doo-bop days
ブーツィラの音楽雑記



 トップページに掲載した作品 Vol. 30

作曲家・伊福部 昭先生(1914-2006)の長らく絶版となっている“名著”『管絃楽法』が「遺族の諒解の下」、ついに復刊となるらしい。音楽之友社によると2月発売予定とのことで、価格は25,200円。「Amazon.co.jp」のページはこちら

2/23(土)AM11:00からNHK総合テレビで放映予定の『新日本紀行ふたたび』は、高田瞽女(ごぜ)の杉本キクイさん(1898-1983)関係の番組内容となる模様。1972年1月に放映された「瞽女の道〜新潟県・上越〜」の地を訪れるのは、瞽女唄伝承者の萱森直子さんらしい。
高田ごぜの足跡たどる NHKが上越ロケ(『上越タイムス』1月31日)

『YouTube』で「アイヌ民族音楽」(10分18秒, アイヌの歌4曲)が聴ける。1か月くらい前に知った。録音年、録音場所などの詳細は不明。歌い手は何人かのフチ(アイヌ民族の女性の古老)とみられる。
全4曲どの音源も、アイヌ民族に太古から伝わるコミュニティー・ミュージック/民族音楽そのもののよう。近年の現代的なアレンジが施されたアイヌ音楽とは一線を画すもので、発声やアイヌ音楽の特徴の一つである声のふるわせ方、節回しも巧みだ。北海道がアイヌモシリというアイヌの人たちの大地であった頃の息吹、生活の鼓動が伝わってくるかのような歌である。


南仏マルセイユのミクスチャー・レゲエ・バンド、マッシリア・サウンド・システムが活動休止・ソロ活動を経て発表した、スタジオ録音作としては約5年ぶりの新作『OAI E LIBERTAT ワイと自由』(11/18発売のフランス直輸入盤, 歌詞の対訳付き, myspace.com
カナダ・バンクーバー出身のマシュー・ジョンソン率いる3人組ユニットで、ジャム的な即興演奏を取り入れたクリック・ハウス/ミニマル・テクノ・トリオ、Cobblestone Jazzの2CDデビュー・アルバム『23 Seconds』(10/24発売のEU盤, ディスク2: 2007年5月10日のスペイン・マドリッドでのライヴ+シングル2曲「Dump Truck」「India In Me」収録, アナログ盤は3枚組全10曲入りで発売, myspace.com
ロンドンの人気クラブ「Fabric」によるミックスCDシリーズの2作品、リカルド・ヴィラロボス『Fabric 36』(9/7発売のEU盤, 全曲自作&共作, 試聴)とスティーヴ・バグ『Fabric 37』(11/10発売のEU盤, 試聴
The Mars Voltaのギタリスト&中心人物、オマー・ロドリゲス・ロペス(Omar Rodriguez-Lopez) が前作から約7か月ぶりに発表した4thソロ・アルバム『Calibration』(12/15発売の日本盤, 日本先行発売, 試聴
マイラ・メルフォード(Myra Melford, p)、マーク・ドレッサー(Mark Dresser, b)、マット・ウィルソン(Matt Wilson, ds)のフリー/インプロ系3人によるピアノ・トリオ・プロジェクト、Trio Mの『Big Picture』(10/23発売のUS盤, myspace.com

西アフリカのマリ出身で、グリオ(世襲制の職業音楽家, 口承伝承人)に伝わる弦楽器ンゴーニの奏者、バセク・クヤーテ&ンゴーニ・バ(Bassekou Kouyate & Ngoni Ba)の『Segu Blue』(12/23発売の直輸入盤, myspace.com
ロバート・プラントのバンドのギタリストで、“砂漠のブルース”と形容されるティナリウェンのプロデューサー、ジャスティン・アダムズが、西アフリカ・ガンビアの生まれでサハラ砂漠の遊牧民フラニ族出身の1弦フィドル奏者&ヴォーカル担当のジュルデー・カマラと組んだ共演作、Justin Adams & Juldeh Camaraの『Soul Science』(11/18発売の直輸入国内盤, myspace.com
19世紀半ばから20世紀半ばに最も興隆したとされ、ギリシャの港町で暮らす最下層の庶民の心情を歌った“ギリシャのブルース”と形容される、ギリシャ大衆音楽の分野の一つであるレンベーティカの復刻編集盤『レンベーティカ Rembetika Songs of Love, Exile, Prison and Hash Dens』(11/11にライス・レコードから発売の直輸入盤, オリジナルはトルコのレーベルKalanから発売, 1930年代を中心とした1926〜1954年録音, ライナーの日本語訳付き, 試聴
Medeski Martin & Woodが子供向け音楽専門レーベルLittle Monsterから発表した新作『Let's Go Everywhere』(1/8発売のUS盤, myspace.com
アイク&ティナ・ターナーの復刻ライヴ盤『ライヴ1967 Festival Of Live Performances』(12/19発売の日本盤, 24ビット・リマスタリング, 1964年のライヴ盤との2イン1CDとは異なり、オリジナルLPと同じ曲順での復刻, 試聴

フランスが生んだ不世出のシャンソン歌手、エディット・ピアフ(1915-1963)の日本独自企画による編集盤『シャンソンの声 La Voix De La Chanson Francaise』(12/30にライス・レコードから発売, 1936〜1957年録音, 全24曲, リマスター盤)
東欧ジプシー音楽にクラブ・ミュージック等を交配したバルカン・ビーツの先駆者、シャンテルの新作『Disko Partizani!』(12/9発売の日本盤, ボーナス・トラック&ビデオ・クリップ各1曲追加, 試聴, 3月初来日決定
ジミ・ヘンドリックスのSuper High Material CD(SHM-CD)による3作品、1967年発表の『Are You Experienced?』、1967年発表の『Axis:Bold As Love』、1968年発表の『Electric Ladyland』(1/23発売の日本盤, 3作品とも「1997年リマスター」, 限定盤)


マーズ・ヴォルタの新作『The Bedlam In Goliath ゴリアテの混乱 〜初回生産限定デラックス・エディション』(1/23発売の日本盤, SHM-CD+DVD, 日本先行発売, 試聴
パット・メセニー(g)がクリスチャン・マクブライド(b)、アントニオ・サンチェス(ds)とのトリオで発表した『Day Trip』(1/29発売のUS盤, Nonesuchでの試聴
スイスのピアニスト/作曲家、Nik Bartsch率いるNik Bartsch's Roninが発表したECMからの2作目『Holon』(1/29発売のドイツ盤, 試聴
作曲家・松村禎三(1929−2007)の生前からの希望に基づく2曲を収録した追悼記念盤『松村禎三 作品選集 5 / ピアノ協奏曲 第1番&チェロ協奏曲』(12/15発売, Camerata
作曲家・服部良一(1907-1993)の未復刻SP音源から選曲された「生誕100周年記念」の2枚組CD『服部良一 1934-1954 未復刻傑作選集』1/31発売, Bridge

2008年02月06日(水)



 公開講座「伊福部昭を巡る作家たち」 1/26 東京音楽大学で開催

1/26(土)に南池袋の東京音楽大学J館スタジオで「伊福部昭を巡る作家たち」が開催される。東京音楽大学付属民族音楽研究所主催の公開講座で入場無料。定員約200名とのこと。

2007年度公開講座「伊福部昭を巡る作家たち」
【日時】1/26(土)14:00開演(13:30開場)
【会場】東京音楽大学J館スタジオ
【演奏曲】
伊福部 昭 作曲
1.絃楽五重奏のための「日本組曲」
 Vn.大河内 涼子、Vn.李 文佳、Vla.伊藤美香、Vc.伊藤修平、Cb.志水祐亮
2.アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌
 Sop. 弓田真理子 Timp. 長谷川友紀
3.ヴァイオリン・ソナタ
 Vn. 小林武史 P.f. 長尾博子
松村禎三 作曲
4.軽太子のうたえる2つの歌 〜古事記より〜
 Sop. 弓田真理子 P.f. 長尾博子
池野 成 作曲
5.Evocation
 〜Solo Marimba, 6 Tromboni, 6 Percussioniのための〜
 Solo Mb. 高梨 晃
 Tromb.伊藤 清、原 岳広、上野大介、椿 真美、佐藤太一、田中任雄
 Perc. 有賀誠門、目等貴士、岩崎愛子、久米彩音、相川 瞳、篠田浩美

お話:今井重幸、奥平 一、永瀬博彦ほか
司会:甲田 潤
【入場料】無料(全席自由、定員 先着約200名)

故・安東ウメ子さん(1932-2004)が実際に愛用していたアイヌ民族の口琴・ムックリが、テレビ画面に大写しで放映される。ムックリは、ウメ子さん自らが書いた「ウメ」という赤い文字入り。1/13(日)22:00から放映されたNHK教育テレビ『ETV特集』「僕たちのアイヌ宣言 〜“民族”と“自分”のはざまで〜」において、最も印象に残ったシーンである。
アイヌ民族の歌と踊りにヒップホップなどを取り入れたグループ、アイヌ・レブルズの女性メンバーの一人で安東ウメ子さんのお孫さんが、母親から譲り受けたムックリだという。安東ウメ子さんは、ファンからサインを求められても「アイヌに文字はありましたか」などと基本的にはサインを断っていただけに、なおさらでもあった。
アイヌ民族伝統の音楽を現代に伝承した安東ウメ子さん 7月15日死去、71歳 「京都新聞 2004年9月2日付け夕刊」(「paetok puyar BBS」2005/04/04

八丈島の民謡と八丈太鼓の伝承者で、平成15年度東京都文化功労者の奥山熊雄さん(1916−)のCDを昨日(1/17)初めて聴く。CDブック『八丈島古謡 奥山熊雄の歌と太鼓』(著者・金田章宏ほか, 2005年, 笠間書院, 税別1,800円)付属のCDがそれ。「日本の伝統のるつぼ」である八丈島に伝わる盆踊り歌、太鼓歌、仕事歌、わらべ歌など全42曲・約63分収録。すべて奥山熊雄さん一人による歌と太鼓演奏で、1997年に千葉大学で録音されたらしい。
おおらかで懐かしさすら呼び覚ます奥山熊雄さんの音楽には、数百年前の八丈島古謡&太鼓の響きと深く結びついているかのような感触がある。瞽女唄(ごぜうた)や小沢昭一監修による放浪芸のCD&DVDなどと同じく、日本の伝統音楽・民俗芸能などを探るうえでの鉱脈の一つと出合ったのかもしれない。

余談だが、八丈島から70キロ近く南方にある青ヶ島在住の浅沼キミ子さん(83 or 84歳)の私家版CDもいつの日か入手したい&浅沼キミ子さんらが出演した2007年の『青ヶ島の神事と芸能』が映像として記録されているならば、DVD化に期待している(公演を観に行くか検討していたものの見送ってしまい、2007年の音楽関係で最大の後悔となっている)。

2008年01月18日(金)



 マイ・ベスト・アルバム2007

音楽雑誌、ブログなどで年末恒例の年間ベスト・アルバム。今年も懲りずに挙げておこう。
対象は、私が購入した2007年発売の音楽作品。部門は新作と、リイシュー/発掘音源・映像の2つ。それぞれ10作品を上限として特に良かった作品を挙げた。新作、リイシュー/発掘音源・映像ともに順不同。海外盤では2006年以前に発売済みながら、日本盤・直輸入国内盤としては2007年発売の作品も選考対象に含めた。

新作
ジョー・ヘンリーの『Civilians』
2007年のロックの新作における、おそらく最良のアメリカン・ルーツ・ミュージック。ソングライターの実力としてランディ・ニューマンなどの先達が引き合いに出されるのも納得させられる。枯れたヴォーカルの味わいも格別。

ティナリウェンの『アマン・イマン 〜 水こそ命  Aman Iman: Water Is Life』
サハラ砂漠の遊牧民のバンドによる、“砂漠のブルース”と形容されるレベル・ミュージック。絶賛された前作を超える傑作。サウンド・プロダクツも緻密に練られたもので、さらなる大衆性を獲得した。

トゥーマスト(Toumast)の『Ishumar イシュマール 〜機関銃の代わりにギターを〜
ティナリウェン同様、サハラ砂漠の遊牧民のバンドで、“砂漠のブルース”と形容されるレベル・ミュージック。ただし、こちらは、在仏トゥアレグ人の元ゲリラ兵&砂漠のギター・ヒーローでもあったリーダーのムーサ・アグ・ケイナが、フランスで出会ったミュージシャンたちと結成したバンド。サウンドから垣間見える反骨精神の強度では、ティナリウェンを凌ぐかも。海外盤は2006年発売。

オーケストラ・バオバブ(Orchestra Baobab)の『Made In Dakar メイド・イン・ダカール
1970年に結成されたセネガルの伝説的アフロ・キューバン・バンドが再結成アルバムから約5年ぶりに発表した、過去の作品の再演が中心のアルバム。陽気でご機嫌な曲が多く、アフロ・キューバンを土台とした多彩で幅広い音楽性に溢れている。

アブダル・マリック(Abd Al Malik)の『ジブラルタル Gibraltar』
フランス在住コンゴ系移民2世による2ndアルバム。ポエトリー・リーディング・スタイルの知性的なラップと切迫感を伴ったサウンドが胸に響く。海外盤は2006年発売。

ティケン・ジャー・ファコリー(Tiken Jah Fakoly)の『The African』
西アフリカのコートジボワール出身のティケン・ジャー・ファコリーによる、アフリカン・ルーツ・レゲエの会心作。銃を持った男連中がずらりと居並ぶ戦闘的なジャケット写真に怖気づくが、音楽的にはポップで軽やかでさえある。

バルカン・ビート・ボックス(Balkan Beat Box)の『Nu Med』
ニューヨークの多国籍ミクスチャー・バルカン・ビート・バンドの2ndアルバム。バルカン/北アフリカ音楽の伝統的な諸要素に、ヒップホップ/ブレイクビーツ等の現代性を交配したごった煮サウンドが刺激的で生々しい。

Various Artistの『Gnawa Home songs グナーワ・ホーム・ソングス
グナワ
の聖地モロッコのタメスロットで録音された、グナワの名人たちの共演集。儀式における祈りのような歌とチャント。それらに手拍子とゲンブリ(ベースっぽい音の3弦楽器)、カルカベ(鉄製カスタネット)などが加わって織りなす地味なトランス・ミュージックに、「音楽の根源にあるもの」を感じる。

バセク・クヤーテ&ンゴーニ・バ(Bassekou Kouyate & Ngoni Ba)の『Segu Blue』
西アフリカの音楽大国マリのグリオ(世襲制の職業音楽家, 口承伝承人)の家系出身で、グリオの伝統的な弦楽器であるンゴーニ奏者のバセク・クヤーテが、グリオの語り継ぐ口承伝承などを、マリ初の試みとされるンゴーニのカルテット編成によって取り上げた意欲作。ンゴーニの絡みを中心としたアンサンブルに、グリオの伝統的なヴォーカルや手拍子、パーカッション、バラフォンなどが加わった穏やかなグルーヴと素朴なサウンドが心地よい。「BBC Radio 3 Awards for World Music 2008」のアルバム・オブ・ザ・イヤー受賞。

マシュー・ディアーMatthew Dear a.k.a. Audion)の『Asa Breed』
デトロイトのクリック/ミニマル・ハウス・アーティストによる本人名義の3rdアルバム。ダークで変態チックなエレクトロ・ポップ風の小品で構成された異色&意欲作。マシュー・ディアー本人による高橋幸宏っぽいヴォーカル入り。
本作を選ぶか、それともフリー/インプロ系ピアノ・トリオのTrio M(Myra Melford, Mark Dresser, Matt Wilson)の『Big Picture』 or クリック/ミニマル・ハウスの最先端を行くリカルド・ヴィラロボス(Ricardo Villalobos)のミックスCD『Fabric 36』にするかで、最後の最後まで迷った。

リイシュー/発掘音源&映像
アレサ・フランクリンの『Rare & Unreleased Recordings From The Golden Reign Of The Queen Of Soul』
“ソウルの女王”がアトランティック時代の1966年から1973年に録音したレア&未発表トラック集。2枚組CD。10月下旬にディスク1の最初の3曲を何の予備知識もなく聴いてぶっ飛び、アレサ熱が何年かぶりに再燃。最近までアトランティック時代のオリジナル・アルバムを中心に聴き直していた。レア&未発表トラック集ながら、重要性ではオリジナル・アルバムに引けを取らない傑作。

フランコ&TPOKジャズの『黄金の20周年 20eme Anniversaire 6 juin 1956−6 juin 1976』
アフリカ音楽最大の巨人、フランコ(1938−1989)率いるT.P.O.K. Jazzの代表作。陽気でまろやかなサウンドと同じフレーズの執拗な反復のある長尺曲ばかりで、当初は聴き進むにつれ苦痛すら覚えるほどだったが、某サイトで詳細なレビューを読ませてもらったおかげか、3回目くらいに聴いた時から何もかもすんなりと受け入れることができた。フランコ絶頂期の1976年にT.P.O.K. Jazz結成20周年記念盤として発表された2枚組LPの復刻盤2CD。

サン・ラ『Disco 3000 Complete Milan Concert 1978』
1978年1月23日のイタリア・ミラノでのライヴを収録したアルバム『Disco 3000』の初CD化&未発表音源を追加したほぼ完全版。約130分収録の2枚組CD。白眉は、チープなリズム・ボックスによるループの渦に、サン・ラのアブストラクトでノイジーなシンセ・ソロが炸裂するナンバーで、ぶっ飛び度が異常に高い。

クラスター(Cluster)の『Sowiesoso ゾヴィゾーゾー
ハンス・ヨアヒム・ローデリウスとディーター・メビウスによるジャーマン電子音楽デュオ、クラスター(Cluster)の代表作の一つ。1976年にコニー・プランクのプロデュースで発表された4thアルバムの、世界初となる音源完全収録版によるリマスター復刻CD(紙ジャケット仕様)。過去のCDではイントロが1分近くも欠損しているトラック1と短縮されていたトラック3を、オリジナルLPに準じて完全収録しているのが選出の決め手。さらに、かつてのCDでは裏ジャケットの一部を拡大して表ジャケットに使用していたが、この復刻CDは初のオリジナル・ジャケット仕様であるのも嬉しい。Captain Trip Recordsから1,000枚限定プレスで発売。

ダイナソーLの『24→24 Music』
アーサー・ラッセル(1951−1992)とウィリアム・ソロコフによるプロジェクト、Dinosaur Lが1981年に発表したアルバムの初CD化。突拍子のないヴォーカルをフィーチャーするなど、アーサー・ラッセルの特異な感性、音の選び方の変態センスなどが窺えるNYアンダーグラウンドのニューウェーヴ・ディスコ作品。オリジナルLP未収録のミックスによる4曲追加。

伊福部 昭の『伊福部 昭 映画音楽の世界』
伊福部先生の映画音楽の2枚組CD決定版ベスト。「作曲者自身が生前にセレクトした作品を中心に、製作会社の垣根を越えた代表的作品を収録」。

松村禎三の『松村禎三の世界』
タワーレコード・オリジナル企画による作曲家・松村禎三編。私が初めて買った松村禎三氏の作品。2枚組CDで1,500円という破格の安さながら、内容は文句なし。日本人としての民族性に立脚したアジア的で独自の音世界に、初めて聴いた時にはただ圧倒されるばかりで、日本のクラシック作曲家の実力のほどを思い知らされた。2007年8月6日、肺炎のため78歳で逝去。亡くなる約5か月前、東京・赤坂のサントリーホール大ホールで行われた「伊福部昭音楽祭」において、車椅子姿の松村禎三氏を何度か見かけたのが最初で最後となってしまった。

山鹿良之の『肥後の琵琶弾き 山鹿良之の世界 〜語りと神事〜 RITES and TALES with BIWA Yamashika Yoshiyuki, Blind Musician of Kyushu』
肥後琵琶の貴重な音源を3枚のCDに収録した後世に遺る作品。琵琶盲僧・永田法順師の6枚組CD(+DVD)のように日常的に繰り返し聴く作品とはなっていないものの、音源の史料価値が非常に高いゆえ選出。よくぞ発売してくれたとさえ思う。平成19年度 第62回 文化庁芸術祭優秀賞受賞。

お鯉さんの『お鯉 -okoi- 唄声は時代(とき)を超えて』
百歳の元芸妓(げいぎ=芸者)で、唄と三味線の名人であるお鯉さんこと多田小餘綾(ただ・こゆるぎ)さんの百寿記念の自主制作CD(プレス盤)。お鯉さん40代後半から99歳の時の録音で、端唄、小唄、長唄、阿波の民謡を収録したベスト盤的アルバム。なかでも91歳、99歳という大変なご高齢でありながら、艶やかな美声と正確な爪(つま)弾きを披露するお鯉さんには感服するしかない。

小林ハルさんのDVD『小林ハル 〜渾身の熱唱〜』
1980年代にBSN新潟放送が撮影した瞽女唄(ごぜうた)を演ずる小林ハルさんの映像でつづる瞽女唄集。小林ハルさんが瞽女としてはすでに引退し、養護盲老人ホームに入所してからのもので、生きるために歌い続けた小林ハルさんの歌声の魅力・凄味は、終生減じることがなかったと再認識させられる。高田瞽女の杉本シズさんと難波コトミさんによる「葛の葉子別れ」(トラック3の前半)をカットせずに収録した配慮も実にありがたい。

2007年12月31日(月)
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