せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2002年02月14日(木) |
「Trick」稽古 3回目 |
今日から台本の稽古をしますと言ったものの、オープニングの場面をあれこれ考えて、うまくまとまらず、「ごめんなさい!」とみんなに頭を下げる。 誤解がないように言っておくと、全然書けてないわけじゃないですから、ほんとに。 ただ、今回の芝居は、芝居の構造がちょっと複雑なので、どこから始めるかがかなり微妙な問題だったりする。 ので、今日も基礎トレを中心に。 今日は、ノグが稽古場に来ているので、ストレッチをノグに仕切ってもらう。 きのう青山さんと一緒にやったストレッチの話をしたら、ノグが目をきらきらさせて聞いていた。 案の定、「負けるもんか」のいつもより濃ゆい(ていうか、ハードな)ストレッチに。 続いて、青山さんのしきりのストレッチを今日もやってもらう。 2日続けてのトレーニングというのは、通常のフライングステージの稽古ではなかなかないのだけれど(公演前をのぞく)、2日続けて、カラダをのばしてみると、微妙な変化に気づかされる。 それは、「昨日よりも痛い」とか、「昨日よりも固い」とかだったりするんだけど、それがだんだん時間とともに、「昨日よりもラク」だったり「昨日よりものびてる」になっていく。 同じ事を続けていると、息がラクになっていることに気がつく。 何気ない事なんだけど、けっこうだいじなんだろうな。 今回のチームの空気感も、かなりラクになってきた気がする。 軽口をあれこれたたけるようになった。 最後に、昨日の「グランドロマン」の新たなバージョン「去年の夏……」で始まるお話をみんなで語ってみる。 これまでよりも、みんな「自分のこととして」おしゃべりしてるかんじがおもしろかった。 五人の色が違う役者たち(しかも印刷関係で言うところの「特色」ってかんじのひとばかり)の色が、だんだんまざってきた気がする。 いや、ちょっと違うな。 全然違う色なんだけど、その色がそこにあることが邪魔だったり突飛だったりしなくなったっていうか。 これはおもしろくなりそうだ。
| 2002年02月13日(水) |
「Trick」稽古 2回目 |
今日は台本は使わずに、基礎トレオンパレード。 まずは、早瀬くんにフライングステージのノリのストレッチを指導、ていうかリードしてもらう。 例によって、いろいろなおしゃべりをしながら。 続いて、青山さんに同じようにストレッチを指導してもらう。 それまで約20分、あちこちを伸ばしていたはずなのに、これはけっこうきいた! さすがに元早稲田小劇場。カラダのありようについての意識がとってもとぎすまされている。 プラス、ノリがやや体育会系だ。 青山さんが体育会系っていうんじゃなくて、青山さんのしきり方がどことなく体育会系。 脱力が基本なんだけども、けっこうへとへとになる。 意識して伸ばすストレッチでのびないところが、意識しない、たとえば「ぶらぶらさせる」なんて動きで、しらないうちにのびているみたいだ。 そのあと、シアターゲームをいろいろやってみる。 しりとりは、まだ、テンポよくは運ばない。 チームとしてのまとまりがまだおっかなびっくりなかんじだ。 山手線ゲームで、女優やら、野菜やらをえんえんとあげていったんだけど、単語が出てくるかどうかというしりとりと同じ問題以上に、その場ですぐにしゃべれるかという「クイズ・タイムショック」な問題があちこちで出てくる。 まだまだよそゆきなチームなんだろうなとつらつら思う。 最後に、「お話聞かせて」の別バージョンでこのあいだの稽古でやった「今日あったこと」のアレンジ版をやってみる。 こないだの稽古でやったのは、「今朝起きたら……」という話を、一人が話し始めて、途中で次の誰かに渡していく。渡された人は、自分のこととして、その架空の「今日一日」をずっと話しついでいくというもの。 僕は、即興のエチュードというのが、あまり好きじゃない。 芝居をしているのか、お話づくりをしているのかわからないからだ。 一番いやなのは、そんなどっちつかずの状態でいるカラダのありようなんだと思う。 自分で台本を書くようになってから、ますますそう思うようになった。 ので、フライングステージの稽古場でも、即興でお話を作りながら演じてもらうというのはしたことがない。 お話をつくるなら、演じなくてもいい状態をちゃんと保証しておく。 「お話きかせて」はそういった仕組みでできている。 今回の「今朝起きたら……」は、全部を自分のこととしてしゃべるというのがポイントだ。 しかもその自分はどんどん移り変わっていく。 みんなで共有していく、「自分」っていうものと、架空の一日を共有していくかんじが、とてもおもしろい。 架空なんだけど、自分が経験したこととして話す。 出来心でついてしまった嘘を、あとから、まるで本当のことのように思ってしまう。 なんだかそんなかんじがだんだんしてくるから不思議だ。 今日は、少しアレンジして「グランドロマン」をお話ししてみることにした。 話し始めは郡司くん。まさに彼の得意分野、面目躍如といったところ。 物語は、往年のテレビドラマ「乳姉妹」さながらに、赤ん坊の入れ替わり、金持ちの一家と貧しい一家、実はホモセクシュアルな父親、監禁される薄幸な娘、ドイツへの留学、すべてを知る看護婦の暗躍、等々、かなり「グランドロマン」がくり広がった。
| 2002年02月10日(日) |
「Trick」DM発送作業 |
夕方から、高円寺でダイレクトメールの発送作業。 なのだけれど、僕は「東京レズビアン&ゲイ・パレード2002」の打ち合わせのため、欠席。 みんなに、僕の分の発送作業もお願いして途中で出かける。 僕は、いつも公演の案内のお手紙に、ほんの一言だけメッセージを添えるのだけれど、今回は、いつもにまして「いっぱいいっぱい」なので、「ごめんなさい」とお断りしながら、印刷の文面のみを同封させてもらった。 約400通ほどのDMを僕は毎回お送りしているのだけれど、台本やら演出やらなにやらで、全部発送しおえるのは公演の10日前になったりする。 いつもお世話になってるみなさんには、早めにご案内するのがスジというものなのだけれど、僕のだらしなさと甘えのせいで、かえって逆のことになってしまっている。 一言といっても、相手のお名前とご挨拶を2行ほど、それに自筆の署名を入れるだけなのだけれど、いざとりかかると、けっこうな時間がかかってしまう。 以前は、この作業自体が、かなりな「苦痛」だったのだけれど(ごめんなさい)、最近は、ひさしぶりのごあいさつができるかけがえのない場だと思って、実は楽しみだったりする。 何年も会っていない友達と、とりあえず「手紙」が出せるきっかけというのは、なかなかなかったりするものだ。 年賀状やクリスマスカードでも用はたりるのだけれど、季節の挨拶とはちょっと別な「僕は元気です」のお知らせができるしあわせをしみじみ味わう時間だったりする。 でも、それに、ひたってると、時間がかかってしまうわけで……。 台本が完成してなかったりする場合は、どんどん先送りになってしまって、さっき行ったような申し訳ない次第になってしまうわけで。 今回、きっぱり、その作業を簡略化(ごめんなさい)してしまったせいで、発送作業は一気にすんでしまった。 いろいろなおしゃべりは、あらためて、直前になったらメールのご案内でしようと思っている。 ともあれ、僕に変わって作業してくれたみんなに感謝。 僕からの案内が届いたみなさんへ。 ほんとにあっさりしたご案内でもうしわけないですが、そのぶん、台本執筆と稽古に集中させてもらって、ほんとにいい舞台をごらんいただけるよう、がんばりますので、お許しください。 御来場をお待ちしておりますです。
握手。
| 2002年02月06日(水) |
「Trick」稽古 1回目 |
最初の稽古。 青山さん、いっこうちゃん、郡司くん、それにうちの早瀬くん、それから僕のきっちり出演者オンリーの稽古。 まったくの初対面というわけではないのだけれど、まずはなじんでみようということに。 フライングステージのいつものトレーニングからスタート。 ストレッチやらいろんなゲームをおしゃべりしながらのんきにやっていく。 後半、第一稿として書いたオープニングの部分を、みんなで読んでみる。 かなり饒舌な二人の場面。 予想していた客演のみなさんの声が、イメージと微妙に違っていて、新鮮だ。 特に、青山のさんは、もっと基調が高いイメージだったのが、実はとっても落ち着いた声が中心だ。 これまで拝見した舞台はみんな、わりと「様式」っぽいお芝居だったので、そのせいかしらと考える。 「セリフ」をきっちり張ってもらうのか、落ち着いたトーンでしゃべってもらうのかでは、ずいぶん印象が変わりそうだ。 帰り道をみんなでてくてくあるく。 駅から遠いこの稽古場、次回から、青山さんは一人で歩いてくると宣言。 よろしくお願いいたしますです。
| 2002年02月02日(土) |
「Trick」顔合わせ |
高円寺で、夕方から「Trick」の顔合わせ。 今回出演の青山吉良さん、ますだいっこうさん、郡司明剛さん、それにフライングステージのメンバーが集合。 まず制作の高市氏から今回の制作についての話。フライングステージは、毎回、顔合わせのときに、制作にまつわる予算を全部関係者にお話しするところから始める。プロデュース公演の今回も例外じゃない。 そのあと、僕から、「こんなお話です……」というのをざっと話す。 で、「よろしくお願いします」とあいさつして、解散。 出演の4名(早瀬くんをのぞく)は、そのあと、高円寺の中華屋さんでご飯を食べながらおしゃべり。 さあ、これから約50日の稽古の始まりだ。
| 2002年01月31日(木) |
フライングステージ稽古 |
「Trick」の稽古に入る前の最後の稽古。 こないだ遊びに来てくれた小野坂くんがまた来てくれる。 みんなで「かもめ」に取り組む。 たっぷり(わりと)時間をかけて、3つの長台詞の中から一つを選んで、2人組でやってみる。 こないだと同じスタイル。 このところしばらくやった練習のいいまとめになったと思う。 僕も久しぶりに芝居をした気がした。 演技者としての問題点もいろいろと見えてきたような。 みんなが惰性でそつなくやるんじゃなくて、ごつごつしたまんま、その時々のほんとをつくっていってくれて、よかった。 今度は何をやろうか? みんなのアイデアを聞いてみようと思う。
| 2002年01月26日(土) |
マイケル・ナーヴァ「秘められた掟」 フライングステージ稽古 |
創元推理文庫の新刊、マイケル・ナーヴァ作、柿沼瑛子訳の「秘められた掟」を読了。 ヒスパニック系のゲイの弁護士ヘンリー・リオスが事件を解決するシリーズの第4弾。 「このささやかな眠り」「ゴールデンボーイ」「喪われた故郷」とだんだんハードボイルド色が薄まってきてる。 事件自体もゲイがらみっていうよりも、人種差別や家庭内暴力の話がメイン。 なので、僕としては、エイズを発症しているリオスのパートナー、ジョシュとリオスの関係の変化みたいなものの方が、読んでておもしろかった。 それにしても、この本がアメリカで発表されたのは1992年。 どうしてこんなに時間がかかっちゃったのかしら? もっとリアルタイムで読めるとうれしいんだけどね。 柿沼さんの訳は、とっても読みやすくていいかんじ。 ゲイが活躍するミステリーでは、ハヤカワのポケミスで発売されてる、ジョン・モーガン・ウィルソンの「ジャスティス」シリーズが、僕は大好きだ。 「夜の片隅で」「虚飾の果てに」の2冊が出てるけど、どっちもおすすめ。 特に「虚飾の果てに」は、ハリウッドを舞台にしたお話。 芝居に関わってたりすると、これはかなりジーンとできるはず。 特に、ラストの1行が、僕にはたまらない!
夜は、フライングステージの稽古。 久しぶりなキッちゃんとヨシオもやってきて、にぎやかな大人数。 こないだの続きで、2人組での「かもめ」をやってみる。 初見のキッちゃんとヨシオが、それぞれ、いい味を出してる。 早瀬くんとマッスー組、ヨシオとトシくん(水月アキラ)の組、ホソちゃん(細川くん改めね)とキッちゃんに僕が加わった組の3組の発表会。 同じテキストなんだけど、全然違うものができあがる。 ヨシオとトシくんが二人並んで椅子に座って正面を向いて「勝手に」しゃべってるかんじが、とってもチェーホフっぽくておもしろかった。 退屈な時間をおしゃべりで埋めてるかんじ、話を聞かされてしまってるかんじ、そんなものが見えてくると、話されてる内容自体がどんどん空虚に思えてきて。 夕方から、外は雪。 なんとなくウキウキしてたんだけど、稽古場を後にするころには雨模様に。ちょっとがっかりかな。
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