せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2001年11月11日(日) |
「彼女を見ればわかること」 |
夕べ飲んでるときには、今日は、新国立の「コペンハーゲン」のマチネを見に行くとか、タックさんが出てる薔薇族映画を上野に見に行くとか言ってたんだけど、全部キャンセル。ていうか、思いっきり起きられなかったので、夕方から映画を見に行くことにする。 ロードショーで公開中の「同級生」を見ようかとも思いつつ、「彼女を見ればわかること」を下高井戸まで見に行くことにする。 グレン・クローズ、キャリスタ・フロックハート(アリーよ!!)、キャメロン・ディアスやらが出てる、オムニバス(のような)映画。青山さんのオススメで、来年の芝居の参考になるかもしれない……という下心もあり。 よーし自転車で行っちゃうぞ!と思ったんだけど、かなり寒かったのと、下高井戸までの道が、めんどくさそうだったので、電車で行くことにする。 映画はなかなかおもしろかった。もっとも芝居の参考にはあまりならなそうだったんだけどね。映画じゃなきゃできないことを、存分にやってる、とっても見応えのあるもんだった。
内容についてはこちらを→ 「彼女を見ればわかること」
キャリスタ・フロックハートが、レズビアンのカップルの片一方をやってた。彼女の仕事は占い師。 彼女が一緒に住んでるパートナーは、病気で死んじゃいそうなんだけど、彼女(占い師)はそれを受け容れられない。 「初めてで会ったときのことを話して」って病気の彼女に言われて、だんだん話していくところがとっても「ちゃんとしてて」すっごいよかった。 シュニッツラーの「輪舞」のように、みんながみんなどこかでつながってて、一人一人孤独に向き合ってる女達が、それでも一人じゃないんだと、ほっとさせてくれる。 痴呆になってしまった母親や、占い師や、盲目の少女やら、ちょっと気が触れてる(らしい)ホームレスのおばあちゃんなどなど、いろんな人が、真実を語ったり、伝えたりする。 ちょっとファンタジーっぽいと思ったのはそのせいかもしれない。 5人の女優たちが、低予算のこの映画に、出演を志願したというのは、とってもよくわかる。 グレン・クローズもいい芝居をしてた。 キャシー・ベイカーが自分の息子(15歳)が学校に行く前に、「口が臭くないかどうか私に息を嗅がせなさい」っていうところ。「じゃあ、今日で最後だよ」って言われて、息を嗅ぐところが、妙にエッチだった。親子なんだけどね。 あとでは、もう彼女とセックスしたことがあると告げた息子が口を開けて眠ってるところにそっと近づいて、もう一度、同じことをする場面がある。ここもとってもいい場面だったな。 下高井戸シネマはとってもきれいな映画館。また来ようと思う。
帰りに、ちょっと人恋しくなって、タックスノットに寄る。 スクエアダンスのエドエイツのメンバーがいっぱい。 タカノリとハヤブチくんも。タカノリは、ヒゲがすっごい似合ってきてて、なかなかイカス男子になってる。 ほとんど唯一、エドエイツのメンバーじゃないコバくんと、インターネットのサイトをあちこちのぞいて、占いをしたりしてみる。 終電前にさくっと帰ることに。コバくんと駅まで。映画の話をいっぱいしながら。 部屋に戻ると、弘前に転勤した砂上さんからリンゴが届いてた。この季節にリンゴが届いたりすると、もう冬なのねってかんじがひとしおだ。次のフライングステージの稽古に持っていってみんなで分けよう。
| 2001年11月10日(土) |
パニック TOGETHERミーティング 飲み会 |
録画しておいた、昨日の「アリーmyラブ4」を見る。 アリーの二股の恋は、あっという間に、ロバート・ダウニーjrとの恋に乗り換え成功! そのあっという間の展開がとっても小気味いい。これからどうなるのか、楽しみだね。 でも、この人(役者さん)ったら、麻薬不法所持かなんかで、このシリーズで降板しちゃってるんだよね。ようやくカムバックしたと思ったのに。 声をあててる郷田ほずみさんもこのシリーズのみってわけ。なんだか気の毒。 それよりも、ショックだったのは、前回、すっごい素敵な展開になったMTFのシンディとマークのおつきあいが、終わってしまったこと。 前回のラストは、絶対に「セックスあり」なおつき合いの始まりだと思ってたのに、そうじゃなかったんだ。 そのことで、マークはうじゃうじゃ悩んでる。バカじゃないの、もう? それにしても、二人がつきあい始めたことについての事務所の面々の「偏見」と「好奇心」いっぱいな視線にイライラ。 やっぱりダメってことなの、こういうお話は? 限界は超えられないってことなわけ? ちょっと、ていうか、かなりがっかり。
今日は午後から、「TOGETHER」というグループのミーティング。 「TOGETHER」っていうのは、ゲイとビアンとバイセクシュアルと、その他いろいろ何でもありなコミュニティ。 始まって、もうじき10年なんだけど、当初の「コミュニティ」として、東京のゲイシーンであるポジションをしっかり守る(?)みたいなノリとはずいぶん様変わりしてきた。 初めは、ぽっと出の新人くんから、プロまで、何でもOKで、とにかく「ちゃんと話すこと」を目的としたコミュニティだった。「コーカウンセリング」をやってたメンバーがたくさんいたせいもあってね。 今は、どうなんだろう? コミュニティの存続って、中心メンバーのある目的が達成されちゃうと、その時点で難しくなってくるんだよね。 たとえば、出会い系のところだったら、メンバーのほとんどにパートナーができたら、もうやってる意味がないとか。これは一番よくあるパターン。 僕たちの場合で言えば、「自分自身にちゃんと向き合おう」ってことをある程度やっているうちに、自分のことは「とりあえずだいじょぶ」ってことになった。 そうすると、次は、「誰かのために」やってくってことになる。 右も左もわからないゲイやビアンに、東京のゲイ&レズビアンシーンっていうのは、こういうところよっていう、オリエンテーションをする。もちろん、自分に向き合うってことを、経験してもらう。っていうと、堅苦しいけど、まずは、自分の話をしてみようってこと。 でも、そんな「人のため」にやってるコミュニティって、どこかで「何でやってるの?」ってことになってくるわけ。 僕らもそうだった。 特に、この頃は、インターネットの普及で、「右も左もわからないぽっと出の新人」なんていうのは、さがしても見つからないような状態なんだから。 だから、僕たちも、どうするか考えた。これからも続けていくかどうか。今から3年くらい前かな。 で、出した結論は、もう一度、自分たちのためにやっていこうっていうこと。 「TOGETHER」っていうコミュニティは、発展向上してかなくて、全然いい。 人数が増えるとか、注目されるとか、そんなことちっとも期待しない。 ただ、僕たちが楽しければそれでいいっていうふうに。 隔月の「ギャザリング」っていう例会と、その準備のためのミーティング。そのたびに僕たちは集まって、わいわいしゃべって、またねと別れる。 そして、一緒に年をとっていけたらそれでいいじゃないのってことに決めた。 開き直ってしばらくは、これでいいの?ってかんじだったんだけど、この頃は、すっかり居心地がいい。 間違いなく、僕らは一緒に年をとっていってるし、僕についていえば、フライングステージのような、大きな目的と意志をもったグループと、全然違うノリの「TOGETHER」は、ほっと息がつけて、弱音がはける、大事な避難場所になってる。
で、今日は、1時半頃、部屋を出て、コンビニで印刷物をコピー。 色の用紙をこっそり入れたら、つまってしまって大いにあせる。 2時に、山崎くんと荻窪の駅で待ちあわせをしていたので、あたふたと駅に向かう。 「夜曲」のHPを新しくつくるためのソフト(ページミル)を渡すため。 電車に乗って、荻窪の改札で山崎くんにソフトを渡し、地上に出る。 今日のミーティングは、メンバーのワカちゃんとクミちゃんのマンション。 荻窪からバスに乗っていかなくちゃいけない。 地上に出て、ふと気が付いた。ていうか、愕然とした。 バッグがない! いつも持ってるサムソナイトの四角いショルダーバッグがなくなってる。 手には、TOGETHER関係のものを入れた紙袋とiBookと傘だけ。 ちょっと重たいフェイクレザーのコートを着ちゃってたので、いつどこでなくなったのか、全然気が付かなかった。財布も今日はコートに入れてたし。 もうパニクってしまう。 JRの中だろうか? 駅に置いてきた? それともコンビニ? 全然記憶がない。 とりあえず、山崎くんに電話する。「僕、あなたに会ったとき、バッグ下げてたよね?」「ええ、たしか」。 それから、コンビニ、「レジか、コピー機の前にバッグ置き忘れてませんか?」「ないですよ」。 ああ、やっぱりJRだ!と思いつつ、とりあえず、高市氏にも電話する。ポストの前で郵便のチェックをしたときに置き忘れてるかもしれない。 電話はなかなかつながらなくて、かなりいらいらする。 ようやく出てくれた高市氏に尋ねる。「どこかにバッグを置き忘れてきたみたいなんだけど、一階の郵便受けの前か、もしかしたら、玄関に置きっぱなしになってないかな? 悪いんだけど、ちょっと見てきてもらえるかしら」「わかった、ちょっと待ってて」。 しばらくの間の後、高市氏の声「あんたのバッグってグレーの四角いやつ?」「そうそう」「あんたの部屋にあるわよ」「…………」。 初めから持ってなかったんでした。何やってんだかってかんじ。 バッグの中には今日の稽古着しか入ってないので、このまんまミーティングに行って、稽古場に直行すると伝えて、電話を切る。 と、次の瞬間。バッグの中に「TOGETHER」関連の印刷物が一式入っていることを思い出し、あわてて電話。「やっぱり、一度戻るわ」。 大急ぎでJRの改札口に向かい、切符を買って、ホームへ。一息ついた、エスカレーターで、これから録りに戻ろうとしている書類は一式、手に持ってる紙袋に入ってることに気付く。何やってんの? ホームで、立ち止まって、深呼吸をして考えた。で、もう一度電話して「全部、持ってたので、やっぱり戻るのやめます」と伝える。 このへんで、完全にどうかなってるような気がしたので、落ち着こうと思って、今買った切符を改札で渡して、駅ビルで、手みやげの豆大福を買って、コーヒーを飲んで、気持ちを落ち着かせる。 よし、大丈夫と思ってから、バスに乗って、ワカちゃんのうちに向かう。 ワカちゃんとクミちゃんのマンションはとってもきれいな新築で、動物がいっぱいいる。 インコのグーに、ギニーピッグ(たぶん。毛のないモルモット)の博士(はかせ)と、チワワのうずらちゃん。 みんなもう集まってて、マドンナの新しいベストを聞きながら、動物たちと遊んでる。 いいね。動物は。僕はうずらちゃんにどうしてもなついてもらえなくて、それでも、諦めないで、あの手この手でチャレンジ。 その合間にTOGETHERの案内の発送作業もさくさくと完了。 その後、みんなといろいろ話す。 仕事のこととか、年のこととか(笑)。 ちっともお仕事ノリじゃなくって、こうしてのんびりおしゃべり出来てる時間がとっても気持ちよかった。そして、なんて贅沢なんだろうと思った。 もちろん、さっきのバッグの顛末を報告したら、みんなに笑われた後、「あんたってほんとにそうよね」とジャスミンさんに断言される。 夕方になって、僕は稽古があるので、先に失礼することに。 ワカちゃんとクミちゃんが見送ってくれた。 雨はほとんど止んでたんだけど、傘を忘れずに持って帰る。 高井戸の駅までてくてく歩いて、ホームで「エレクトラ」のセリフをさらってるうちにふと、気が付いた。僕は、誰のだかわからない見たことのない傘を持っていた。 ワカちゃんに電話して、「ドジのとどめってかんじなんだけど、誰かの傘を持ってきちゃったみたい」と話す。 ワカちゃんは「気を付けてね。今日、どうかしてるみたいだから、間違って吉祥寺行きに乗らないようにね」と言ってくれる。 だいじょうぶ。ちゃんと渋谷行きに乗りました。
で、今日のフライングステージの稽古は用賀の稽古場。 思ってたより時間がかかって、着いたのは7時半。 みんな集まってて、すぐに基礎トレを始める。 でも、僕はちょっと大人しくしてようと思って、見学。 まみーもこないだに続いて調子が悪いので見学。 まっすーにストレッチと発声をしきってもらう。その後の、しりとりや何かも。 途中から、どうもだらけてきたので、立ち上がって、まるで「試験の監督をしている教師」のように、みんなのまわりをてくてく歩いてみる。目を光らせてるってかんじかな。 後半は、この間できなかった、細川くんとフッチーの組の稽古をみっしりと。 ほとんど口やかましく、演出をつけていく。 僕のダメ出しに「はい。はい」と返事をするフッチーに「演出家のダメの一言一言に『はい』って返事しなくていいから。全部聞いてから一度でいいから。そんなことしてると他の演出家は怒ると思うよ」と、また「いやなかんじで」お行儀関係のダメを出す。 予定していたラストまで行けずに途中でおしまい。 続きはまた今度。 一昨日から、3日連続で、演出ばかりしている。 これは、自分が芝居するよりもよっぽど疲れる。 この間の「粘土のエチュード」じゃないけど、自分ができること、してほしいことを、相手に伝えるのは、本当に難しい。 でも、その難しさがあるからこそ、おもしろい。 予想してなかったものがひょこっと出てきたりするしね。
夜は、新宿に出て、来年3月のプロデュース公演のキャスト、青山吉良さん、郡司くん、いっこうちゃんと飲み会。この顔ぶれでちゃんと飲むのは、実は初めてだ。 電話で聞いた、「東方見聞録」っていう居酒屋に行ったら、イワイワと森川くんがいた。 久し振りだ。 わいわい芝居の話をしながら、結局、朝まで飲んでしまう。 4時過ぎに店を出て、始発にまだ間がある、郡司くんにつき合って、僕といっこうちゃんの三人は「ラピス」へ。 マスターのヒロシさんは、いつもフライングステージを見に来てくれてる、とっても芝居好きな人だ。 始発の時間をとっくに回ってるのに、わいわいしゃべって6時頃、店を出る。 外はぼちぼち明るくなってきてるなか、無事に帰宅。 濃ゆい、一日だったわ。ぐったりってかんじ。
| 2001年11月09日(金) |
「夜曲」稽古 タックスノット |
「夜曲」の稽古。 自転車に乗って、稽古場に行きたいんだけど、今日は雨降り。 今日は、初めて、バスと電車を乗り継いでいく。 自転車で通った道が駅から稽古場までの道が、歩くとけっこうあって驚く。 今日の稽古から、演出助手の服部優希ちゃんが参加してくれてる。 群馬県の奥の方でやってた野外劇の演出助手の仕事が終わったそう。お疲れさまでした。 丁田くんの指導でストレッチをやったあと、今日は、オープニングから、どんどん芝居をつくっていってもらう。 部屋に一人で帰ってきた丁田くんに、桜澤さんがからむんだけど、まず最初に丁田くんの芝居をつくってもらうことにする。 桜澤さんがいなくてもだいじょぶなように。 動線を決めてもらって、そこにからんでいってもらうことにする。 台本を読んだだけではわからない、決定的な「動き」を、具体的に決めて、その段取りも確認していく。 ほんとに、「この場面はどうなってるの?」ってよくわからないまんまのこの間の読み合わせとは全然違う、しっかりした芝居になった。 二人ともさすがに経験豊富なので、僕の細かいダメ出しにちゃんとついてきてくれる。 実は、僕は明確な演出プランをもって、この場面にのぞんだわけではなくって、一緒につくってった。 ので、とっても思いがけないものがたくさん生まれてきて、それがとってもうれしかった。 そして、楽しかった。 この調子で最後まで行けたら、なんて素敵なんだろう。
帰りに、チラシのデザイナーの方からの差し入れのプリン(手作り)と優希ちゃんのおみやげのお菓子を、稽古場の外でいただく。 雨はまだ降ってる。 こないだの「つぼ八」でまた軽く飲み。 おうちが遠い優希ちゃんはさくっと帰って、シアターΧの森下ちゃんがやってくる。 こないだ、丁田くんは電車がなくなって、最後タクったそうなので、今日は早めに切り上げる。
僕は、その後、久し振りのタックスノットへ。 ウスイさん、セツオ、アナグマックス、有吉さん、そして、ロンドンから帰ってきたマサルと会う。 終電で帰るつもりが、大いに盛り上がり、途中で、こないだ会ったばかりの西野さんもやってきて、2時半頃まですっかり長居をする。 ウスイさんに、うちまで送ってもらった。マサルも途中まで一緒。 いやあ、今日は、たくさん、しゃべったなあ。稽古場でも、お店でも。
| 2001年11月08日(木) |
「エレクトラ」稽古 トムヤムクン |
フライングステージの稽古。 今日も稽古場へ自転車で行ってみる。 火曜日に乗ったときに、折り畳もうとしたら、つなぎの部分がこわれて、ネジやらスプリングやらが飛んでって、パニクった。買ったばかりで、もうこわれちゃうの!!? 30分ほどかけて、ようやく復旧。 おかげでちょっと「身近」になりました。 今日は、そんなこともなく、「畳んだまま」下におろして、道路で組み立て。 快調に稽古場に向かう。 今日の稽古は、新人三人衆と、僕とまみーとのぐ。 基礎トレの後、まみーの具合が悪くなって、見学。ていうか、廊下で休んでた。 人数が少ないのをいいことに(?)、ノグとキッちゃんの組の「稽古」をきっちりしてしまった。 場面は53場のほぼ全部。最初のクリュタイムネストラの長ゼリフの終わりから、最後の「祈りの言葉」の前まで。 途中で、細川くん&フッチー組にチェンジと思ったんだけど、けっこう時間がかかって、結局丸々一時間ほどをかけて、ああでもないこうでもないと作り上げてしまった。 ノグがセリフを覚えてきて、クリュタイムネストラ。キッちゃんがエレクトラ。 ノグのセリフが相手にかかっていかないとか、キッちゃんがずっと同じテンポで歩いてしまうとか、そういう細かいところを丁寧に確認していってもらって、対立して言い合い→後悔から和解→また対立して言い合う、っていう、流れを作っていった。 どういう場面だかわかったでしょ? どうしゃべるとかそういうことを積み上げていくと、ある流れができてくる。 逆に、流れをつくろうと思ったら、細かい一つ一つをちゃんと積み上げていかないといけない。 今日、ずっと見学だった細川くん&フッチー組には、同じことを土曜日にやってもらおうと思う。どんな場面になるか、楽しみだ。
帰りも一人自転車で。 てきぱきと畳んで、部屋へ。 こないだ安かったので、買っておいた「エビ」で、トムヤムクンをつくる。 すっごい前に買ったまんま放置してた「オムヤムクン」のキットをようやく使う。 たくさんスパイスが入ってて、それを一緒に入ってた布袋に入れて、煮出す。 いろんなペーストを入れて、最後にエビを「殻ごと」入れて、火が通ったら、少し牛乳を入れて完成(レシピどおり)。 辛さよりもさわやかな酸味が強くて、なかなかおいしかった。でも、やっぱり強烈に辛くて、辛いものに強い高市氏も「さすがの私も辛い」と言っていた。 海老以外に具が入ってないので(「シメジ」とか書いてあったけど、省略)、「逃げ場」がなく、ひたすら、辛い。 そこで、思いついて、冷蔵庫から、買い置きしてある「絹ごし豆腐」と一緒に食べてみることにした。 つまり「トムヤムクン&冷や奴」。 これは、なかなか正解でした。 一緒に煮てしまわないで、冷たいまんまの方がいいと思うな。 って、かなり、ヤクザなレシピですね。はい。
| 2001年11月07日(水) |
録音 READING SESSION「桜の園」 朝までコース |
声のお仕事でお世話になる「Lavi Soft」さんへ、WEB上で公開する「コメント」の録音に行く。 すっかり遅刻してしまったので、ごめんなさいのおみやげに「茂助」の団子を池袋の東武で買っていく。 「茂助」は、築地の場内にある団子屋さんで、大昔に河岸でバイトをしてた時いらいのひいきだ。築地は遠いけど、デパートの中ではここでだけ売ってるので、時々、買ってくる。 録音は、2つのうちの1つが、あっという間に終了。もう1つは、僕の自己紹介なんだけど、もう一度、原稿を考え直して、来週にリベンジということにしてもらう。
その後、友だちのオカダさんと、サントリーホールの小ホールで「桜の園」のリーディングに。 企画自体は何となく知ってたんだけど、どうしようかなと思ってたのを、さそわれて、慌ててチケットをとった。 ほんと、行ってよかった。見て(聞いて)よかった。とってもいい舞台だった。
READING SESSION「桜の園」 サントリーホール・小ホール
作 :チェーホフ 訳 :神西 清 潤色:堀越 真 演出:金子こうじろう
配役 ラネーフスカヤ:山田五十鈴 アーニャ :田中美里 ワーリャ :島田歌穂 ガーエフ :三橋達也 ロパーヒン :市村正親 トロフィーモフ:高嶋政伸 ピーシチク :桜井大造 シャルロッタ :火田詮子 エピホードフ :稲垣雅之 ヤーシャ :尾崎右宗 ドゥニャーシャ:鳥居かほり 浮浪者 :神戸 浩 フィールス :内山恵司 語り :丹阿弥谷津子
原作の四幕の戯曲を1,2幕と3,4幕をくっつけて、全2幕の上演。 舞台は、客席に大きく張りだしたT字型。 手前から奥に向かって、三段の段が組んである。 一番上に、布張りの豪華な椅子が2つ。その左右に木の素朴な椅子が3つずつ。 一段降りたところに同じ木の椅子が2つ。もう一つ下にまた2つ。 音楽とともに暗転すると、オープニングに丹阿弥の語りが入る。 「今、私の庭にある桜の木は、あの桜の園にあった桜ではありません」 っていうような。 このホールの背景になってる、木の壁に桜のシルエットが浮かぶ。 聞きながら、僕は、「これはラネーフスカヤの回想なのね……」と思ってたんだけど、途中で年老いたワーリャの回想なんだってことがわかる。 これはとっても「やられた!」ってかんじだった。 「桜の園」っていう芝居全体が、ワーリャの回想の劇として再構成されてる。 語りが続く中、登場人物が順に登場してきて、椅子に座る。 一番上の豪華な椅子には、ラネーフスカヤとガーエフ。その下手側にアーニャとドゥニャーシャとヤーシャ。上手側に、ワーリャとシャルロッタとエピホードフ。 真ん中の段に、ピーシチクとフィールス。一番下に、ロパーヒンとトロフィーモフ。 これは、「階級の順」なんだね。上から順に。後から気が付いたんだけど。 ゆっくりすわった全員がシルエットで浮かび上がると、何だか、もうすごい迫力だった。 陰の語りの途中で、今、舞台にいるワーリャ、島田歌穂が語りを引き継いで終える。 一度暗転して、本編が始まる。 うまくできたオープニングだった。 本編ね、一言で言えば、「キャスティングの勝利」ってところかもしれない。 だって、こんなに見事なイメージキャストってちょっとないと思う。 みんながみんな「ぴったり」だった。 今回の企画は、リーディングをずっとやってた高島政伸が、山田五十鈴と市村正親の舞台を見てたら、二人のトークで「いつか『桜の園』がやってみたい」っていう話が出たんで、そのまんま楽屋に行って、「僕が企画しますので是非!」って言って、実現したんだそう。 すごいよね。 見直しちゃったよ、高島おとうと!! よくこれだけのキャストを集めたってかんじ。 山田五十鈴のラネーフスカヤは、往年の東山千栄子(小津の「東京物語」のおばあちゃん。俳優座に所属して、ずっとこの役をやってた)はこんなだったんだろうなって思わせる、おっとりした、「女王」のようなラネーフスカヤだった。 たとえばね、原作の二幕のピクニックの場面で、浮浪者がやってきて「おめぐみを!」って言うんだけど、いつものラネーフスカヤは、浮浪者におびえて、「銀貨がないわ。じゃあこれ」って金貨をあげてしまう。桜の園が競売にかけられるっていうくらい、お金に困ってる人なのにね。 山田五十鈴のラネーフスカヤは、ちっとも動じないんだ。浮浪者にね。 神戸浩さんの浮浪者は、とっても「異質」で、この人だけ、座ってないで、この場面で初めて客席のドアから登場する。 だけど、芝居をちゃんとするわけじゃない。 リーディングだから、本を持って、客席に向かって「おめぐみを!」って言うんだ。 すっごい迫力があるから、みんな「キャー」とか言ってるんだけど(ほんと)、山田五十鈴はちっとも動じない。 で、段の一番上で、「銀貨がないわ。じゃあこれ」って金貨を投げてしまう。 その同時なさとおうようなかんじが、すごくてね。 すぐ後で、みんなに怒られるんだけど、これまたちっとも動じないで「ロパーヒンさん、後で貸してくださいね」なんて言う。 この場面で、僕は、全然OKになってしまった。 山田五十鈴は、歩くのも大変そうで、声も終盤になると、ちょっとかすれ気味になるんだけど、とにかくずっとマイクなしでしゃべってた。 いつもはだいたい日本髪のかつらのイメージなんだけど、今日は、金髪を結い上げてて、それもまた見れてよかった。 この頃は喜劇として取り上げられる「桜の園」なんだけど、これは、ほんとにオーソドックスな、どちらかと言えば「古くさい」演出がされてる舞台なんだけど、山田五十鈴っていう人をラネーフスカヤにしたことで、それが「失われていってしまう、なつかしいもの」のお話にちゃんとなってた。 他の役者もみんなよかった。 まず、市村正親のロパーヒンは、「たたき上げ」なかんじがちゃんとしてるのがいい。 もういい年なのに、劇中の「農奴のせがれで、子供の頃は棒きれでおやじになぐられてた」っていうセリフがあると、小さな子供の面影がちゃんと蘇ってくる。 これはすごいと思った。 前に「ラブレターズ」っていう朗読のお芝居のこの人を見てるんだけど、それは何だかお行儀が悪くてね、もっとちゃんとやって!ってかんじだったんだけど、このロパーヒンはほんとよかった。 山田五十鈴とのコンビっていうのもよかったんだと思うけど。 ワーリャの島田歌穂は、手堅い芝居をきっちりしてるし、アーニャの田中美里は初初しい。来年の一月には新国立で「かもめ」のニーナをやるんだってね。 高島政伸のトロフィーモフは、万年大学生の理屈ばっかりなところが、キャラクターにぴったりだった。 フィールスの内山恵司さんは、見事なフィールスだったな。神西清の訳なので、うちの「オープニング・ナイト」で登場するセリフがまんまラストのセリフなんだよね。どきどきした。 ヤーシャの尾崎くんは、とってもかわいくってね。昔の織田裕二みたいなの! フランス帰りの気取り屋のヤーシャがとってもいい出来だった。 彼がいつも座ってるのが、僕のちょうど正面で、かなり「堪能」しました(笑)。 休憩の挨拶を尾崎くんがして、ここから、ピアノとバイオリンとチェロの楽団が入ってきて、演奏を始める。 2幕が始まると、この人達は、舞踏会に呼ばれてきた「ユダヤ人の楽団」ってことになって、舞踏会の場面の音楽をずっと演奏する。 サントリーホールっていうのは、もともと音楽のホールだから、この演出も心憎かったね。 2幕の頭にもワーリャの語りがあって、「競売の当日に舞踏会をやると言って、お母様はきかなかった」って言うんだけど、これは、原作の戯曲にちゃんと書かれてないんだけど、とっても大事なことなんだよね。うまい脚色だと思った、ほんと。 競売から帰ってきたロパーヒンが「桜の園は俺が買った」っていうところは、やっぱりよかったな。市村さんは、リーディングなのに、ほとんど芝居だった。 僕は、この辺で泣けてきてしまってね。 今まで「桜の園」っていう芝居は何本も見てるんだけど、泣いたのは初めて。 最後、みんなが出ていった後(みんなが椅子から立って、客席に背中を向ける)、フィールスが一人残って、セリフを言って、本編は終わり。 ワーリャがこちらに向き直って、最後の語りをして、暗転。 おしまい。
拍手とともに、舞台が明るくなるとみんなこっちを向いていて、カーテンコール。 最後に、みんな引っ込んでいくんだけど、拍手は止まなくてね。 山田五十鈴はほんとに歩くのも大変そうで、市村さんと高島弟に手を引かれてるんだけど、もう一度戻ってきた。 客席の何人かは立ち上がって拍手してて、僕も立ち上がったんでした。 なんだか、ほんと、いいものを見たって気持ちです。 話はちょっと変わるんですが、僕はデビュー前の高島弟の舞台を見たことがあって、その舞台(別役実の「雰囲気のある死体」)で、彼は包帯でぐるぐる巻きにされてる病院の患者の役をやってました(セリフはなくて、ただ、うなってるだけ)。 今日の舞台で、エピホードフをやってたのは、その劇団にいた稲垣さん。 あれから、十何年って経ってるのに、まだこうやって一緒にやってるんだっていうのが、何だかうれしくって、やっぱり「いいやつ」なんだなあと思いました。 客席には、お母さんの寿美花代さんがいらしてて、さすが「芸能一家」ってかんじ。 あと、犬のぬいぐるみを抱いた星由里子さんも。山田五十鈴はぬいぐるみ大好きだそうなので、「ぬいぐるみ友だち」か?ってかんじ。
終演後、オカダさんと新宿に出て、ご飯、そして、アイランド→ココロカフェで「朝までコース」になっちゃいました。 おもしろい芝居を見て、芝居の話をたくさんして、とってもいい夜でした。 アイランドでは、西野浩司さんと会って、パレードの話をたくさんして、それもうれしかったな。
| 2001年11月06日(火) |
「淀川長治物語」 明和電機@「おしゃれ工房」 |
今日はテレビの話を……
夕べの夜中ていうか朝方、「淀川長治物語」っていうのを、全部見ちゃいました。 監督は、大林宣彦。 もともとはテレビだったそうなんだけど、これは、映画として、カットしてた場面も復活させたものだそう。 神戸の芸者置屋に生まれた淀川長治少年が神戸を出て行くまでのお話。 活動写真の映画館の場面がいっぱい出てきてね、なかなかおもしろかった。 長治少年を演じる子役がとってもよくって、しかもかわいいんだ。仲良しの貧乏な子と一緒に神戸の丘から町を見下ろしている時の絵は、まるで「きいちのぬりえ」みたいだった。 って、あんまり的確な譬えじゃないけど、映像は、さすがに大林監督、どこもとってもきれいだった。 長治少年の家族が映画を見てて、その映画は、彼の生い立ちを語ってるもの。しかも弁士は長治自身っていう趣向がとってもうまくいってる。 父親の柄本明、母親の秋吉久美子、それに祖母役で白石加代子が出てるのが豪華!! 長治少年はとってもおばあちゃん子なんだけど、そりゃそうでしょってかんじのおばあちゃんだったね。 柄本明の病気がちな本妻が根岸季衣で、長治少年の足をつかんで死ぬっていう場面もすごかった。 脚本は、大林宣彦と市川森一。大林さんは、編集もやってて、さすがの切れ味だ。 無声映画のコマ落としみたいに、微妙に食い気味に次の場面に移っていく。その「カタカタ」したかんじが、とってもいい。 ラスト、神戸を出ていく汽車におばあちゃんの目を盗んで乗り込む長治少年が、実際の駅から映画館に移動していて、彼はスクリーンに映った映画の中の汽車に乗り込んでいくあたり、まるでウッディ・アレンの「カイロの紫のバラ」なんだけど、それも見事だった。 追いかけてきた白石さんは、呆然とスクリーンの横に立ってて、その「映画」を見てた長治少年の家族は、映画が終わって、一人一人帰っていく。 で、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」って言っておしまい。 劇中の「さよならの数だけ出会いがあるんだ」っていうセリフもよかったな。 大林宣彦監督は、最近はそうでもないんだけど、昔はとっても好きだっ。 「時をかける少女」とかね。 僕が初めて自分のお小遣いで見た映画っていうのは、実は大林監督の劇場デビュー作「ハウス」っていう、なんだかすごいホラー映画。でも、好きなんだよね。 あと、テレビでやった「怪猫伝説」とかいう入江たか子(往年の化け猫女優さん)が出てくるドラマもおもしろかったな。それから、タイトル忘れたけど、すっごいきれいな女の子が次々人を殺していくやつ。赤座美代子の頭に花瓶が落ちてきて、花瓶をかぶったままくるくるまわって死ぬやつとか……。って、誰もわかんないよね。ビデオにはなってると思うけど。 で、もうひとつ。 今日の夜、何となくテレビを見てたら、教育テレビのおしゃれ工房に「明和電機」が出てた。 例の指パッチンをすると背中の(正確には、背中に背負った羽の先にある)木魚が鳴る「パチモク」を背負った土佐信道さんが、司会(?)の堀ちえみとしゃべってる。 「パッチーナ」っていう、「指パッチンだけで音が鳴る」モノを作るらしい。 プラスチックの板を2枚(?)つなげて、ワッカをつけて指にはめて、指をパッチンってやると(ていう、指を折ると)「パッチン」っていう可愛い音がする。 小さな女の子が髪をとめる「ぱっちんどめ」。あれに限りなく近い。 プラスチックの板には、カラフルな絵が書いてあって、たしかに「アクセサリー」なかんじ。 ワッカもほとんど指輪ノリだもんね。 安藤広重の東海道五十三次の絵なんかのシリーズもあって、それはアクセサリーじゃないだろう!ってかんじ。 番組後半は、サバオや、合唱団が登場して、ライブ。 女子アナに「たくさん着替えますね」って突っ込まれてたけど、そのくらい、エンターテインメントしちゃってる。 この「おしゃれ工房」って、編み物の広瀬光治先生やら、辻村ジュサブロウさんやら、やたらと「濃ゆい」人が登場する、なかなかあなどれない番組だ。 広瀬先生は、カラオケボックスで「柳ヶ瀬ブルース(by美川憲一)」歌ってるしね。
って、今日は、稽古も芝居もなかったんだけど、つい書いてしまいました 。 ほんとは、新国立の「コペンハーゲン」を見に行くはずが、挫折。来週はかならず!!
| 2001年11月05日(月) |
「夜曲」稽古初日 自転車 |
11月30日初日の「夜曲」の稽古初日。 「夜曲」というのは、僕が所属する劇作家の集団「作劇舎」のメンバー山崎哲史くんの戯曲。大がかりじゃなくてもいいから、自分のかいたものをさくっと上演できるといいねという話をしていたところ、7月にフライングステージが稽古場発表会をやった、新宿の鍋茶屋コンフォール劇場が、規模的にぴったりということで、話がどんどん決まった。 で、「いいから、やっちゃいなよ。やりたいと思ったことはやらなきゃだめ!」とあおった僕が、演出を引き受けることになった。 男と女の二人芝居で、出演は、桜澤凛さんと丁田政二郎くん。 桜澤さんは、僕の円の養成所時代の同期で、作劇舎の例会で「読み手」として協力をしてもらっているという縁からの出演。今彼女は、声優の仕事をしている女優さん。 いつかいっしょに芝居をしたいと思ってて、「ひまわり」が今のような形になる前、「普通のホームドラマ」として構想してたときに、「寅さんのパロディをやるんだけど、僕の母親役をやってくれないかな」と話をしたことがあった。たしか「陽気な幽霊」の再々演の芸術劇場小ホールだったと思うけど。 「ひまわり」はご存じの通り、あんなふうに芝居の構造が変わってしまったので、その話は「なんとなく」流れてしまっていた。 今回、ようやく一緒に芝居ができることになった。もっとも、僕は演出のみなんだけど。 丁田くんは、僕が昔通ってた朗読のワークショップ「舌体舎」からの知り合い。「舌体舎」は演出家の川和孝さんの主催する会で、出来たばかりの両国のシアターΧで何度かワークショップ公演を行ったりしてる。 僕が、参加したのは、ちょうど今から十年前で、僕は芝居をやめてた頃だった。友だち(やっぱり円の養成所の同期)が一人で行くのは何だからと僕を誘って、僕は、「どうせやるなら、ゲイだってカミングアウトして、芝居をしよう。そうじゃないと、もう一度やる意味がないから」、そう思って、また芝居を始めたんだった。 舌体舎では、新しく参加したメンバーに「私の俳優としての適性について」という作文を書かせて、それをみんなの前で「朗読」させるというのが、しきたりだった。 僕は、自分がゲイだとカミングアウトして、「僕は、自分じゃない何かにはなりたくない。僕はどこまでも自分でいたい。それが僕にとって俳優になるということだ」と書いた、今思うと恥ずかしいような作文を読んだ。 それを聞いたみんなは、川和さんを含めて、僕を受け容れてくれた。 フライングステージはその直後に始まってる。 あの「決意表明」がなかったら、今の僕はきっといなかったと思う。 その「舌体舎」のメンバーだったのが丁田くんだ。 彼は、テアトルエコーの養成所の研究生だった。卒業後、声優の勉強をしていて、今はプロダクションに所属している。 NHKの「大人の試験」という短い番組で声優の大塚明夫さんと一緒にアテレコの勉強をしているのが、彼だ。 この間まで、中村玉緒さんの舞台に出演して、明治座から、スタートして日本全国を回っていた。 稽古は、今日がはじめてなんだけど、1ヶ月ほど前に、一度だけ読み合わせをした。 1ヶ月のブランクは、丁田くんの度公演のスケジュールのせいだったんだけど、上演時間も短い二人芝居なので、まあ、のんきにやっていこうと思ってた。 セリフも覚えて来なくていいからと言って……。まあ、それには別の目論見もあったんだけどね。
稽古場は沼袋なんだけど、高円寺の事務所からは、とっても曖昧な遠さ。 どのルートをたどっても電車とバスを乗り継ぐか、新宿経由で延々と電車に乗るかっていう、めんどくささ。 自転車があったらなあ……と思ってたんだけど、なかなかコレというのがなくて。 ところが、今日、たまたま、ずっとほしいと思ってた「折り畳み自転車」がセールになってるのを発見。半額以下というのに惹かれて、衝動買いしちゃいました。稽古場に行く途中の駅前で。 もう暗くなってたので、あわててライトも買って、電池はついてないとのことで乾電池も買って、いざ出発。 こぎ出してから気が付いたのは、自転車に乗るのが、エライ久し振りだってこと。 葛飾にいた頃は、がんがん乗ってたんだけど、越ヶ谷に行ってからは、駅まで徒歩15分だったのに「雨の日がめんどくさい」と徒歩通勤。以来、全然乗ってない。 自転車って、いろんなことを同時にしなくちゃいけないのねと気が付く。 ペダルを漕ぎながら、前を見なきゃ行けないし、どっちに行くのか決めなきゃならないし(道がよくわかってなかったので)。 暗がりで、久し振りの自転車乗りは、正直とってもこわかったです。 だって、人はどいてくれないし、向こうから走ってくる自転車はみんな無灯火だし。 それから、驚いたのは、坂がすごく多いこと。 特に沼袋の駅から新青梅街道までの道は、いつもバスで通ってたのに、あんなに急な坂道だとは気が付かなかった。 こないだ、上野から新宿まで歩いたと時とは違って、「坂=疲れる」があからさま。 六段変速のギアもまだうまく切り替えられなくてね(笑)。 でも、折り畳みの自転車の小さい車輪の割には、とっても快適。 稽古場まで20分ほどでたどり着きました。
で、稽古。 今日、作者の山崎くんは、バイトで遅くなるので、桜澤さんと丁田くん、それに舞台進行の上村くんの4人。上村くんは、山崎くんと同じ「作劇舎」のメンバー。 最初に、ストレッチ。 フライングステージと同じで、日替わりで誰か一人にリードしてもらうようにする。 今日は、桜澤さん。 彼女はずっとバレエをやってたので、体の線がどこか「バレエ」してる。 丁田くんは、ストレッチでアキレス腱を伸ばしたりしてると、ものすごく腰が決まってる。 「何か武道ってやってた?」と聞いたら、ずっと柔道をやってて、2年前から空手を始めたんだって!! しかも「極真」!! 決まるわけだわ。 続いて、これもまたフライングステージでやる、拍手を回すゲーム。それから、しりとり。 こないだ桜澤さんがフライングステージの稽古場にきて、しりとりのできなさに落ち込んでたけど、「今日は負けないわよ」って顔してたね。 ともあれ、4人のしりとりは忙しい。やっぱり、みんな慣れてないもんだから、すぐにつまってしまう。不思議なモノで、慣れてるはずの僕までもが、いつもとは勝手が違う。チームってそういうもんなんだよね。 それから、マッサージ。二人組になって、おしゃべりしながら。丁田くんと桜澤さん。僕と上村くん。 上村くんと、こんなにしゃべるのは初めてだったかもしれない。しかもマッサージ付きでね。 次には、「粘土」のエチュード。 相手を、ある形につくりあげていく。粘土役は、自分から動いちゃいけない。「喜び」と 「驚き」をそれぞれつくる。 で、今度は、こないだフライングステージでやった(って、そればっかりだけど、いいの。確信犯だから)いったん寝転がった粘土を立ち上げるっていうやつ。 これは、時間がかかることが予想できたので、僕と上村くんはおやすみ、て言うか、実況中継。丁田くんと桜澤さんが交替でやってみた。 さすがに最初の稽古、なかなかうまくいかない。自分ではできることが、なんで相手にはさせられないんだろう?って二人とも、かなり悪戦苦闘してた。でも、最後にはできたんだけどね。 それから、また別のゲームをやろうとしたんだけど、4人ではできないことが、初めてみてから判明。しかたないので……というようなかんじで、台本にとりかかる。 まず、一度通して読んでもらう。何も言わずに。 で、その後、10行ほどのセリフをその場で覚えてもらって、二人で言い合うっていうのをやる。 僕と上村くんもついでに、覚える。この頃、山崎くんが登場。 で、発表してもらう。男と女が言い合う場面。さて、どっちが勝つか? 最初、言葉が全然相手にかかっていかない。 それをだんだん相手にかけていってもらうように、あれこれいろいろやってみる。 一番大事なのは、自分が勝とうと思ったら、相手に勝たせないといけないということ。 その兼ね合いの難しさと面白さだ。 テンポは変えないで、相手のセリフのオシリを必ず食っていってもらう。 二人とも、経験は豊富なので、僕の言ったことは、ちゃんと自分なりに解釈して、すぐにやってみせてくれる。 今日の稽古は、相手と芝居するってことの練習だ。 一人でやるんじゃなくてね。 次回の稽古のために「覚えておいて」という宿題をたくさん出して、今日はここまで。
外に出ると「大雨」!! どうしようかと思ったんだけど、自転車を押して、みんなで駅前の「つぼ八」にながれる。 芝居の話をいっぱいして、外に出ると、雨が止んでる。と思いきや、ちょっと小降りになっただけでした。 駅でみんなと別れて、傘をさして、自転車に乗ると……、ライトが点かない! さっきスイッチを入れたまんまにしてたんでした。 仕方ないと走り出すと、雨はどんどん降ってきて、びしょぬれになりながらの自転車漕ぎ。 もうコワイものないです。 坂とか、そんなのなんでもない。自転車通勤はすっごい快適なはず。雨が降らなきゃね。 高円寺に着いて、いざ、折り畳んでみる。が、なかなかうまくいかない。 結局、「そのまんま」でエレベーターに載せて部屋まで連れて行き、部屋で畳む。 今、自転車は、この部屋で畳まれてる。 だけど、眠ってる枕元に自転車のタイヤがあるっていうのは、どんなもんだろう。 ちょっと考えないとなあ。
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