アデュガルです。 14日の雑記の続きです。 ――――― 「姿を現さないでくれって……どういう事だよ」 「言った通りの意味だ」 「俺、何かしたか?お前に避けられるような事……」 「そうではない。お前は何もしていない。 ただ、クリスマスの日、一日だけで良いから、私の前に姿を見せないで欲しいのだ」 「………」 「……約束だからな。私の願いを聞いてくれ」 「あっ、ちょっと……おい!」 「……そんな事が、ちょっと前にあってさ」 「でもあんたら、今は一緒に暮らしてるんやろ? そしたら明日は、丸一日ガルデンから離れとくんか?」 「いや、あいつがどうしてそんな事言ったのか知りたいからな。 こっそり様子を見てみようと思うんだ」 「まるでストーカーやな」 「仕方ないだろ、どれだけ理由聞いても、あいつ言わないし」 「放っといたら良いやん。ガルデンにも事情があるんやろ」 「いーや、放っとけない!!あいつを一人にしたら危ないし」 「そうか?まあ、わてには関係ないからええけど……」 「む、関係ないって言い方は無いだろ」 「だって関係ないやん。痴話喧嘩は犬も食わん言うしなあ。 それにわては、商売で忙しいんや。 年始年末は何かとお金が要るし、クリスマスには孤児院の子ぉらに、ちっとは良いもん食べさしてやりたいしなあ」 「あっ……そうか。ごめん、引き止めて」 「いや、そんな恐縮せんでもええがな。わてが商売で急がしいんはいつもの事やろ。 ……でも、そうやな。わてでも、あんたの役に立てる事はあるで」 「え?な、何だそれ」 「ジャーン!特製『インビジブル・コート』!!これ着たら、あんたの姿は透けて見えんようになる。尾行やらには最適でっせ、お客さん!」 「おおっ!!」 「しかもデザインも中々かっこええやろ。あんた背ぇ高いからよう似合うで」 「……見えなくなるんだったら、デザインも何も関係ないと思うけど」 「細かい事気にしな。さ、どや?今ならクリスマス特価、お安うしときまっせ!!」 「結局買っちまった………。 ま、良いか。 これであいつの前に『姿を見せない』で居られるし、……あの孤児院のケーキ代の足しになるんだったら」 「何をにやにやしている?」 「うわっ、が、ガルデン!!」 「……何を驚く事がある」 「い、いや、いきなり声掛けられてびっくりしただけだよ」 「そうか?……まあ良い。 アデュー、くれぐれも言っておくが、明日は……」 「判ってるって。お前の前に、『姿を見せなきゃ良い』んだろ」 「そうだ」 「約束は守るって。大丈夫だよ」 「そうだな、お前は騎士であるのだから、約束は守って当然だ」 「……ハハハ……。 ……えーと、ガルデン、飯は?」 「外で食べてきた」 「風呂は?」 「さっき入った」 「じゃ、じゃあ……」 「……おい、何をする気だ」 「いや、明日一日、お前の傍には居られない訳だし、今の内にと思って……」 「離せ、アデュー。明日の朝は早くから出掛けねばならんのだ。 それにもう眠い。今夜はお前と同衾する気にはなれん」 「そんなつれない事言うなよ」 「くどい!」 「あっ、お、おい!……ちょっと、悪かったって!寝室に引き篭もらなくても……うわ、鍵まで掛けやがった! おいガルデン、この寒いのに俺に床で寝ろって言うのかよ!!」 「身から出た錆だ。それにもうすぐ12時、日付が変わる。 約束は守ってもらうからな」 「そ、そんな……あんまりだぜ、いくら何でも」 「普段あれだけベタベタくっついてきておきながら、まだ不満か?」 「ああ、不満だね。今みたいに一緒に暮らすだけじゃなくて、四六時中一緒に居たい位だ」 「……………」 「おい、無視かよ!おーい、せめて毛布だけでも……!!」 「……あれ、俺……何時の間に寝てたんだろ……。 うう、床の上で寝たもんだから体の節々が……っくし!」 (……そう言えば俺、このコート着て寝てたんだな……。俺には俺の姿が見えてるんだけど、本当にこれ、透けてるんだろうか) 「………」 (あ、ガルデン……寝室から出てきてるし。何だ、きょろきょろして……毛布なんか持って……) 「………」 (……ひょっとしてガルデン、俺の姿が見えてないのか?) 「……あいつは何処に行ったのだ」 (……お前の足元に寝転がって、絶好のローアングルで見上げてるんだけど……) 「……フン」 (あ、も、毛布置いてってくれよ!そんな拗ねたような顔して寝室に戻らないでさあ……!!) ―――――バタン 「……ああ……」 (……このコートの能力がホンモノだってのは判ったけど……) 「さ、寒い……。 こんなんだったら素直にコート脱いで、抱きついたら良かったかも……」 (……いやいや、騎士たるもの、約束を違えてはならないしな。 此処はじっと我慢して……!) 「……それにしても」 (……さっきのきょろきょろしてる時の困ったみたいな顔と、その後の拗ねたみたいな顔、可愛かったなあ……ちょっと唇尖らせて、眉寄せてる所なんか、あの時の表情とそっくり……) 「…………………」 「………あいつは何処に行ったのだ。出て行くなら出て行くで、メモくらい残していけば良いものを……」 (…………) 「……フン、まあ構わんがな。今日一日、あいつが居ないというのは僥倖だ。 早速出かけなくては……」 ―――――ガチャガチャ、ギッ……バタン。ガチャン。 ―――――ガチャガチャ、ギッ。 「……財布を忘れるところだった……」 ―――――バタン。……ガチャン。 (……俺に言った通り朝早くに起きたあいつは、寝室から出てきて俺の姿が「見えない」事を知ると、開け放しのドアを乱暴に蹴って閉め、それからよろよろと洗面所で顔を洗ったもののタオルが何処にしまってあるのか判らず、仕方なしに濡れた顔をパジャマの袖でごしごし拭いて、ありあわせのもので朝食をとった後、服を着替え、何処か機嫌悪そうに呟いた後、そそくさと家を出て行きました。 俺もあいつの不機嫌そうな顔を思い出してニヤニヤしてないで、早速追いかけようと思います……以上、解説終わり) 「……て言うか俺、誰に解説してんだろ……。まあ良いや、行ってきまーす」 ――――― 続く。(何時まで引っ張る気か)
つっぱることがおとこーのーたったひとつのくんしょう〜♪ ごめんなさい。>なるみ忍様 (参考・キリンビバレッジ)
今日は駅前で、スーツ姿でメロンパンを焼いている男性を見かけました。 こんばんは、TALK-Gです。 しかし冷えますね。 もうすっかり冬です。 「土曜日遊園地一年経ったらハネムーン」だの「私をね失ったらね貴方の人生終わりだよ」だの、脅迫状めいたラヴソングが街中に響く時期です。 響くと言えば、昨日行ったデパートでは、早くもクリスマスソングが各階売り場に響いておりました。 ――――― 「なあガルデン」 「何だ、アデュー」 「もうすぐクリスマスだな」 「そうだな」 「お前、何か欲しいもの無いのか?」 「欲しいもの……?」 「クリスマスイブの日には、欲しいものを書いた手紙を靴下に忍ばせて、枕元に置いておくもんだろ」 「子供じゃあるまいし」 「まあ、サンタさんにおねだりっていうのはアレだけどさ。 何か欲しいもの無いのか?願い事とか。 ちょっとくらいなら、俺が叶えてみせるぜ」 「欲しいもの……願い事……」 「……ええと、あんまり高いものとかは勘弁してくれよ」 「判っている。 ……そうだな、折角だから、お前にしか頼めない、お前にしか叶える事の出来ない願い事をしたいのだが」 「お、俺だけにだって? 任せろ!ガルデンにそうまで言われたなら、何をしてでも叶えて見せるぜ!」 「そう難しい事ではないのだ」 「まあまあ、とにかく言ってみろって! ガルデンの願い事って何だ?」 「クリスマスの日、一日だけで良い。 私の前に姿を現さないでくれ」 ――――― 以下次号。
先程「モンテクリスト伯」の最終回を見終わったのですが(以下ネタバレ反転) 最後の最後にメルセデスとダンテスが、波打ち際を走り回りながらアハハウフフキラキラキラ・*。+・゜★・。+・。* とやってるのは如何なものかと。 三悪党への復讐も、これまでのねちっこい盛り上げ方に比べたら偉いあっさりしていましたし。 ダングラールへの「拘束→追い詰め→身包み剥がし→発狂した所追放」はかなり鼻息荒く楽しみにしていたんですが。この情熱は何処にぶつければ。 ……でも万能執事ベルトゥッチオと山賊の頭パンパ(バンパ?)、護衛官みたいなムハンマドが激しく萌えだったのでまあ良いや。ナイス中年ざくざくでした。 ちなみに山賊の頭の声が中田和宏氏(リュー38話などで邪竜兵ギメルの声をあてていらした方。吹き替え洋画のスタッフロールでは高確率でこの方のお名前を見受ける)で更に萌え。倍率ドン。あのセクスィーボイスの御威力は凄まじいですね。 後、「ナイス中年親父ざくざくの大活躍でウハウハな悪漢小説」というネットでの評判を聞き、「三人の悪党―きんぴか(1)」(浅田 次郎・著/光文社文庫)を衝動買い。余りの面白さと燃え度と萌えっぷりに、一気に読んでしまいました。特に主役三人の一人である「バツイチ男で子煩悩、頭が切れて冷静沈着、元大蔵省エリートの眼鏡さん」の広橋秀彦が萌えツボ直撃で堪りません(特にバツイチパパという辺りが)。 中年中年と喧しい雑記になってしまい済みません。 でも止められないんだ!!判ってくれるよね、この僕の病気!!((c)古賀亮一) ――――― 上記の話とは全く関係無いのですが。 TV版ガルデンの父親と母親、どちらがガルデン一族でどちらが邪竜族なのかという問題について。 個人的意見を述べてみようと思います。 TVガルデンは自分の事を「誇り高きガルデン一族(の純血種)」と思い込んでいました。 あと、45話で熱に魘され、どんな夢を見たのか母親を呼んで泣いていました。 これら二つから私は何となく、「母親がガルデン一族で、自分の一族の誇りなどを幼い(?)ガルデンに説いていた。そして邪竜族の父親に関しては言及しなかった」みたいな風に思っていたのです。 が。 もし、母親が邪竜族で、父親がガルデン一族だったとしたら。 「かあさーん」 「なあに、ガルデン」 「とうさんのお話してー」 「ええ、良いわよ。 貴方のお父様は、ガルデン一族の長。 比類なき闇の魔法力を持つ、この世の覇者ガルデン一族の長なのよ」 「『このよのはしゃ』って強いー?」 「ええ、誰よりも強いわ。 強いだけじゃなく、美しく、気高く……全てを兼ね備えた方だった」 「かあさんはとうさんのこと、好きー?」 「勿論、誰よりも愛しているわ。 そうでなければ、貴方はこの世に居ないもの。 ……私も……この地に留まったりはしなかったでしょうね」 「かあさん?」 「……いいえ、何でもないのよ。 さあ、もうお休みなさい、ガルデン。 あなたの眠りは、この私がこの剣に誓って護って見せるから」 「はーい、おやすみなさい。かあさま」 「…………」 「………(すやすや)」 「………あなた……どうかこの子を護ってあげて。 邪竜族の追手や魔女達に、この子が見つからないように。 ……真に正しき『覇道』を、この子が理解するまでは……」 ガルデンの父親は闇の大魔導剣士にしてリュー使い(イメージ的に漫画版ガルデン)、母親は邪竜軍きっての名うての騎士(ヴァルキリー。イメージ的にOVAのロームやマルトー、ラジオのデスローザ)。 最初は対立していた二人はやがてお互いをライバルと認め合い、次第にそれが恋に変わり、種族を超えたそりゃあもう掟破り且つハーレクイン張りの愛を育む事になるのですが、それを許さないのが邪竜軍(イドロとか)。アースティアと邪竜族の間の子「ガルデン」を利用せんと魔手を伸ばします。 父親は母親と息子を守る為に戦死、後に母親も謀殺され、残された息子は何も知らずにイドロの手に落ちてしまった、とか。 シュテルはリューとドゥームの「合成品」ですが、その「リューのシュテル」に組み込まれたドゥームが実は、母親が嘗て使っていたドゥームナイト(ヴァルキリー)だったとか。 書いている間に判り難くなってしまいました。 ――――― なるみ忍様の「同仁茶房」様がお早く復旧されますように。(心配)
御存知の方もいらっしゃるとは思いますが、わたくしTALK-Gは中年親父スキーです。 「銀髪黒衣で壊れそうに繊細な容姿をもつ女王様だけど実は一途な恥ずかしがり屋で意地っ張りなカワイコちゃん」も大好きですが、 「銀髪無精髭よれよれのシャツでいつも怠そうな一見やる気なしの中年親父だけど実は一途な恥ずかしがり屋で意地っ張りなおっさん」も大好きなのです。 寧ろ大好物です。 当サイトに恥ずかしながら置いてある「ガルデン(特に漫画版)」や「攻のアデュー」「擬人化シュテル」なんかを見て頂ければお判り頂けるかとは思いますが、 わたくしTALK-Gが描く男キャラは老けています。 およそ「実際の年齢に十歳増し」になっています。 219歳に10歳足したところでどうなるという気は致しますが。 気を抜くとどんなキャラでも老けさせて描いてしまいます。 気がつくとどんなキャラでも老けた顔になっているのです。 受のガルデン(特にアデュガルのガルデン)を描く時は 「神に約束された永遠の19歳・ぴちぴちお肌でお目目大きめ・華奢で繊細な(半)エルフの若奥様」と念じながら描いています。 時々それが行き過ぎて 「神も見放した永遠の末っ子・くるくるおつむに零れそうな目・敏感で鈍感なドジッ子裸エプロン」になっています。 細身でクールビューティーなお兄さんが大好きです。 同時にガタイが良くてだらしのないおっさんが大好きです。 長々と書いてきましたが 結局一番告白したい事は 何か気がつくとこんな銀髪蒼眼の男を描いていた、という ただそれだけの事なのです。
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