せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2005年05月25日(水) きれいな日本語

 「クロワッサン」の最新号を買ってくる。「きれいな日本語」特集。
 永井愛さんが阿川佐和子さんと対談している。話し言葉について語る、いろんな人の言葉、それ自体がおもしろかった。
 いつもよりも、「口語体」になるよう、意識して構成されているような感も。このところの「日本語ブーム」の中ではやや遅れ気味の特集だけど、なかなか読み出がある。電車の中でのちょうどいい読み物になった。
 困ったときにはこんな一言というコーナーで、加藤タキさんと小川洋子さんがアドバイスをしてるんだけど、小川洋子さんの答えてる「台詞」が妙におかしい。今、そんな話しかたする人いないんじゃないかなあという、「書き言葉」なかんじ。当たってくだける系の加藤タキがさわやか。
 夜、今週から来週にかけて芝居ラッシュだということに気がついて、あわてて予定を立てる。予約のメールを送ったり、ここは当日でいいやと決めたり。日曜日は亀戸の倉庫の引っ越しだ。雨が降らないことを祈る。


2005年05月24日(火) 大人買い

 今日も夕方から大雨。駅から雨の中、カサをさしながら自転車に乗って、それでもびしょぬれになって帰宅。
 書かなくてはいけない原稿の準備をずっとしている。月末締切やらその前の締切のものなど。書き始めれば早いというのはわかっているのだけれど、準備と称して、資料を読んだり、サイトをあちこちのぞいてみたり。今日はまで一つもしあげられず、明日以降に続く。
 母親とふたりでこのところ、「麩菓子」にはまっている。四角くてふかふかしてて、外側が黒砂糖でかりっとしてるあの駄菓子だ。
 姪たちのおやつのつもりで母親が近くのスーパーで、一袋20本のパック入りを買ってきたのがはじまり。ここしばらく、集に一度は買ってきては「おいしいねえ」といいながら食べている。
 メーカーごとに味が全く違うことも発見した。麩がもっさりしているか、黒砂糖は甘すぎないか、などなど。母親と意見が一致したものは、最初に買ってきた、やや細身のヤツ。外側の黒砂糖は薄いのに、ぱりっとした食感。中の麩は、さくっとしてて、ほんとにいくらでも食べられてしまう。食事の後の甘いモノにちょうどいい。
 僕も、スーパーで見かけると、「これはどうだろう?」とおもいながら、買ってきている。子供の頃は駄菓子屋で一本ずつ買ってたから、妙に「大人買い」の気分になれるのもなんとなくうれしい。


2005年05月23日(月) フライヤー打ち合わせ

 夕方からものすごい雨。夕立のようなさわやかさではなく、なんとなく寒さを連れてきた、あんまりうれしくない雨。100円ショップで折り畳みカサを買う。薄紫の小さなカサ。ホネは6本きり。100円という金額ともども、とってもかわいらしい。
 UZU君と渋谷で打ち合わせ。朝送ってもらったラフの確認と修正のお願い。
 オモテはこれでいこうということになり、つづいて裏面の相談。去年のgaku-GAY-kaiのフライヤー、「二人でお茶を TEA FOR TWO」のフライヤーに続いて、今回は三回目。いつもより、余計にたくさんお願いをしてしまっている。
 渋谷の打ち合わせは、亜弓ちゃんに教わった、駅前地下のマイアミしかないかしらと思っていたのだけれど、渋地下に「日本茶カフェ」ができていた。雨のせいか人も少な目でしずかな店内。打ち合わせするのにはぴったりな場所だった。


2005年05月22日(日) 劇場下見

 六本木ヒルズに「NINE」ザ・ミュージカルのトークショーを見に行く。ワークショップで知り合った鳥居ひとみさんと井科瑠美さんが出演してる。本番通りの衣裳とメイクでオーヴァーチュアを歌って登場。その後、インタビュー。後半、グイド役の別所哲也さんが登場して、リリアン役の大浦みずきさんとタンゴを踊り、「フォリーベルジェール」をみんなで歌い踊っておしまい。インタビューに誰かが答えるたびに起こる笑い声やざわめきがなんとも華やかで、素敵だった。とてもいい空気感。いいチームなんだなあと思えた。
 その後、吉祥寺に向かい、今日オープンした吉祥寺シアターの下見。といっても、誰でも見られるオープンの日に、さらっと見てみただけ。
 吉祥寺の北口から5分。こぢんまりとした建物だけれど、ちょうどいい大きさのいいかんじの劇場が中にまるまる入っていた。
 ちょっと小振りなシアタートラム、またはミニミニシアターコクーンといったところだろうか。傾斜のきつい客席はどこからも舞台がよく見える。その分、とても見下ろす感じになってしまうのはしかたないか。芝居よりもダンス向きの小屋からもしれない。芝居をするには、きっちり建てこまないと空間が埋まらないだろう。たっぱも高いし。
 とりあえず見てみたというところ。キャパが200くらいの劇場が新しくできたのはとってもうれしい。今度は上演しているときに来てみようと思う。
 1Fのカフェで遅いランチ。ミヤコちゃんに声をかけられる。誰かに会うかなと思っていたら、やっぱりというかんじ。彼女は秋、ダンスの公演で予約済みなんだそうだ。今みてきた劇場の話をしばらくして、お先に失礼する。
 夜、NHKの森光子のドキュメンタリーを見る。「放浪記」の初演から今までの森さんの生き様をたどる番組。
 印象に残った言葉。「代役なんて考えられないって思うんですけど、『やったんさい』とも思うんですよ」。菊田一夫と三木のり平という二人の演出家につくられたものの他に、自分で作ったところもたくさんあると話す、女優魂に感動。
 その後、今年の「放浪記」を録画しながら、アーカイブスの宇野重吉一座のドキュメンタリーも見てしまう。こちらもものすごい役者魂。終わった後、「放浪記」の最終場に戻って、涙する。


2005年05月21日(土) 夜の音

 録画していた「タイガー&ドラゴン」。ワークショップで一緒だったキミコさんが出ていてびっくり。薬師丸ひろ子が、確信犯で変な女を演じていた。「オペレッタ狸御殿」でも怪しい役だ。年末のgaku-GAY-kai、今年は「贋作・Wの悲劇」。薬師丸ひろ子、要チェック。

 フライヤーデザインをUZU君とやりとり。久し振りに電話で話す。お願いをいっぱい。
 台本直しに向き合いながら、眠くて眠くてしかたがない。9時頃から眠ってしまい、夜中に目が覚めて、「ウィル・アンド・グレイス」をまるまる見てしまう。
 母親の部屋からミシンの音。何かと思って聞いたら、着られないTシャツ(買ったのにきつかったやつ)で妹のところの犬の服を作っているんだという。
 子供の頃はこういうミシンの音をずいぶん聞いた気がしたなあと思ったら、ミシンの音ではなくて、うちが工場をやっていた頃の機械の音だと気がついた。家の前は線路だったし、ほんとにうるさかった。初めて家を出て住んだ代々木の部屋のあまりの静かさでしばらく寝付けなかったことも思い出した。
 今のこの部屋の静かさはどうだろう。静かだということにも気がつかないほど、この静かさに慣れてしまったんだなあと思う。
 朝方、母親はようやく終わりにして眠ったらしい。つけっぱなしにしがちなTVも消して、何時間ぶりかの静かさをたしかめてみた。


2005年05月20日(金) 「蜜の味」

 夕方、出演をお願いしていたTEPPENくんからメールが届く。出演してもらえることになった。よかった……。
 これで、大きな心配が片づいた。公演中止か、再演じゃなく、キャストが一人少ない新作を書かなきゃいけないかもという覚悟はしないですんだ。
 ほっとした気持ちのまま、両国のシアターXへ。1月のワークショップで知り合った有希九美さんが出演しているシーラ・ディレーニーの「蜜の味」を見に行く。両国は夏場所の最中で外国の人がいっぱい。
 会場で、あきやんと大野レイくん、扉座の田中さんとばったり会う。シンビアンの菊池隆則さんと扉座の山中たかシさんが出演してる。
 ワークショップ仲間のクニオさんとヨーコさんと会う。ユミさんは受付を手伝ってる。
 なんだかあいさついっぱいの開演前。
 芝居は、今から五十年前にイギリスの18歳の女の子が書いたもの。ちっとも娘を省みない母親とその恋人。黒人の水兵と恋に落ちて妊娠する娘。その友達のゲイの男の子。自分の気持ちをどなりあうことでしか伝えられない不幸な母と娘の物語。
 有希九美さんは、娼婦をしている母の色っぽさと娘に対する屈折した思いを抱えたキャラクターがぴったり。
 娘役の遠藤久美子はやや怒鳴りがちだけれど、恋に落ちた表情がとってもいい。
 男優陣はみんな好演で、みていておもしろかった。
 ただ、ジェフというゲイの役は、もっと、わかりやすいゲイキャラじゃないと成立しないんじゃないかと思った。演じている役者さんはとってもいいのだけれど。これは演出の問題だと思う。
 リバプールの貧民街が舞台で、主人公はアイリッシュで、黒人の子供を妊娠していて、男友達はゲイ。今から50年前、こんなに八方ふさがりな設定もないと思う。
 人種の問題は演技としては見えづらいけど(それでも、山中さんはとってもがんばってた)、ゲイの扱いはもっと深刻でなきゃいけないと思った。当時のイギリスでは同性愛は犯罪だったはずだ。だから、彼が主人公と結婚しようって言い出すのも、そんな切実な背景があるからだし、みんなにすぐばれてしまって、「お嬢ちゃん」って呼ばれるほどのゲイ(どういう言い方だ?)には、とても見えなかった。とっても今時の普通の男の子なんだもの。でも、そのくらい今の男の子って女性的だってことなのかなとも思ったりもした。
 書かなきゃいけない台本も(そんなには)抱えてなくて、キャストもようやく決まったところなので、翻訳の古さにもいらいらしないで見ることができた。
 ただ、それぞれの場面の終わり方が、もう少しちゃんとしてたらいいのになと思うところがいくつも。もったいないなあと何度も思った。これも演出の問題。
 終演後、楽屋で九美さんにごあいさつ。
 クニオさんと食事しながらおしゃべり。芝居の話たくさん。

 夜中、TEPPENくんと電話で話し、その後、高市氏とも。フライヤーの相談などなど。
 朝方、デザイナーのUZUくんから届いていたラフにこれで何度目かの修正のお願いをメールする。


2005年05月19日(木) 三匹の蛾

 キャストはまだ決まらない、フライヤーのやりとりをしながら、台本の直しをしながら、落ち着かない気分の一日。
 夜中、台所に白くて青い目をした3センチほどの小さな蛾が一匹いた。外に逃がしてやろうと思い、コップにとじこめて、ティッシュでふたをした。玄関から外に出たら、脇の壁に同じ蛾が一匹。近くに放してやる。やれやれと台所にもどったら、床にまた同じ蛾が。今、外に出したばかりなのになぜとびっくりする。まさか僕と一緒にもどって来たんじゃないよねと思いながら、同じ手順を繰り返して、玄関へ。ドアの外には、さっきの蛾が一匹、もう一匹は地面におちていた。三匹目の蛾を逃がして、気をつけながら、ドアをしめる。台所にもどったが、もう四匹目はいなかった。


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