せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2005年06月08日(水) |
富士見丘小学校演劇授業 「Four Seasons 四季」稽古 |
朝から富士見丘小学校の授業のお手伝い。今日は「自分を話す、人を聞く」という授業。1、2時間目は2組、3、4時間目は1組、合同ではない、少ない(といっても30人以上)人数。 まずは田中さんのウォームアップ。自分の名前を言って、全員でそれを真似る。 続いて、青井さんによる授業。二人組になって、相手を見て、気がついたことを話す。それから、今日のメイン、「朝から今までのこと」を二人組になった相手に話をする。 3分間話して、それを聞いた人は、みんなの前で発表する。 両クラスとも、とてもいい集中のしかた。1組は、全員で話していたら、時間が足りなくなってしまった。予定では、十分余裕を見ていたのに、みんながほんとによくしゃべったせいだ。 それにしても、朝からの数時間で、彼らのしていることの多彩さにはびっくり。 起きるところから、まず、二度寝。起きてからも、ゲームをしたり、おもちゃの手入れをしたり、素振りをしたり、兄弟げんかをしたり。家を出てからも、友達を迎えに行ったり、低学年の子にいじめられたり(!)、歩道橋のところでケンカにまきこまれたり。学校に来てからは、読書の時間。「トリビアの泉」の本がひっぱりだこだったもよう。今日は眼科検診があった。 「ゾウの時間、ネズミの時間」ではないけれど、ほんとに子どもの時間は、ゆっくりながれているのかもしれない。 彼らの話はとてもいきいきとしていて、しかも、話した相手の声色を真似たり、「脚色しちゃいます」と宣言したり、社会の時間「Wカップの話が続いて、なかなか奈良の大仏の話にならなかった」という指摘(?)があったり、ただ、話さなくていけないことを、仕方なくしゃべってるというのとは全然違う次元になっていた。 この先、何ができるようになっていくか、とても楽しみだ。 教室に向かう途中の図工室の前の廊下に、つくりかけの「木馬」がたくさんならんでいる。ヌキ材を使って作ったシンプルな構造なのだけれど、小さな子どもはちゃんと乗れる暗いの大きさ。木馬も、色とりどりに塗られると、違った表情を見せてくれる。耳がとがってるもの、丸いもの。鼻先に角がある「一角獣」など。完成が楽しみだ。 金髪の僕は、みんなに「金髪先生」と呼ばれる。名前も覚えてもらったようでうれしい。田中さんは「黒毛(くろげ)先生」と呼ばれてたらしい。給食をいただいて、田中さんと二人でそんなことをしゃべりながら帰ってくる。 夜は、稽古。「Four Seasons 四季」の稽古初日なのだけれど、僕は仕事が終わらず遅い稽古場入り。天辺くんとノグもお休みなので、集まったのは、小林くん、早瀬くんとマミーと僕。ゆるゆるとストレッチをして、マッサージをしあいながら、おしゃべりする。僕は小林くんと。 劇団の公演は、去年の11月以来。僕は「二人でお茶を」があったけれど、みんなでこうしてアップするのは、ほんとに久し振り。小林くんとは、ほぼ一年ぶりになる。 その後、しりとりをしたり、ゲームをして、今日はあっさりと終わる。久し振りにおしゃべりしたなあという気持ちになった。 僕はサッコさんと待ち合わせをして、美術の打ち合わせ。初演は駅前劇場、パート2は同じポケットになる「Four Seasons 四季」。全く同じはつまらないということで、いろいろなアイデアを聞き、あれこれ提案させてもらう。すっかり話しこんでしまい、座ったまんまで帰れる最終の直通北越谷行きにようやく間に合う。マッサージのせいか、肩がとっても軽い。腰の痛みは相変わらずだけれど。湿布やバンテリンのお世話になってたこの数日。人の手の持ってるちからに感謝。長い座りっぱなし電車もそれほどつらさをかんじずに帰宅する。 アン・バンクロフトが亡くなったというニュースを夕刊で知る。「卒業」のミセス・ロビンソン、「奇跡の人」の元祖サリバン先生、「エレファントマン」のケンドール夫人、そして、何よりも「トーチ・ソング・トリロジー」の母親役。しばらく見ないと思ったら……。いっぱい勉強させてもらった女優さんだ。どうもありがとうと言いたい気持ち。どうぞやすらかに。
ウズくんからチケットのデザインが届く。高市氏にすぐ送る。 母親が出かけていて、今晩は一人。猫もどこにいったのか見あたらない。 朝方作った鶏肉とキャベツのトマトスープにヒヨコ豆を入れたもの、ショートパスタを入れて夕飯にする。台所にあるものを適当に煮たスープの2日目に、パスタを入れて食べるのが僕は好きだ。豆を入れることが多いのは、この頃の傾向。 夜中、「離婚弁護士2」を見る。瀬戸朝香の元夫役で田辺誠一が出てる。佐々木蔵之介とのやりとり、ずっと若いはずなのに、同年代に見える。少しおじさん化がすすんでいて、知っている田辺誠一とはちょっと違う印象。それもまたいいかんじ。 ガチャガチャの動物フィギュアの扱いなど、今回も、気の利いた台本。 天海祐希と宇梶剛士が一夜をともにしてしまった。こんなにあっさりいっちゃうんだ……。元恋人の佐藤隆大もいよいよ登場。どうなっていくんだろう。
腰は昨日より、少しラクになった。だましだまし、歩く。そのぶん、首が痛い。寝違えたような痛みだ。 原稿を書き上げて送る。 夕方、祐天寺でノグと待ち合わせて、ウィッグを渡す。バイトで使うんだそう。 頭の中で「ナイン」のナンバーがずっと流れている。歌詞が曖昧なので、メロディだけ。こんなのひさしぶりな感覚だ。 今年のトニー賞の受賞結果がニュースになってる。微妙に遠いものばかり。何年か先に身近になったりするのかな。 2003年のトニー賞の授賞式のビデオを見てみる。「グイドズ・ソング」を歌うアントニオ・バンデラス。前に見てた映像なんだけど、一気に身近なかんじ。カルラを演じた、ジェーン・クラカウスキーも。「アリーmyラブ」のエレイン役の彼女。助演女優賞を受賞してた。 もう一度みたいと思える舞台は久し振りだ。今頃、あのへんをやってるだろうなと想像してしまうのも。 ホームページの更新をあれこれ。日記もまとめてアップする。
朝から、腰が痛い。ぎっくり腰だろうか? 座っているのもきついので、横になって、パソコンに向かう。 昨日の読み合わせを踏まえて、台本の改訂に向かう。 他の原稿も、とにかく書こうとするが、つらい。起きてなきゃと思いながら、久し振りにどかんと眠ってしまう。ヘビーな夢、たくさん。そのたび、いやな自分に「それはないだろ」とつっこんで目が覚める。
| 2005年06月04日(土) |
「ナイン the musical」・「Four Seasons 四季」顔合わせ |
小林くんと浜松町で待ち合わせて、アートスフィアへtptの「ナイン the musical」を見に行く。会場入り口でユカさんと合流。 デヴィッド・ルヴォーが演出して、2003年のトニー賞ミュージカルベストリバイバル作品賞を受賞した舞台。 フィリップ・スタルクの透明なプラスチックの椅子と白っぽい無機質な骨組の装置に、ベニスの石造りの建物と、ボッティチェリの春の三人の女神のモザイクなどなど、美術からしてとってもきれい。オープニング、天井までつながる螺旋階段を60年代モードで降りてくる女達、それだけでもうすばらしい。 フェリーニ「8 1/2」をモチーフにしたお話。映画監督グイド・コンティーニ(別所哲也)は大勢の愛人を持つプレイボーイ。妻(高橋桂)の関係が行き詰まって、離婚を切り出され、新作の脚本に困った結果、二人でベニスのスパにやってくる。そこへ、プロデューサーのリリアン(大浦みずき)、愛人のカルラ(池田有希子)、映画女優のクラウディア(純名りさ)らがやってきてしまう。また現実ではない女たちも登場、母や初めての恋の相手などなど、総勢16人。 グイドは自分自身を映画にしようとし、「カサノヴァ」の物語を撮り始める。だが、その過程でどんどん女性達を傷つけていってしまい、彼女たちは去っていく。映画も失敗した彼の前に9歳の彼自身が現れて、「大人になるとき」と歌いかける。 お話を説明すると、すぐに何だそりゃになってしまうようなストーリーなのだけれど、こんなにおもしろい舞台はひさしぶりだった。 作り手の葛藤というのも身近だったのだけれど、生涯にめぐりあった女たちが、心の中にどんなふうに生きているかということも、思い当たることがいっぱい。 16人の女性たちは、ほんとうにきれいだった。いつもアンサンブルとして登場しているようでいて、一人一人がまぎれもなくオンリー・ワンだった。 舞台のどこを見ていても夢中になれるそんな舞台。 1幕のラスト近くのサラギーナ(9歳のグイドに恋の手ほどきをした女。田中利花)の歌声が圧倒的だった。鳥肌が立って震えてきた。こんなの久し振りだ。歌詞に感動したというのでもない、不思議な心の揺り動かされ方。 2幕は、お話としては、どんどん結末に向かって突っ走っていくだけなのだけれど、ストーリーよりも何よりも、舞台美術の美しさにまずは圧倒される。三美神の壁画からにじみ出る水、床からもぼこぼこと吹き上がって、舞台は水浸しになる。出演者はみな、ばしゃばしゃと水しぶきを上げて、歩き回り、「カサノヴァ」を撮影する。 離婚が成立したから結婚できるとカルラが持ってきた婚姻届を破り捨てるグイド。カルラは、その後、長い間だまって、舞台の下手に座り続ける。 このへんから、もう何がなんだかわからないけど涙が出てしかたなかった。何度も言うけど、ストーリーに感動してるんじゃない、いい芝居を見てるってこういうことなのかもしれない。 終幕、女達全員が傾いたテーブルのまわりに座って、グイドを見守る場面。そして、天井まで続くらせん階段を上っていく場面。そしてラストの大仕掛け。見事だった。 なんのためらいもなく、スタンディングオベーション。なんだろ、これは。もう打ちのめされるくらいパーフェクトな舞台だった。 終演後、ユカさん、小林くんと楽屋へ。ヒトミさん、ルミさんにご挨拶。タマキさんともワークショップで一緒だったと言われ、あわてて思い出す。 ユカさんと一緒に別所さんの楽屋にもうかがい、お話をする。この間のレミゼといい、今回のグイドといい、日本を代表するミュージカル俳優だと思う。間近で見る背の高さにも感動。 女性ばかりの楽屋は、なんだかやさしい雰囲気。いいチームでいい芝居を作っているんだということが、とってもよくわかる舞台裏だった。
小林くん、ユカさんと徒歩で品川まで。歩きながら、感想を言い合う。 品川で二人と別れて、台本と原稿に向かう。大雨が降ってきたので、雨宿りがてら、阿佐ヶ谷の喫茶店にて。
夜は、顔合わせ。出演者全員と制作の高市氏、それにトシくんをまじえて。 制作からの説明のあと、僕からあいさつ。そして、今日持っていった2場までの改訂台本を読み合わせする。 一昨年の初演のときも、2場までを顔合わせで読んだ。 天辺くんのキャラがおもしろくなりそう。それぞれの人物の課題を考えながら、ノグと一緒に終電ぎりぎりで帰ってくる。
ビデオがようやく見つかる。とりかかるが、大幅に書き直すことにする。もう何度目か。書いては書き直し。台本の直しも。書いては書き直し。 夜中、「タイガー&ドラゴン」を見てしまう。鶴瓶が落語を披露する。あまりのうまさにびっくり。もう全然違うもの。西田敏行の落語、なかなかいいよねと思ってたけど、大間違いだったことに気がつく。さすが本職というか、鶴瓶ってこんなにうまかったんだっけと思うくらいよかった。何十年ぶりで高座に上がるのに、着物がちゃんとしてるなとか、上方だから見台があるんだなあとか、いろいろ思うことあり。
一度返してしまった原稿用のビデオが見つからない。あちこち探し回るが今日は断念。どうしてないんだろう? 大体、どのジャンルにあるかを探すだけで途方にくれてしまう「蜘蛛女のキス」。ヒューマン? サスペンス? ドラマ? 北千住のツタヤではアカデミー賞受賞作の棚にあったんだけど。これで何軒目?ってかんじのツタヤツアー。 それでも、もろもろ原稿追い込み。手に着くモノ着かないモノなどなど。顔合わせ前のいっぱいいっぱいな気分。また芝居が始まるんだなというかんじ。
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