せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2005年06月01日(水) gaku-GAY-kaiの申込み

 年末のgaku-GAY-kaiの予約のため、新宿文化センターに行く。抽選の順番で希望日がとれるかどうか。
 時間までに集まった12組の希望者のなか、僕は9番目にくじをひいた。で、当たったのは2番! 当初の希望どおりの25日に決まった。よかった。文化センターのみなさんに今年もよろしくお願いしますとごあいさつ。手続きをしてくる。
 その後、法政大学の講義で知り合ったKくんと会う。中島さんを通じて連絡をとってきてくれた。トップスでお茶をし、あれこれ話す。その後、二丁目をさくっと案内して、ココロカフェで一服。最後はアイランドという流れに。アイランドで、永山くんに会う。初めての二丁目という彼を思う存分ひっぱりまわしてしまう。僕も昔は、こんなふうに連れ回されたっけと思い出す。アイランドのラクちゃん、シマさんも初めての彼に、とても親切にしてくれた。彼のこれからの何かになるとうれしいなと思ったりする。がんばれ!


2005年05月31日(火) フライヤー入稿

 フライヤーをプリントネットワークに入稿する。土曜日には出来てくるだろう。間に合った。
 仕事の帰りに、劇作家協会が出した「戯曲の書き方」を買ってくる。劇作家講座の受講生と講師のやりとり。憐さん、篠原さん、野中さんたちが、それはていねいに講評して、一緒に作品に向かっている。感動する。できあがった戯曲自体よりも、その細やかな指導ぶりに。
 夜中、録画していた「離婚弁護士2」。江波杏子が夫の離婚を認めない妻。夫は清水紘治。ガンで余命幾ばくもない夫が妊娠中の愛人のもとへ行こうとするのを拒み続ける。妊娠中でも認知も認めさせないという流れも悪役。それが夫が危篤状態になったとき、「私はぜったいに認めない。だから、子供が生まれるまで生きなさい。生きて、生まれた子供を認知しなさい」という一言でひっくりかえる。いい台詞。芝居も良かった。やりがいのある、いい役だ。一回だけのゲスト出演者をほんとにうまく使ってる。
 あとは原稿の続きに向かう夜。眠れない。


2005年05月30日(月) 横浜へ

 UZUくんとフライヤーのやりとり。最後の修正を送る。
 夕方、三軒茶屋で三枝嬢と打ち合わせ。郵便より安いメール便の話など。
 その後、横浜の相鉄本多劇場へ。
 劇団だるま座公演「桜散る散るもつもるも三春乃一座」(篠原久美子作)を見に行く。
 久し振りの相鉄本多劇場だ。雨の中、かなり迷って、たどりつく。
 戦争末期の横浜を舞台にした、大衆演劇の一座の物語。5月30日の横浜大空襲の下、芝居をしようとしつづけた人たち。
 役者を演じるのはむずかしいんだなあと思った。「一座」というより「芝居仲間」のようだった。この人たちが、戦争中とはいえ、芝居で食べているということが、とても信じられなかった。
 篠原さんの台本は、「極付国定忠治」の芝居とそれを演ずる人々をきれいに重ね合わせて、実によく書けていると思う。メタシアターとしての重層的な構造が、最後に離ればなれになっていく人たちの姿にきっちり収斂していく。
 ただ、演技と演出的には、余計なオカズや捨てぜりふで笑いをとることが多くて、本筋のおかしさからはずれてしまうイライラも感じてしまった。2時間30分という上演時間も、もう少し短くできたんじゃないんだろうか。
 ずっと前から見たかった芝居をようやく見ることができたのだけれど、僕はフライヤーに「感動の声」がのってる芝居とどうも相性が悪いようだ。
 終演後、篠原さんと、同じ回に来ていた久し振りなユゲさんにあいさつ。どしゃぶりの雨の中外に出たら、ハルヒちゃんとぱったり。駅まで歩く。
 UZUくんとの打ち合わせをなしにしてもらったので、帰りは東海道線で。行儀が悪いと思いながら売店で買った缶酎ハイを飲んでしまう。東京駅でもう一本。どんどん飲んでしまいそうだったので、駅からはタクシーでまっすぐ帰る。


2005年05月29日(日) 倉庫の引っ越し

 劇団の倉庫の引っ越し。亀戸にある今の倉庫から両国にある新しい場所に引っ越すことになった。ジャスミンさんのご厚意に感謝。
 集まったのは、マミー、小林くん、トシくん、それにノグ。ノグが運転するワゴンで2往復。すっきり引っ越し完了。
 亀戸の倉庫は、細い路地の奥の二階で、車からの距離があるのがけっこう大変だった。引っ越した先は、真ん前まで車をつけることができる一階の部屋。すばらしい。
 両国に住むトシくんの家から数分の距離(通りからマンションが見えてる)ということもわかり、大量に出たゴミもマンションのゴミ置き場で処分完了。こちらも大助かりだ。
 一度家に帰ろうかと思ったのだけれど、結局、途中の亀戸で断念。ちょっと一休みと入ったスタバでコーヒーを飲みながら、時間まで原稿に向かってしまう。

 夜、フラジャイル公演「塔」@駒場アゴラ劇場。
 開演前、いっこうちゃんにばったり。制作をお手伝いしている詩森ろばさんにもご挨拶。
 111階のビルの最上階にあるエレベーター制御室。止まっているエレベーターをめぐる、管理人とそこにやってきた人々の物語。
 劇場のまん中に大きく張り出した舞台の中央にくみ上げられた巨大な滑車の装置が迫力。
 111階の窓を開け放した空間の処理や、妙にレトロな建築様式で緻密に作られてる室内の装飾や、バーンと閉めてもびくともしないドアが見事。
 止まったエレベーターを動かすか否かというのが、ドラマの基本になるのだけれど、やりとりの中心は、確信犯的な「翻訳調」の台詞で行われる。この台詞がくせ者で、役者一人一人でこの文体の受容のしかたが違うのが、実は芝居自体よりもずっとずっとおもしろかった。つまり、芝居のおもしろみよりも、役者のおもしろみで僕はこの芝居をみた。
 役者さんたちはみんな熱演しているのだけれど、明樹由佳さんと有川マコトさんが、中盤から登場すると、二人の台詞の肉体化のしかたの見事さに圧倒された。二人は、このエレベーターの管理人としてやとわれたという「流浪の民」。旅の途中で産まれた女の赤ん坊を抱いている。
 明樹さんはまさに「女まるだし」だった。女の弱さも、ずるさも、かしこさも、強さも、すべて見せる、その存在のしかたがとんでもない。有川さんは、言ってみれば「弱さとずるさまるだし」だろうか。それまで、レトリカルな台詞の応酬ばかりで、そこにいる人物自体が見えてこないもどかしさが、この二人の登場で一気に解消された気がした。
 二人からはサブテキストが実にきっちり伝わってくる。難しいやりとりが続くと、見てなくても聞いていればいいやと思って、僕は時々、しゃべっている役者さんを見ないで、舞台のまん中にそびえる「滑車」を見ていたのだけれど、この二人はいつまでも見ていたいと思ってしまった。知り合いだからということでは全然ないと思う。特に、曖昧な台詞のまま、明樹さんが有川さんを誘うときの、エロチックなかんじ。赤ん坊に対する残酷な思いなどなど。台詞の合間から立ち上るものがすさまじかった。
 劇中、「やさしさは、人の足の裏をやわらかくする」という台詞があった。いい台詞だ。裸足で登場する人物が多くて、客席に取り囲まれた舞台では、役者の足がとてもよく見えた。緊張のせいか、芝居と関係なく、足の指が反ってしまう役者さんが何人もいて、どうしたんだろうと思っていたのだけれど、明樹さんと有川さんは、とっても「柔らかい足の裏」をしていた。いつもきっちり自分の足で立って、歩きながら、台詞をしゃべりながら、足の裏が余計な動きをすることがなかった。様式的な動きをしていても、不自然な文体の台詞を口にしても、「しょうがないよ、だってそう書いてあるんだもん」という後付けの芝居でなく、きっちり手の内のものとしてしゃべるというのは、そういうことなのかもしれないと思った。台詞は、自分の言葉として発せられれば、もはや文体も何も気にならないんだ。これまで何度も見ている二人の役者さんの腕のすばらしさを、改めて見せてもらった気がした。
 終演後、明樹さんにご挨拶。いっこうちゃんとひさしぶりにおしゃべりしながら、渋谷まで。いっこうちゃんも見たピンクトライアングルの芝居のことなども。2日続けて、終演後話がしたい芝居に出会えた。


2005年05月28日(土) 「シークレット・ガーデン」

 中野のあくとれにピンクトライアングル公演「シークレット・ガーデン」を見に行く。
 きれいにつくられた、シンプルな独り暮らしのフローリングの部屋。装置の上手と下手にある、スクリーンに黒いシルエットで蝶と草花が描かれ、ブルーやピンクの照明に浮かび上がるのがとってもきれい。
 一人暮らしなレズビアンの女性のところに転がり込んできた、恋人未満友達以上な関係の女性に、主人公の職場の女性がからむ三人芝居。
 ゲームソフトの開発を自宅でしているという設定がていねいに描き込まれていてリアル。
 部屋にさりげなくおいてあったディルド(緑色でインテリアの草のアレンジにさりげなくまざってるのがすてき)をめぐるやりとりが、今のレズビアンの生な言葉でとってもすばらしかった。
 転がり込んできた彼女が実は薬物依存だったということがわかってから、説明的な台詞が多くなってしまったのが残念だった(終幕はモノローグの連続になってしまったかんじ)。「実は……」ということがわかってから先の物語をもっともっとたくさん見たかった。
 それでも、この人にしか書けない台詞、ここでしか出会えない芝居にめぐりあうというのが、芝居を見る上での一番の幸せじゃないかと思う。
 ドラマとしては、もっと工夫のしようと練り上げ方がいくらでもあるだろうけど、新鮮な言葉と、ホンネで語るレズビアンの彼女たちに出会えたことがうれしかった。
 がんばれ!とエールを送りたい気持ちだ。

 終演後、同じ回をみていたパチパチと新宿まで。芝居の感想をあれこれ語り合う。
 まっすぐ帰らずに、自転車に乗って、少しだけ遠回り、となりの駅に近い、ケーキ屋さん「キャトーズジュイエ」でシュークリームとケーキを買って帰る。
 「TVチャンピオン」で優勝したこともあるパティシエのつくるここのケーキは、とっても手が込んでいて、実においしい。今日は、生クリームのシュークリームとピスタチオを木イチゴのムースを。一粒のっかった、赤い粒胡椒がいいアクセントになってる。


2005年05月27日(金) 草の実

 UZUくんからフライヤー裏面のデザインが届く。校正して、返事しないといけないのだけれど、ご挨拶文がうまくいかないので、ちょっと待ってもらうことに。
 原稿書きもろもろ続き。書けたものは送り、練り直すものはそのむねの連絡。
 猫が、ここ何日か、体中に、草の実をつけてかえってくる。
 抱き上げると、腹側にぷちぷちとしたものがあたる。ひっぱってもなかなか取れない、しぶといもぐりこみかたをしている。
 どこで遊んできてるんだろうと思うが、よくわからない。車の下にもぐりこんで、ガソリン臭くなるよりはずっといいので、ブラシをかけるついでに、一緒に抜ける冬毛と一緒にひとつずつ取り除く。
 取らないでほうっておくとどうなるんだろう? 毛が伸びて抜けるのと一緒に自然になくなるんだろうか。そのまんまで芽を出したりするんだろうか。ちょっと実験してみてもいいかもしれない。


2005年05月26日(木) イーサン・ホーク

 昨夜録画しておいた「アクターズ・スタジオ インタビュー」。今回のゲストは、イーサン・ホーク。十数年前は客席にいて、ジェシカ・ラングの話を聞いていたというのが新鮮。
 リバー・フェニックスに対する思いや、劇団の舞台と映画の仕事のどちらをとるかという話など、なかなかおもしろかった。きっとちゃんと構成されてるんだろうなと思うけれど、それでも俳優の生の声が聞けるこの番組が僕は好きだ。日本ではありえないんだろうな。自分の役作りについて語れる俳優って、日本にはどれだけいるんだろうかと思う。いや、いるんだけど、聞きたいと思う側のニーズがないってことか?
 僕はイーサン・ホークの妙にとんがってるようなところが好きだ。若い頃はきれいな男子ってかんじだったのが、今やすっかりうさんくさい大人になっているのもとってもいい。奥さんがユマ・サーマンというのも妙に納得。
 原稿書き、追い込み。途中経過の息抜きにHPを更新する。


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