せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年02月24日(月) 「Skip」稽古

 昼間はみぞれまじりの雨。むちゃくちゃ寒い。
 熱っぽくてからだがだるい。
 夜から稽古。
 桜澤さんが登場する場面をもっていって、これで全員が登場したことになる。
 ざっと読み合わせをしてもらって、桜澤さんに「そんなかんじでいいよ」と話したら、「これだけじゃ何の役作りもできない」と言われる。そのとおりです……。「この続きは?」と聞かれて、「まだないです」と答える。ほんとに申し訳ない。
 今日の阿佐谷地域区民センターは、夜間の延長使用をしているのは、うちだけだそう。
 そのせいか、終わって、外に出たら、階段がまっくらだった。
 そういえば、僕が遅く行って、コピーをとってたら、その時にもうロビーの蛍光灯は消されてたんでした。まだ、片づけ終わってないのに。
 「韓国の地下鉄の火事みたい!」と話しながら、おそるおそる降りてくる。やや、不謹慎。


2003年02月23日(日) ラジオ収録 「Skip」稽古

 午後から、有線ラジオの録音のため笹塚に向かう。
 今度の合同公演の制作をしてくれる三村さんの紹介だ。
 番組は、ゆうせん-WIDEの「東京ACT CITY」とmusic birdの「イケイケ! ラジオぶたい」というもの。
 パーソナリティの森雅紀さんと曲をかけながらのおしゃべり。思い入れのある曲を持ってきてほしいということだったので、「サンセットブールバール」でグレン・クローズが歌ってる2曲「With one look」と「As if we never said good bye」と、「ゲイが好きな曲」ということでウエザー・ガールズの「ハレルヤ・ハリケーン」、それに「コーラスライン」から「What I did for love」。
 森さんはとてもハンサムな(!)な気持のいい方で、楽しく収録を終える。
 「ラブソング」の中から、台詞を少し読んだんだけど、かなり「かんで」しまう。だめじゃん。
 収録が終わって、スタジオの外に出ると、三村さんが来てくれていた。
 あいさつして、大急ぎで戻って、台本に向かう。
 今日はここまでと決めた枚数までなんとかたどりついて、稽古場へ。
 今日は、次の場面、「ビデオ制作会社のオフィス」だ。
 森川くん、三枝嬢、小林くん、それに二役目のいっこうちゃんが登場する。
 阿佐谷まで、自転車で大急ぎで向かう。
 昨日に続いて、読み合わせ。
 みんないろんな芝居をしてておもしろい。
 キャラクターが目の前で立ち上がってくのは、僕をとても元気づけてくれる。
 稽古の後、中野にひっこしてきたまっすーの家まで自転車で行ってみることにする。
 よしおとまっすーと三人並んで自転車で走ると、高校の演劇部の帰りみたいな気分だ。
 まっすーの部屋は、不思議な部屋で、天井が妙に低くて、ちょっと背伸びすると天井に手が届く。僕でさえ。
 窓も微妙な高さについてて、部屋に入ると、「これはマジックルームか?」みたいなへんなかんじ。
 よしおと三人で、ついてなかった「電灯」をとりつけ、開封してなかった新品のヒーターを取り出す。
 どの窓からも景色がとってもいい。
 都庁も中野サンプラザも、きれいにさえぎるものなく見えている。
 しばらくしてナルミがやってくる。
 お隣を気にして、ささやき声でずっとしゃべって、どこに何を置く?なんて話をあれこれする。
 部屋を出て、自転車に乗るときも、まだささやいていることに気がついて三人で笑う。もういいんだって。

 僕は今日で38歳になりました。
 誕生日メール、それにカード、電話をくれたみなさん、どうもありがとうございました。
 人生折り返し……なんてことをいいますが、僕は「折り返さない」ことに決めたので、これからもこのまんま、やっていこうと思ってます。「お肌の曲がり角」も曲がらないことに決めてるし。
 どうぞよろしくお願いいたしますです。


2003年02月22日(土) 「Skip」稽古

 台本をついに持っていく。
 7ページ。ほとんど人物紹介なんだけどね。
 今回の「Skip」は、「ひまわり」の続編だ。
 あの世界、「男はつらいよ」の寅さんの世界のパロディで始まった物語が、今回もくり広がる。
 前回に続いて登場しているのは、ドラァグクィーンのサンドラ(僕)、ベリンダさん(いっこうちゃん)、マルガリータさん(まみー)、それに、おとなりの剛(ごう)ちゃん(よしお)。
 その他には、いっこうちゃんが演じる、僕(サンドラ、ドラァグクィーンじゃないときは「健太郎」って名前)の母親、まみーが演じるとなりのおばちゃんも登場する予定だ。
 オープニングの場面は、「いつもの」ゲイクラブの楽屋から始まる。
 お約束のやりとりに、前作の軽い説明。
 女装三人衆によしお、それに早瀬くんとまっすーが登場する。
 どうなるんだろうか?
 わくわくしながら、聞いてみる。
 さあ、どんどこ書いていこうっと!


2003年02月20日(木) グリング「ヒトガタ」

 ザ・スズナリでグリングの「ヒトガタ」を見る。
 あ、そういえばと思いついて当日券をあてにして出かける。
 下北沢について、駅前の大好きな定食屋「松菊」さんで晩ご飯。「かれいの煮付定食」
 やっぱりおいしいねえ。
 久し振りのスズナリだ。
 芝居はとてもおもしろかった。
 だから、何なのよ?みたいなお話ではあるんだけど、ちっとも退屈させないで見せてしまうのはすごいと思う。
 ひな人形の首(顔?)をつくってる父親と、折り合いが悪い息子。おばあちゃんのお通夜に集まった親戚一同で、この家をこれからどうするか? 父親を息子の家に同居させて、いっそ売ってしまおうかという親戚たちの話が、くり広がる。
 自殺した、息子の弟が、見えない存在でずっとこの空間を支配している。
 彼がなぜ死んだのか。死んだときに恋人のところに行っていた父を許せないでいる息子、彼の妻は妊娠していると告げるのだが、「こんなに父親のことを憎むようになるなんて」と息子は「父親」になることをためらい、みんなに妊娠の事実を告げられずにいる。
 弟がなぜ死んだのかということがはっきりわかる、そのための謎解きの芝居ではない。
 息子が父を許す、もとい、自分も親になることを受け入れた後に、ふたりで「乾杯」と酒を飲見始める。その場面で芝居は終わる。
 仲直りの説明的な台詞も何もなく、ただ「乾杯」だけ。この語らなさに、僕はやられてしまった。
 出演者はみんな、それはいい腕を持っていて、見ているだけでうれしくなってくる。
 こんなにさもない話なのに、ただただ楽しい。
 「見終わった後に、何も残らないようなコメディがやりたい」と三谷幸喜さんは言っていたが、ある意味、この芝居も「何が残るか?」と言われれば、言葉にできないような気がする。
 ただ、とんでもなく楽しい。見終わった後、理由のわからない涙が流れてきてびっくりする。
 これは、物語の感動ということではなく、ただ「芝居を見ることの醍醐味」というものなのかもしれない。
 以前見た「ハッシュ!」の舞台版「3/3(サンブンノサン)」に続く、2度目のグリング。
 物語の筋以上に、その他の何かが感動を生んでる。その何かは何なんだろう? しみじみ考えながら帰ってきました。


2003年01月26日(日) 冬季発表会

 高校演劇の城東地区の冬季発表会を、都立東高校まで見に行く。
 最寄り駅は東西線の南砂町。わりと地元なはずなんだけど、降りるのは実ははじめて。
 こんなところだったんだね。
 僕らが現役だったころは、発表会は高演連の秋の大会だけだったんだけど、何年か前から、この冬季発表会っていうのがあるらしい。
 一校あたりの上演時間は30分。これがすがすがしいよね。
 朝から夜まで11校全部を見て思ったのは、みんなやりたい放題で楽しそうってことだった。
 都大会に進出するぞ!っていうような、ややぎらぎらした行きおいor審査員受けしそうな芝居をつくろうみたいなノリじゃぜんぜんない、「やりたいものを好きなようにやってる」かんじがすばらしい。
 母校小松川は、朝一番で新作「テンテコマイ」を上演。どたばたした学園コメディ風なお話。
 主人公が実は男子のことを好きなんだけど、彼のことを好きな女子が、それを誤解して……といったお話。
 みんな楽しそうでよかったね。
 その他のプログラムはこんな。
 都立白鴎高校「ヘンゼルとグレーテル」。いやあ、おもしろかった。黒い布をつかって、みんな森やらお菓子の家やらをつくりあげる、その見事さ。高校生ってすごいのね!!
 都立江北高校「がちゃぽん」。次から次へといろんなものが登場するオムニバス。ラストの「SING」のダンスは圧巻だった。
 都立紅葉川高校「H・Rヒューマンリニューアル」。高校生らしい、近未来モノ。
 都立上野高校「甦人〜リサイクレスト〜」。ちょっとヒューマンなんだけど、ちょっと消化不良かな。
 都立小岩高校「三匹のコブタ」。どう「ヒネる」のかな?と思ってたら、「そのまんま」でした。確信犯なの?
 都立淵江高校「THE 地球」。環境問題のお話なんだけど、主人公は「二酸化炭素」。日本で余ってしまった二酸化炭素が、南の海へ追い出されていく。そこで出会った「南の海の二酸化炭素」との葛藤。「日本に帰れよ!」みたいな。日本の首相はやる気のない双子の美人(叶姉妹ぽい)で、南の島に首相官邸を造ろうとしてる。この「二酸化炭素」と人間との闘いのお話。すごいよね。最後は、二酸化炭素が、酸素を一個切り離して、一酸化炭素になっちゃって、逆に人間を襲うっていうオチ。すごかったわ。
 都立東高校「極楽ブルース」。ホームドラマ。ブラジルに移住していた弟が死んで莫大な遺産が転がり込んできた平凡な一家のぱっとしないお父さん。
 死の知らせの電話を受けて、「やった、遺産が転がり込む!」とお父さんが大喜びしたところで、大音量の「モー娘。」。みんなで踊り狂ううちに、お通夜の場面ができあがる。もう、最高!! お話はその後、娘との葛藤とかいろいろあるんだけども、この「お父さん」を演じてた高松くんていう男子がすばらしい。もう何ともいえない、うすら情けなさ。ラスト「ごめんよ。兄さん!」絶叫する姿に涙。いやあ、いい子だわ。注目。
 都立葛飾野高校「モンババ」。台詞は全部「モンババ」だけ。で、完全な「ライオンキング」のパクリでした。いっそすがすがしい。でも、途中で話がややわからなくなった。台詞が「モンババ」だけなので、状況説明が難しいのね。
 都立足立高校「白虎隊」。時代劇。正統派の白虎隊ってかんじ。よくまあ、これだけ刀があるものね……ってくらい、次から次へと闘いがあって、どんどん人が死んでいく。最後はみんなで自決しておしまい。何役も何役も兼ねて、何度も何度も殺されてたり、とってもいいテンポ。仲良しの舞ちゃんがエラいお侍役で出てて、びしっと締めてた。いいかんじ。涙。
 日本大学第一高校「バトルロワイヤルホストクラブ」。登場しただけで、「キャー!」っていう声があがる男子がいるのに、まずびっくり。たしかにかっこいいわ。ので、一緒になってキャーキャー言ってました。お話は、しのぎを削るホスト業界。向かいにキャバクラができて、どうやらその店はあやしい……。探りに行った従業員が行方不明に。いよいよやり手の店長が乗り込んでいく!!てなお話。
 いやあ、コテコテ感がすばらしい。最高に楽しかった。
 終演後に超イケメンだった彼らが、すんなり普通の高校生になって制服を着てるのにびっくり。これが芝居ってもんなのねと目から鱗。
 一応、審査はあって、最優秀は東の「極楽ブルース」。納得の結果。
 帰りにタックスノットによって、興奮さめやらぬまま、居合わせたシンジくんに、感想をしゃべりまくる。
 高校演劇。あなどれないわ。


2003年01月25日(土) 「Skip」顔合わせ

 高円寺で、「Skip」の顔合わせ。
 出演者は桜澤さんと小林くんがNG。それでも8人のキャストはかなり大勢なかんじ。
 森川くんは、一昨年の「ラブソング」以来。
 高市氏から制作の話がいろいろあった後、僕からご挨拶。
 例によって台本はまだなくて、「こんな話……」というのは、フライヤーの裏に書いてしまったので、「何だか大人のキャストが揃った気がする」という話をし、「台本、早く書きます」と約束する。
 さくっと終わった後、近くの居酒屋で軽く飲み。
 となりのヤンママたちのすごい盛り上がり方に負けずに、年末の「贋作 大奥」の話で大いに盛り上がるが、もちろん「その前にやることやらないとね」とみんなに釘をさされる。
 そのとおりです、はい。


2003年01月09日(木) バスに乗って

 仕事の帰り、池袋から西新井までバスに乗ってみる。
 疲れて、どうしても座って帰りたかったので。
 池袋で読む本がなくなり、NHKの人間講座「こんにちは、一葉さん」のテキストを買う。
 作者の森まゆみさんの「一葉の四季」は前に読んでたんだけど、あまりぴんとこなかった。
 なんだけど、このテキストはおもしろい。
 写真がいっぱいでね。明治初年の崩壊した江戸城の様子とか。ああ、ここを天璋院は明け渡したのね……と勝手に感慨深い。
 作品の解説というだけでなく、一葉の交友関係に立ち入っているのも興味深い。
 井上ひさしの「樋口一葉に聞く」もよかったけど、こちらの方が、手に取るようにわかっていいかもしれない。
 知らない暗い道をバスで行きながら、読み終えてしまう。
 ほんとに久し振りな西新井の駅前の花屋で、水仙を買い、ホームのラーメン屋でワンタンを食べる。ほっとする味。


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