルの事だから、隊長の事を『可愛い』だとか言ったンだろう」 「そうなのだ!」 「そ、それが如何してバカにした事になる!!」 シュテルよりよっぽど「判って」いる、と表情をころりと明るく変え、マーカスに駆け寄る主。それに更にショックを受けながら、納得いかんとシュテルは吼える。 敵意剥き出しで向けられた火を噴かんばかりの紅い目にも、しかしマーカスは涼しい顔で、ひょいと隊長を抱き上げて。 「隊長みたいな立派な男に、『可愛い』は無いだろうよ。 ナメてると思われても仕方ねえよなあ」 「マーカス、この服、にあっているか?」 「勿論、隊長。中々『強そう』で『カッコいい』」 褒められた隊長は、嬉しそうに目を輝かせ、「そうだろう、カッコいいだろう」と見ている者こそ蕩けそうになる笑顔を与えた。 ……マーカスに。 本当ならあの笑顔は自分のものになる筈だったのに、と血が滲むほど拳を握り歯をギリギリ軋らせているシュテルになど、その欠けらもくれない。 「わたしはこの一族の長、ひいてはこの世の『は王』となるもの! それを『かわいい』だなんて、バカにするにもほどがある!」 マーカスの肩の上で胸を反らせ、主は極めて遺憾だと下僕を見下ろし。 「お前もマーカスを見ならえ」 と、常に主の第一の下僕である事こそを誇りとしているシュテルにとって、極めて冷酷な戒告を投げた。 「……申し訳、御座いません……」 跪き、血を吐く様にして詫びながらシュテルは、事の成り行きを面白がっている風にしか見えないマーカスのニヤニヤ笑いを紅い三白眼で睨め上げ、そしてこの結果を招いた己の不徳に、もう一度「申し訳御座いません」と額づいた。 主とマーカスが行ってしまってから、シュテルは漸くのろのろと立ち上がった。 それに、話の途中からキッチンに引っ込み、全く進んでいなかったガラス食器の片付けをしていたイドロが声を掛ける。 「災難だったね」 そもそもこの騒動の発端が自分の作った服であることはさておき、苦笑して続ける彼女。 「まあ、お前も頑張るんだね」 「言われずとも……」 膝を払い、シュテルは応える。未だショックを引き摺ってはいるものの、その目には既に常の色が戻っていた。 「やはりあのお方こそ、このシュテルが生涯を賭けるに相応しい。 ……その傍に常に己が在れる様、もっと研鑽せねばならん」 己というものに相当な自負を持つ、極めてプライドの高いリュー、シュテル。 そんなシュテルをして、従者たらしめんとする己が一族の長に、イドロは密かに頼もしさと末恐ろしさを感じた。 「イドロ、ガラス食器の片付けの残りを任せるぞ」 「……はいはい」 どうせ今のシュテルにやらせたって悉く割るか壊すだけだろう、と、イドロは溜息混じりに了承する。 それを受けてシュテルは、主の傍に在るべく後を追って駆け出した。 あっという間に見えなくなる姿を見送り、またキッチンに戻りながらイドロは、 「……男っていうのは大変な生き物だね」 やれやれと首を振るのだった。 ――――― シュテルって、何処か不器用な気がします。 と言うか、もし器用な性格だったら、ああいう形では主に仕える事は無かったのではないかな、と思います。 ――――― ……食器を粗方片付け終えたイドロが、そろそろ三時のおやつでも、と作り付けの小型貯蔵庫をごそごそやっていると。 シュテルが独りで、手に工具箱を持って戻ってきた。 「……どうしたんだい?お前、御主人様を追いかけたんじゃなかったのかい」 尋ねるとシュテルは、悄然とした表情で、 「……『先におまえがこわしたキッチンのドアを直してこい』と叱られた……」 ドアの所に座り込んで呟いた。 イドロは、「……ああ、そう」とだけ答え、やけに小さく見える丸めた背中を出来るだけ視界に入れない様にしながら、再びおやつの準備に取り掛かった。
給料はたいてリューDVDBOX2遂に購入。 既に購入済みのBOX1と併せて、漸くTVシリーズが揃いました。 これでいつでもうちのPCで闇騎士の細腰とか流し目とか悩殺ボイスとか全裸とか下僕の勇姿とか満身創痍な姿とか触手っぷりとかを拝める訳ですよ!!! PCのDVDドライブさえ修理に出せば。 そんなの待ってられないので、とりあえず思う存分DVD鑑賞出来る個室を借り、独り上映会クラクラガルデン祭りを行う事にしまして。 で、さあ燃えるぞ!ジーンとするぞ!!十年前の感激よ今一度!!と意気込んで、当時燃えに燃えた51話・52話(最終話)から見る事にしたのですが。 何か感動するよりも先に笑いが込み上げてきて困りました。 既にあらすじが頭に入っている所為か、物語よりも映像を見る事にばかり夢中になってしまいまして。 気付いたらネタ探しばかりしている様な有様だった訳ですよ。 で、探してみたらざくざくある訳ですよ、当時気付かなかった事が。 例えば52話、ナジーが精霊石の力をひとつにしてうんたらかんたらというシーンで マジドーラの杖が一瞬OVAマジバーンのものになっていたとか。 これじゃ駄目だろと、気を取り直してネタより物語に集中してみたのですが。 今度は邪竜皇帝と側近に萌えている自分に気付いて愕然。 いや、何と言うか、こう……邪竜皇帝のアクションが一々大きくてね!! あんな仮面や肩当(?)着けてる割に、重々しさが全然無くてね!寧ろ軽やかなところが、もう!! 二刀流でこう、腕を交差させて構える所なんかすんげー格好良かったですよ。 で、側近は側近で、前向いてる時と後ろ向いてる時で髪の色が違う(色指定のミスか?)とか何か有り得ない面にのけぞりつつも、やっぱり従者って言うのがね!!最後の「こ、皇帝陛下が!!」という叫びで妙に萌えてしまいました。 それと、皇帝倒して、クラスチェンジ解除したリューが降りてくるシーン。 シュテルが一瞬アップになるんですが……この時のシュテル、何かパーツが色々足りてない気がするんですが気の所為ですか? 肩当の所のビーム発射口とか。いや、単なる作画の関係かも知れませんが。黄色いパーツも見えるんだけど、それ、発射口とは違う位置にあったしなあ。 後、アデューと握手をして別れるガルデンのシーン、その細腰と身のこなしの余りのエロさに思わず一時停止→コマ送りをフル活用してみたり。(AVかよ) 目と目で通じ合っている感じが良かったです。アデュガルスキーの端くれと致しましては。 しかし、BOX2最初に収録されている27話ではあれだけ凶悪で凶暴で狂気に満ちた悪人面っぷりだったのに、可愛くなっちゃってまあ、とクロトワ張りに髭をひねりながら呟いてしまいます。 いや、27話のも52話のも好きなのですが。 ガルデンってやつぁ、本当に一粒で七、八度美味しい罪な奴ですな。 キャラクター定まってないとかそんなのは言いっこなしだ。 あ、それと、最終話で精霊石の力を全開にしたアデューが「アースティアを思う皆の心が」という風な熱い口上を迸らせるシーン。 ゼファーに被せてこれまでに出会った人々の姿が浮かぶんですが。 その中にウィンディーが入っていないのは一体何の仕様でしょうか。 ちょちょちょちょっとこれは無いんじゃないかと最後の最後で泣けた。一ウィンディー好きとしては。
まずは本日の更新。 TOP絵変更。「製作部長大いに語る」 ガルデン部長の腕時計はドッペル・クロノグラフの92万円するやつなんだぜとか考えながら描いたのですが全然それらしさが無い。 リングは「仕事と結婚した」という意味で着けてるんだぜとか、製作部長御自ら春の新番組・変身ヒーローもの「仮面ナイター・ゼファー」第12話からのライバル役「ダークナイター・シュテル」として登場(見所は体内の原子力エネルギーを使おうとして環境保護団体の反対デモを引き起こしてしまうシーン)とか、そんな妄想設定ばかり考えています。 10年目も妄想と萌えと妄想で頑張りたいですね。 それでは、また後程。 ――――― 嘘404エラー画面撤去。 スルーされているのをひしひしと感じながら、これからもネタ命のサイトでいきたい、と……!! それにつけても今日は、様々な所で四月馬鹿祭りが行われていて、とても楽しかったですよ! イベントって素晴らしいなあとホクホクしている不肖TALK-G(馬鹿歴=年齢)で御座いますこんばんは。 ――――― 萌え話をする度に、アデュガルが己のリューカップリング萌え原点である事を気付かされます。 そしてアデュガルがお好きな方、それぞれがそれぞれのアデュガルカラーをお持ちである事にも。 お聞かせ下さい、貴方のアデュガルはどんな色ですか。(プチ質問) うちのアデュガルはとりあえず白濁しています。 銀髪半エルフがお嫁にこないかなー(c)G=ヒコロウ ――――― 風切嵐様、萌え極まるお話、御馳走様でした…!! プチなアレに使うのはリボンが良いかと思われますが如何でしょうか。 リボンの騎士プレイとか言ってみたりなんかしt(銃殺)
うとうとガルデンさん 阿呆かと。 一年後にこれを見たとき「ぬう!!今にして見ると極めんばかりの阿呆さ!!」と愕然とするのか、 「ぬう!!この程度で阿呆とは片腹痛いわ!!貴様何するものぞ!!」と己(過去の)を叱咤するのか。 何かサイズの割に重かったり(約60KB)余計な物がくっついていたりするのは勘弁だ。
まずは本日の更新。 「GARTERGUNS'HOSPITAL」内「ILLUST」に一枚絵をUP。 「WATER WORKS」(グラチェス、パッフィー、ガルデン) 宜しければ御覧下さい。 それでは、また後程。 ――――― 大学内の2部(夜間)文化系クラブが所属している組織「文化会」で、4月に入ってこられる新入生の方向けに、各クラブを紹介する冊子を作ろうという事になりまして。 私が入っている文芸部も、自分のクラブの内容を自由に宣伝してくださいと1ページ貰ったのですが。 「うちの部はどうするんですか」 「宣伝します。その為にもこう、大きく絵を描いてください。 小説とかの文章だけじゃなく、イラストや漫画描きさんも入部して下さいという意味で」 「アニメ系の絵で良いんですか?」 「そっちの方が良いです。漫画とかギャルゲっぽい感じの」 「具体的にはどんな絵に?」 「可愛い小さい子の絵にして下さい。ちょっと強気そうな可愛い子。5歳くらい」 「……どうして?」 「僕の趣味です」 「…………」 「で、小さい子だけじゃしまらないので成人男性も描いてください。 小さい子の可愛さを引き立たせる為に、出来るだけ厳つい兄ちゃんで」 「………はあ」 「あ、この絵で良いですよ。 この絵にペン入れして、子供の髪型をちょっと変えて」 「いや、それはサイト用の……」 「この子の髪型はおかっぱが良いですね。前髪もうちょっと上げて」 「…………」 で、出来たのがこんなの。 此処数日は何かこの変な二人組の絵ばかり書いていました。 冊子原稿、ビラ、パネル、看板等。(それぞれ絵は違うのですがキャラは一緒) ……もしこんな感じの絵を見かける事があったら、
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