せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEX|past|will
点滴されに(しに?)出かける。休日診療の部屋で、何人もの人が椅子に座って点滴しているところで、「横になってください」と言われて、なんだか申し訳ない。 昨日よりは早かったけど、それでも2時間半ほどかけて終了。きっと時間かかるよねと思って、本を持っていったんだけど、いちども開かず。今日、わかったこと。点滴しながら読書はできない。 水を飲み込むのがつらくなくなったので、固形物に挑戦。レトルトのスープを買って帰る。 だいじょぶそうだったので、ご飯を少しまぜて食べてみる。いいかんじ。ひさしぶりの食事だ。 ずっと眠ってたツケで今夜は眠れない。メモでかきためていた日記をまとめてアップする。しばらく点滴は続きそうだけど、仕事には戻れそうだ。 こういう夜にかぎって何もやってないTVはあきらめて、ビデオを流しっぱなしに。戸田恵子さんが見たくて、「オケピ!」を何となく見てしまう。
昨日の開演前に飲んだのが最後のクスリだった。今度切れたらどうしようかと思って眠ったのだけれど、やっぱり猛烈に痛み出した。眠れない。横になるとツライので、浅く腰掛けられるようにクッションと枕を積み重ねる。エレファントマンみたいだ。朝方になってちょっとだけうとうとする。 きちんと耳鼻咽喉科に行こうと朝一番で家を出る。最初に行った耳鼻咽喉科で鼻からカメラを通して喉を見てもらう。とんでもないことになっているそうだ。すぐに切開して一週間は入院だと言われる。それもここではできないので、近くの大学病院に行くようにと。受付は10時半までだから急いでと。 とにかく出かける。母親に電話をかけるが、声が出ないので話が通じない。それでも最寄り駅で待ち合わせをして、ついてきてもらうことに。 初めて行く病院は、人でいっぱい。どれだけ待つだろうかと思ったのだけれど、すぐに診察室へ。 さっきと同じカメラで喉を見てもらって、すぐ点滴開始。30分後に「じゃあ、穴を開けて膿を出しましょう」ということになり、麻酔を塗って、注射針をブスリと。それだけでどんどん出るのかと思ったら、ぎゅーんと吸い出す! 猛烈に痛い。それでも、十センチほどの注射器いっぱいに膿と血がまじって吸い出される。ぐったりしたけど、のどの痛みは軽くなったかんじ。 入院した方がいいと言われたのを、「仕事があるので」となんとか断って、毎日点滴に通うことになった。 ベッドに横になって点滴している間に、喉がまた猛烈に痛み出した。今までとは違う痛み。さっきまで腫れてたところが、埋め合わされてくような。 その痛みもようやく薄らいできて、少しねむった。汗をいっぱいかく。ひさしぶりだ。いままで水が足りてなかったんだなあと思った。 11時過ぎに診察が始まって、点滴が終わったのが4時半。母親には長くなりそうだとわかった時点で先に帰ってもらった。 なんだか半日入院した気分だ。薬局でクスリをもらって帰ってくる。 担当の先生は女医さん、他にも何人もの看護師さんの気配りにいやされた。都立H病院で看護師をしてるイリーナも、こんなふうに仕事してるんだろうなと思った。 家に戻って、すぐクスリを飲む。眠る。あんなに眠ったのに、まだ眠れることに驚く。 明日予定していた打ち合わせの延期をお願いするメールを送る。まだ声は戻ってこない。
二兎社の「歌わせたい男たち」のゲネプロを見せてもらう。 戸田恵子さんが登場しただけでもう泣けてくる。近藤芳正さんにも。1時間50分の上演時間、つらいと思うことはいちどもなく、喉の痛みも忘れて、笑い、泣いていた。 日の丸君が代問題に真っ向から取り組んでいるのに、舞台上で展開するのは、とっても身近なやりとりだ。もちろんイデオロギーの対立もあるのだけれど。重要な役割を果たすメガネ。戦後初めて流れたシャンソンというのは、憲法や教育基本法のことのように思える。 とっても「べらぼう」なことになっている今の教育現場を、とてもシンプルに描いたこの芝居で、一番の主役は「教育行政」だ。とんでもない悪役なのだけれど、この芝居は、その「悪さ」を徹底的に描くのではなく、振り回される人たちを描いている(振り回されない人も)。 戸田恵子さん演じる、元シャンソン歌手の音楽講師という、何も知らない立場からの視点が、観客の視点に重なる構造も見事だ。 終演後、永井さんにご挨拶。もちろん声は全然出なくて、なんとか挨拶だけ。駅までの道を、今日はほんとに泣きながら歩いてしまう。言葉にならない思いも、言葉にならないとやっぱりつらいんだ。ああ、いい芝居だった。
とにかく休むことに専念。何もしない。もらった薬を決められた量、飲んでいたら、薬が切れた時間が明確に分かるようになった。ツライのでどうしても飲んでしまうのだけれど、半分の量で我慢する。 それでも、痛みが薄らぐとほっとする。クスリに溺れるのってこういうことかなと思ったりする。 夜、うかがう予定だった二兎社の「歌わせたい男たち」のゲネプロ、明日に変更してほしいと連絡をする。ツライからだで芝居を見るのはできればやめたい。日曜日の風琴工房の舞台も、もっと元気なときに見たら、違った感想を持ったかもしれない。
仕事を休む。眠り続ける。葛根湯のおかげで、肩こりやひざの痛みはきれいさっぱり治った。ただ、喉が痛い。午後から近くの内科に行く。抗生物質をもらって、すぐに飲む。 家に帰ろうか一瞬悩んだのだけれど、予定通り、新宿へセミナーを聞きに出かける。ネットワークユニットDuo主催の「俳優がぐんぐん育つトレーニングのプログラム法!」というもの。初めて行く会場「芸能花伝舎」は、成子坂のむこうの元小学校。二十年近く前通っていた養成所はこの近くにあった。こんなに変わった街もそうはないんじゃないだろうか。 舞台芸術コーディネーターの川南恵さんが、ヴォイス・ティーチャー池内美奈子さんをゲストに迎えてのセミナー。最初に自己紹介をすることになって、声が出るか心配だったのだけれど、思い切って出したら、なんとかなった。今日の分はもうおしまいってかんじ。 受付をしていた明樹さん、またばったり会った松本くんと入交さんにご挨拶。声がでなくてごめん。 お話は、「プロの俳優」を対象にしたトレーニングということで、「プロ」ってなんだろうというところから始まった。「近くの『ぽんぽん山』に登るのとエベレストに登るのは違うということ」。登山ということでは同じだけれど。山には誰でも登れるけれど。それぞれに素晴らしさも、楽しさも、喜びも、やりがいもあるけれど。「エベレストに登ろう」。それが今日もらった唯一の言葉かな。「ぐんぐん育つトレーニングのプログラム法」を、僕は受け取ることができなかった。 新国立劇場の養成所の二学期の時間割を見せてもらった。とっても中身の濃いスケジュール。個性的な講師に「まだまだこれからな若い人たち」が、驟雨のような授業を受けてる。これだけの授業を受けたら、そりゃぐんぐん伸びるんだろうなあと思った。でも、僕が聞いてみたかったのは、何十倍もの難関をくぐり抜けた15人が受けているこの授業のことではなくて、その15人になれなかった人たちが、どうやってトレーニングしていけばいいのかってことだったんだってことなんだとも思った。 それでも、時間割の向うには、今この授業を受けているロジャー・リーズのWSで知り合った山本くんの顔が浮かんで、がんばれ!という気持ちといいなあ!という気持ちが入り交じった。 終了後、喉の痛みがひどくなったので、ロビーに薬を飲みに出た。部屋にもどったら、松本くんたちは帰ってしまったようだったので、一人で帰ってくる。 本気で寒くなった。熱もまた上がってきた。なんだか泣きたい気持ちになって、西新宿から都庁前までの誰も歩いていない地下道をよろよろ歩いた。僕もエベレストにのぼろうと思いながら歩いた。 帰宅して、熱は38度3分。新記録。
朝方、少し熱が下がったので、起きて、出かける仕度をする。まだ書き上がらない原稿。助成金の申請の準備などなど。まずは出かけないとくじけて一日家にいてしまいそうだったので、少し早めに家を出た。 劇作家協会で篠原さんと、富士見丘小学校の打ち合わせ。参加できなかった2学期最初の授業のことを聞き、これからの進め方の確認。絶対王様の感想や、最近見た舞台の感想を言い合う。 食事に出る。近くの創作料理の店「兎」というところへ。食べられるかな?と思いながら、ミラノ風カツレツのプレートランチをたのむ。コーヒーとカスタードプディング。おしゃべりしながら、なんとか食べ終える。とてもおいしかった。ギャルソンくんが速見もこみちをぐーんとかっこよくしたかんじ&スタッフも全員親切で素敵なお店だった。また来たいな。 急遽、篠原さんも行ってみるということになり、駒場エミナースへ、文化庁の助成金説明会へ。 分厚い資料をもらい、客席へ。書類を見ながら、説明を聞く。途中で、外に出て、書きかけだった原稿を大急ぎで仕上げて送る。 終了後、扉座の田中さんにあいさつ。他にもあちこちでご挨拶大会。篠原さんと別れて、別の打ち合わせをしに渋谷へ出る。どうなることやらと思っていたことがだんだんかたちが見えてくる。さあ、どうなるか。楽しみ。 地下鉄に乗る頃から、歩くのもつらくなってくる。また熱が上がってきたかんじ。座って帰れる区間準急を待って、電車に乗った途端、ダウン。北越谷からバスに乗って、ようやく帰り着く。熱は38度ジャスト。喉が猛烈に痛い。しゃべりすぎたか。食欲はなし。ていうか、唾ものみこみにくい。 夜遅く、森川くんに電話。少し長話。電話を切ってしばらく経ったら、声が出なくなってることに気がつく。まあ、なんとかなるさと、葛根湯を飲んで寝る。
風邪を引いた。この間から体中がだるくてしかたなかったのだけれど、ただの疲れだと思っていた。仕事からの帰り、寒くて寒くてしようがなく、用心にもっていたGジャンをひさしぶりにちゃんと着た。 歩くのもつらくて、ようやく家にたどり着き、熱を計ったら、38度あった。あらら、今日、やることいっぱいあるのに勘弁してよと思いながら、葛根湯を飲んで、まずは横になる。食欲はなし。 猫が枕元で丸くなってくれているのがうれしい。お尻というか、後足というか、カラダの側面に頭を押しつけて寝てみる。いつもはあたたかく感じる猫の体温が、今日はかえってひんやりしている。
|