せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2001年11月04日(日) |
HPの引っ越し J.28 Theater「ショーボーイ・エジンバラ」 |
夜中から、急に思い立って、HPの引っ越しをする。 いつでもできたんだけど、ふとやってみたくなって、さくさくと。 新しいURLは、http://www.flyingstage.com/ ちょっとかっこいいよね。 さっそく、BBSにいっこうちゃんから「フライングステージどっと混む。かっこいいわあ。千客万来ってかんじね」というお祝いのカキコをいただく。 そんなこんなで寝たのは朝方。起きたのは昼過ぎでした。
で、夕方からは、フッチーが一年ほど前からワークショップに行っている神ひろしさんのスタジオの公演。 会場は、新宿のティップネスの前から線路沿いに歩いていったビルの地下。 50人も入ればいっぱいのスタジオの、最前列のど真ん中に席を用意していただいて、まみーと二人で見せてもらった。 神ひろしさんは、今年の夏の英国演劇祭エジンバラ・フェスティバルで、カンパニーEASTの『王女メディア」とJ-Boysの「Gay Samurai Revue」を上演してきたそうで、今回はその「帰国報告ライブ」。 「王女メディア」が初日直後に地元の新聞で5つ星の評価を受けたのに対して、「Gay Samurai Revue」は酷評されたそう。今回のライブは、それでも、現地で作り直し、最後には大評判になるまでのお話を、エジンバラでの気持ちをつづった日記と、「王女メディア」「Gay Samurai Revue」の場面の抜粋で構成したもの。休憩なし2時間のとっても濃密なショー。 僕は、神さんのことをずっと昔から知ってはいたのだけれど、実際にお会いするのは、はじめて。 正確には、今から10年ほど前に「パラダイスハウス」というHIVのお芝居を見たときに、神さんが出演してました。 その芝居は当時、三枝嬢が所属していた事務所が制作にかんでいて、僕は、「ゲイの芝居」だったもんで、すっごい楽しみに見に行ったんでした。場所は、神田のパンセホール。終演後、作者のアレクサンダー・マーチンというお兄さんと少しだけ話したりして……。その彼も、先年、エイズでなくなったそうです。 さて、今回、僕は、初めて、神さんのダンスを見て、何て熱い人なんだろうと思いました。 登場するダンサーたちは、神さんを含めて、みんなとっても体温の高い人たちばかりで、劇中で神さんが自分の日記のなかの「僕は自分のカラダだけが頼り」という言葉に、とても納得させられました。 「カラダだけが頼り」 僕も昔はそんなことを思ってたよなと、懐かしく思い出しました。そう思わなくなったのは、いつからなんだろう。 ていうか、そう思わなくなっている自分に気が付いたといった方が正確かもしれない。 「Gay Samurai Revue」では、ダンサーの男子の鍛え上げられた肉体にドキドキし、「王女メディア」では、悩み吠え、怒り狂い、踊る登場人物たちに圧倒されました。 エジンバラで30日間、毎日毎日上演して練り上げられたその存在感。というか、それは「観客の前で」演じるという経験が積み重なった結果、鍛え上げられたたたずまいなのだと思います。 きれいにソフィスティケートされたものとはちょっと違う、ある種の荒々しさと、たくましさ。 僕が感じたのはそんなものでした。 終演後、神さんと握手して、ご挨拶をして、「神ひろしのスピリチュアルダンス」という本をいただいて帰ってきました。 来年の2月には、オーストラリアのアデレードのフェスティバルに同じ演目で参加するそうです。 フッチーも、メンバーとして参加するとのこと。どうぞよろしくお願いいたしますです。 ともあれ、知ってはいたけど知り合ってはいなかった先輩とようやく会えて、僕は、とても嬉しかったんでした。
| 2001年11月03日(土) |
「アリーmyラブ4」 Peace Maker「PRIVATE OPINION」 |
録画してた「アリーmyラブ4」を見る。 今度のシリーズは、アリーの独白(ナレーション)が多いみたいだ。 それから、レネの歌もね。 お話は、年上のおじさまとデートをしてるアリーなんだけど、そういう時に限って、若いイカす男子との出会いが多いのは何でよ?という「揺れる女心」モノ。 おじさまとデートするレストランで出会った若い男子と、別の日に道でまたばったり会って、「僕って運命を信じるほうなんで……」と誘われて、絶対に「それだけは許さない」ハズだった「二股をかける」ことに。 オフィスで二人の男がニアミスしてしまいそうになるのを必死で阻止したのに、その日の夜、家族に紹介するというおじさまが連れて来たのは、例の若い男子だった……というお話。 って、本筋はまあいいとして、おもしろかったのは、別なところ。 こないだも書いたFTMの女子シンディがアリーの事務所のマークっていう男子とつき合ってるって話。 今回ついにシンディは、自分が「男子」だってことをマークに告白する。 それも「話す」んじゃなくて、「抱きしめて」「もっと強く」って言って。イカすよね。 「あらら、これでおしまいになっちゃうの?」って、僕は思ったし、シンディもそう思ったんだけど(きっと)、そうじゃなかったの。 シンディの部屋をためらいがちに訪ねたマークが言うんだよね。「僕には君が女だとしか思えない。今まで通りつき合おう」って。 もう、やるじゃん!!ってかんじ。 このマークっていうお兄さん、このドラマの中では僕的に一番イケてない人だったんだけど、もうびっくり。 これから、どう展開していくのか、楽しみだわ。
昼間、友達の小野坂くんが出演してる「Office Peace Maker」の芝居を見に、小金井へ。 東小金井の駅から10分くらい歩いたとこにある「現代座」という劇団のアトリエが会場。 「PRIVATE OPINION」というお芝居。 往年の超人気ロックバンド"Rumble Fish"。解散して今はそれぞれが別の生活を送っている。そんなある日、再結成の話が持ち上がり、彼らは、アメリカツアーへ出発する。 っていうお話。 以前のHPの日記コーナーでは、「感激」した芝居についてだけ、書いてたんですが、この形にリニューアルしてからは、「何でも書く」ことにしました。 ので、書いてしまいます。 このお芝居、僕は、とってもつらかったです。 舞台上で生演奏されるロックバンドのテクニックがどうという問題じゃなくてね。 どこにも生身の人間がいない気がして。 まるでアニメの登場人物みたいな気がしてしかたがなくて。 すべることが前提のようなギャグも、登場人物全員がカタカナの名前だってことも(ロイドとかジャックとかアレンとか。たぶん舞台は日本なんだと思うけども。それとも架空のどこか?)、一世を風靡したロックバンドのメンバーだったってことを納得させてくれるものが全くないこととか(演奏の腕じゃくてね)。 芝居はウソで全然いいんだけど、そのウソをちゃんと信じさせてくれないと。 見ながら、とってもつらくって、そのツラサの理由をずっと考えてたんだけど、一番の理由はこれなんだと思う。 彼らがOKだと思ってることが、僕には全然OKじゃないってことについてのショック。 芝居として観客の前に立つってときに、何がよくて、何がダメなのかってことについての基準みたいなものが、全然違うんだってことに気が付いてしまって。 「映画のような芝居」をしたい人たちのようなんですが、僕は「アニメ」みたいだと思っちゃいました。 この頃、若い人の劇団を見て時々思うんだけど、芝居をやりたい!って気持ちのもとがアニメだったりすると(特に作者)、登場する人物が「それはアニメでしか成り立たないでしょ」としか思えないときがある。 やってみるのは別にかまわない。 でも、アニメが成り立ってるのは、声優さんがちゃんとしたテクニックを持ってるからで、どんな他愛のないセリフだって、それなりにおもしろくしてしまえる。 だから、そんな腕がない人たちが、しかも舞台で生身のカラダでやったりすれば、成り立つはずがないんだと思う。 でも、今の芝居ってそれでもOKなのかもしれないね。 事実、配られたアンケートにお客さんはていねいに書き込んでたし。 でも、僕はだめだったな。 開演が10分押したのはまあいいんだけども、その開演直前に僕の前に座ってた女のお客さんがトイレに行ってしまって、「あ、この人が帰ってきたら開演ね」と思ってたら、その前に始まってしまった。そして、彼女は、芝居が始まる前の暗転中にドアを開けて入ってきた。 開演前にトイレぐらいチェックしようよ。開演中はドアの前に誰か立って、暗転中はドアが開かないようにしようよ。もしくは、ドアがあいてもだいじょぶなように、幕をつっておくとかね。 きっと、旗揚げ2回目で、舞台っていうものに慣れてないんだと思うけど、そのくらいは常識として知っておいてほしいと思う。 そのへんがちゃんとしてたら、おもしろかったのかな? 人物の名前がちゃんと日本人してたらもっと見れたのかな? こんなに「なぜなんだろう?」って考えながら見てしまった舞台も久し振りでした。そういう意味では、おもしろい舞台だったかな。
夕方からは稽古。 久し振りに大人数が集まって、今日は10人。 仕事でずっと来れなかったキッちゃんも高市氏も登場。 大人数で基礎トレをして、外郎売り、そして「エレクトラ」。 稽古前に、僕はずっと細川くんとセリフをさらってたんだけど、それが結構おもしろくって、あれこれ注文つけたりしながら、いろいろやってみた。 みんなでの稽古は、二人組に分けて、53場の最後近くのクリュタイムネストラとエレクトラの激しいかけ合いの場面をやってみる。 まずは、いつものしりとりのように、相手のセリフのラストを食い気味にテンポよく。自分のセリフは同じテンポで、決して早口にならないこと。 しばらくしてから発表。 相手にちゃんと言葉がかかってるか、というのはもちろんなんだけど、今日は、「相手の言葉に対して言い返す」というのをやってもらう。 どう言うかじゃなくて、相手の言葉に対して、ちゃんと言葉が返っていくように。 台本持ってる組は、なかなか難しそうだった。相手にちゃんと届かないから、返し方もちゃんとしなくて、何だか気持ちが悪い。 覚えてる組はそれぞれ面白かった。 久し振りのキッちゃんの相手は僕。彼はとってもよくやってた。 1チーム2回ずつの1回目、僕は途中で一カ所セリフが出なくなってしまったんだけど、その後のキッちゃんの芝居が急にのびのびしてきた。……いいことですね。 2回目は、「負けるもんか!」って頑張った結果、引き分けくらいになりました。 一歩も引かないその度胸はすばらしいと評判に。 ひと休みして、今度は通してみようかねと思っていたら、何と今日は9時でおしまいだったんっでした。 日曜・祭日は、延長使用ができないっていうのをすっかり忘れていて。ていうか、今日が祝日だっていうのを忘れていて。 あわただしく片づけて帰ることになりました。 稽古場には、来週から稽古が始まる「夜曲」の作者、山崎くんが来てくれてたのに、あんまり話ができなくてごめんなさい。 でも、笑いながら見てたから楽しんでくれてたのかな?
| 2001年10月31日(水) |
稽古 あれから一年…… |
今日の稽古は7人で。 基礎トレから外郎売りをやって、それから、二人組になってもらって、いろいろと。 最初に、マッサージをおしゃべりしながら。 早瀬くん&マミー、ノグ&フッチー、荒くん&細川くんという組み合わせ。 それから、二人組のまんまで「タクシー」を。 新人くんたちには初めてのゲーム。 目を閉じたタクシー役の背中に運転主役は手を当てて、「運転」していく。 目を閉じてるから、運転手の指示だけが頼り。 そのまま、当ててたら、直進。右肩を押さえたら右折、左肩なら左折。両肩を一度に押さえたら停止。 お互いを信頼できるるか?っていうのがポイント。 早瀬組は、まずまずなかんじ。でも、あちこちにぶつかってたね。 ノグ組は、フッチーがまだ「信用しきれてない」かんじ。 荒&細川組は、お互いにおそるおそるなかんじだった。 続いて、今度は「粘土」。 立ってる相手を粘土のように形作っていくというエチュード。 今日は、一度、床に横になって寝てしまったのを、もう一度立ち上がらせるというのをやってみた。 もちろん、粘土役は自分から動いてはいけない。そして、「いやだ」「痛い」「やめて」とだけ言っていいというルール。 ノグ組はフッチーが粘土。じゃあ、始めようかと、ノグがフッチーの左手を動かしたら、一緒に右手も動いてた。だから、動いちゃいけないんだって! そのあとは、まあ順調に。 早瀬組は、早瀬くんが粘土。一度寝てしまったのを立ち上がらせるのは、結構難しい。 問題は重心をどう動かしていくかなんだよね。いつも、自分で何気なくやってることを、きっちり相手に「やらせる」のはなかなか大変だ。 その大変さがピークだったのは、フッチー組。粘土は荒くん。 これはなかなか立ち上がれなかった。 「痛い」って言葉も何度か発せられて……。最後は、みんなで、ああでもないこうでもないと……。 ひと休みして、「エレクトラ」。 「粘土」にたっぷり時間をかけてしまったので、やや大急ぎ。 覚えてもらった53場を通してやってちょうだいと言う。 今日の二人組で、どっちがクリュタイムネストラでどっちがエレクトラをやるかを決めてもらって、一度読んでもらってから、発表。 今日は、細かいことをいろいろ言わずに、「おもしろくやってね」とだけ。 最初は、ノグ組。ノグがクリュタイムネストラでフッチーがエレクトラ。 ノグは、この稽古に参加してまだ3回なんだけど、この場面のセリフを頑張って入れてきた。 かなり曖昧だったんで、結局台本を持ってだったんだけど、よくやったってかんじ。 ただ、言葉がちゃんと相手にとどいていってない。元もとノグは、セリフを引きながら喋るクセがあるんだけど、台本を持っての芝居だとその傾向が強くなる。 本を持ちながらでも、相手にちゃんと話しかけていくことはできるわけなんだけど、それはとっても「テクニック」がいることで、それは、ちゃんと芝居ができるってこととはまた別の力だからね。 だから、今回は、敢えてムリを言って、セリフを覚えてもらったんだ。 フッチーのエレクトラは、なかなかいいかんじ。むちゃくちゃ緊張してるけど、それがいい方向で相手に向き合う力になってってる。 ただ、二人とも、一人でやっちゃってることは間違いない。いっぱいいっぱいで、「どうしゃべるか」ってことで精一杯だ。 どうしゃべろうかなんてことは、相手の言い方によって、全然変わってくるわけだから、そんなことあんまり考えないで、相手のセリフをちゃんと聞いた方がいいはずだ。 続いて、荒&細川組。荒くんのクリュタイムネストラ、細川くんのエレクトラ。 荒くんも久し振りの稽古場。台本は持ったまま。 ただ、ノグよりもちゃんと芝居になってたのは、「どうしゃべるか」ということよりも、相手に向かうこととか、そこにいるってことに集中してたからだと思う。 細川くんも、やや緊張気味。こんなに通してやるのは、初めてだもんね。 稽古前にセリフをさらってるときは、ちゃんと出てくるのに、みんなの前で発表になるとつまってしまうのが、ずっと悔しかったみたいだけど、今日はちゃんと出てきてた。 時間がなくなったので、今日は二組でおしまい。 帰り道は、また芝居の話をずっとしてる新人くんたち。 かわいいねえ。 僕は荒くんと久し振りにおしゃべりだ。 稽古場の人数が奇数だと、何もできなくて欲求不満!という話を聞いてもらう。 荒くんとは、12月1日のぷれいす東京主催の「VOICE」というイベントでまた一緒だ。 去年は二人芝居をやったんだけど、今年はそろって裏方のみ。フライングステージの面々にもまた手伝ってもらうことになりそう。 去年の今頃、僕は「ゴッホからの最後の手紙」の稽古で札幌に行っていて、帰ってきてから、「VOICE」の二人芝居やら、gaku-GAY-kaiの「贋作・黒蜥蜴」の準備やらをしてた。 荒くんも劇団に来たばかりで、僕もまだよそゆきなかんじだった。 あれからもう一年か……と感慨深い。 そして、もう11月。 年末の大忙しモードのはじまりだ。
| 2001年10月27日(土) |
風邪っぴき メール復活! |
起きると身体がダルい。ここ何日か喉が痛かったんだけど、ついに風邪っぴきか?ってかんじ。 だらだら部屋の外に出て、台所に行くと、高市氏が喉にタオルをまいてパソコンに向かっている。 彼も風邪をひいたらしい。 一昨日、まみーがダウンして稽古を休んだんだけど、それが伝染ったのかと思ったんだけど、どうやら同じくらいの時期にそれぞれどっかからもらってきてるらしい。 一息ついて、僕はようやく届いたプロバイダーからの「パスワード」をもとにメールを復活。 88通!なんて件数のメールを読み通すのに一時間ほどかかってしまう。 と、高市氏の母上がご来訪。 高市氏の厄よけのお札を持ってきてくれたそう。 彼は来年が本厄。 四人でしばしおしゃべりする。 こないだウスイさんからいただいたティーポットで初めて紅茶を入れる。 いつもと同じティーバッグなのに、何だかとってもおいしくてびっくり。 芝居のこと、母上がやっているダンスのことなどなど、たくさん話す。 ゆっくり座って、お茶を飲んでおしゃべりというのは、なかなかいいものねと思った。 さっきまでの喉の痛みとだるさも、どこかに行ってしまったようだ。
で、稽古。 今日は、久し振りなめんめんが集まってなかなかにぎやか。 荒くんにまっすーに水月アキラ、それにのぐとはやせくんとまみー、ふっちーに細川くんに僕、計9名。 いつもの基礎トレの後、外郎売りをみんなでやって、それから「エレクトラ」。 今日もクリュタイムネストラのセリフを丁寧に。 「私だって、自分のしたことや自分自身に満足しているわけではありません。どこかで、いつのことだか、私は進むべき道を見失ってしまった。まあ、お前ときたら、そのひどい姿。汚れきって垢だらけ。ああ、何もかもひどいことになってしまった。私は怒りに身を任せすぎたのかもしれない」というセリフ。 ちゃんと話しかける(エレクトラにね)ところ、自分の中を見つめるところ、などなど、前半をまずみんなで「ゲームのように」やった後、後半を2人組のチームに分けて「応用問題」。 10分後に発表してもらう。 「自分が納得いくように」やってもらったんだけど、まだまだちゃんとできてない。 「どんな気持ち」でもいいから、その通りをちゃんと表現できることをお願いした。 まっすーと細川くん、それにのぐの芝居を、細かく見ていく。 ただ読んでしまえばすぐ終わるセリフだけど、その間にどれだけ心が揺れ動いているのかを考えてもらう。 セリフを覚えてしゃべるだけではなくて、そのセリフの裏にある「心の動き」をちゃんと追っていきなさいと話す。 時間がきたので、今日はここまで。 いつもの遊んでしまえる稽古場とはかなり雰囲気がちがうなと、久し振りな面々のまえで改めて思った。 僕は、僕の「方法論」をみんなに伝えようとしてる。 それは、もしかしたら、一人一人が勝手に見つけださなきゃいけないものなのかもしれないんだけど。 ただ、僕は、何だかわからないでやるよりも、こんなことも考えていい、考えたら、それをこうやればできるんだということの面白さをみんなにわかってほしいと思ってる。 最後に、これは僕のやり方だから、あなたはあなたのやりかたを見つけなさいと言ってあげるから(って、責任逃れか?)。 どんなプランでもいいから、それをちゃんと身体で表現できること。 それができなきゃ何にもならない。 逆に言えば、何も考えなくてもかまわないから、出来る身体でいてほしいと思う。 その考える心と体の関係をちゃんと自分でコントロールできることを、僕は今、要求してる。 そして、それは、僕が自分に求めてることと全く同じだ。 楽しく遊んでしまえる稽古もありだけど、しばらくはこのちょっとしんどい稽古につきあってほしい。 そしたら、きっと「芝居」がおもしろくなってくるから。
| 2001年10月26日(金) |
はえぎわ「愛撫 涙ながら」「少年たち2」最終話 |
ウエストエンドスタジオではえぎわの「愛撫 涙ながら」を見る。 「オープニング・ナイト」と「贋作・黒蜥蜴」に出てもらった森川くんが出演してる。 前回公演は、中野でばったりいわいわと会って、森川くんと一緒に行く予定のこの劇団に一緒したんだった。よしおもいたっけね。 受付前で、いわいわとのぐと会う。よしおとも終演後会う。 前回の「波打ち際の乳房」を見て思ったのは、今の「アングラ」ってこんななんだなあということ。 エロだったりグロだったりするんだけど、最後は「リリシズム」にまでもってってしまう。 僕は、今の若い劇団の「身体」というものが時々わからなくなるんだけど、そのわからなさの理由っていうのは、そこに「身体」がないってことなんだと最近気が付いた。 この「はえぎわ」の人達は、とっても「身体」というものを「あり」にして芝居をしてる。 ストーリー的にも「身体」にはこだわってるのがわかる。乳房だったり、肉だったりね。 そこらへんが、僕には信頼できる気がしている。 実際、おもしろいし。 今日の芝居は、前回よりは、スペクタクルじゃなかったけど、なかなかおもしろかった。 宮崎アニメのいろいろをパロディというか盛り込んで、全部を裏返してみせてる。 たっぱの高いウエストエンドを上手く使って、いろんな「しかけ」が盛りだくさんだ。 森川くんは、このパワフルな人達にまじって、一番しっかりした芝居をしてた。 僕は、ここの「井内ミワク」さんという女優さんが大好きだ。 前回は、「アロエリーナ」の歌を歌う怪しい女の人だったんだけど、今回は、フライヤーにも書いてある「ギャランドゥの女」。劇中の語り手もやったりしてる。 体温が低いような高いような、とにかく不思議な芝居をする。 今日はじめて「はえぎわ」を見たのぐも「あの人いいね。理由はわからないけど」と言ってた。 来年1月の「絶対王様」の「女海賊悦子」に出演するそうだ。森川くんも一緒に。もちろん郡司くんも。今から楽しみだ。
帰ってきて、「アリーmyラブ」。MTFの依頼人が会社で健康診断を拒否したら解雇された。それを不当だとする訴えのお話。 こういうセクシュアルマイノリティの話がこの番組にはたくさん出てくる。第3シリーズでよく出てたマーガレットっていうビアンの評論家(だと思う)の役はなかなかイカしてた。アリーとつき合ってたお兄さんがバイセクシュアルだったって話もあったっけ。 アメリカではこういう事例(?)がたくさんあるってことなのかな? いずれにしろ、この人気番組でこれだけたくさんセクシュアルマイノリティが登場してきて、しかも「笑い話にしない!」っていう「お堅い」話ばかりじゃなくって、「誰でもみんな同じように変な人」なんだっていう向き合い方がとってもすがすがしい。 セクシュアルマイノリティの描き方よりも、むしろそうじゃない、一般的には「普通な人」の描き方の問題なんだろうねきっと。
続いて、「少年たち2」第3話。今日が最終回でした。 やっぱり3回じゃちょっと盛りだくさんの内容だったのかもしれない。 ちょっとはしょってるかんじはしたけど、今日もなかなか良かったです。 山崎努の独白はすごかったな。「自分は子育てを失敗した人間だ」って話すくだり。 このドラマのカメラワークはとっても自然で、しゃべってる人の顔を「もっと見たいな」と思うとちゃんと寄ってってくれる。 舞台の役者さんたちを使ってるせいもあるんだけどね、それがとっても自然だ。実際に舞台を見てると、自動的に「クローズアップ」しちゃうじゃない? それと同じような寄り方なんだな。 あと、嬉しかったのは、最後に、ちゃんとみんなにいい「場面」をつくってること。 ずっと悪役だった加納幸和に「実はいい人」なセリフがあったり、大もめにもめてた若い二人が大団円でまとまったところで、木野花が「でも、やっぱりあの二人の将来は心配なんですよね」なんてつぶやいてみせたり、一番出番が少ない幼稚園の先生役の高泉淳子に最後のセリフをちゃんとあげるとかね。 脚本は矢島正雄。とっても、おもしろかったし、「いい人なのね!」ってかんじ。 ふと、今、トレーングでやってる芝居と、このドラマの中での芝居の違いみたいなものを考えた。 僕らは今、どうしても「しゃべる」ってことをメインにやってるけど、それ以外だって「芝居」なんだもんね。 何よりも「自分の言葉としてしゃべる」ってことのすごさに圧倒される。 何だか、そんなことをいっぱい考えさせられたドラマでした。
| 2001年10月25日(木) |
お知らせ! 稽古 「少年たち2」 |
関根のメールが今死んでしまっています。 設定を変えようとしていたら、全部飛ばしてしまい、パスワード、ID関係がわからなくなってしまいました。接続不能です。 今週中には復旧すると思うのですが、しばらくの間、関根宛のメールは、劇団のメールアドレス、flyingstage@geocities.co.jp にお願いします。
稽古場に少し早めに行って、セリフをさらいながら、机と椅子を片づけ、掃除をしてみる。 本当は毎回やらなきゃいけないんだけど、なかなかできない。 ほうき(モップみたいなやつ)でほこりを集めながら、掃除機じゃない、こういう掃除のしかたをちゃんとやってたのって、子供の頃だよなと思う。 学校の掃除当番とかね。 今の子供は掃除当番ってあるのかな? 稽古場に最初に来たのはのぐだった。久し振りだ。 9月10月と続けて2本の芝居に出てたので、稽古場で会うのは3ヶ月ぶりくらいになる。 この間の「から騒ぎ」の話をいろいろする。 そのうちに細川くんとふっちーが来たんだけど、僕等があんまり話に夢中になってるので、気を使って外にセリフをさらいに行った。 ひとしきり話して、ふと気が付いたら、もう7時半を過ぎてた。 あらら、これだけかい?ってかんじだったんだけど、トレーニングをはじめた。 ストレッチを2人組でやる。 僕の相手はのぐ。 床に座って、足を開いて、背中を押すストレッチなんだけど、のぐは「容赦がない」ので、僕はおでこが床についてしまった。 のぐもびっくりしてたけど、僕もびっくりした。 言い訳のように言ったように、僕はカラダは柔らかいんだけど、肉が邪魔してるだけなんだ! 昔は、床におへそがついたんだけど、やればできるんだってことがわかって、ちょっと得した気分(?)。ももの後ろが「ぼきっ」とか言ってたけどね。 新人くんたちにおしまいまで覚えてもらった「外郎売り」をみんなでしゃべってみる。 もう一度、今度はみんなでリレーしながら。 1回目の途中できっちゃんこと井上くんがやってくる。 井上くんが何で「きっちゃん」っていうかっていうと、彼が来た最初の稽古のとき「今日の名前」っていうゲームをやってね、それは、その時に決めた名前をみんなで覚えるっていうゲームなんだけど、彼が言ったその日の名前が「吉右衛門」だったから。 以来、僕は「吉右衛門」とか「きっちゃん」とか読んでる。定着してるみたいで、しめしめ。 後半は、「エレクトラ」の稽古。 今日は少ない人数だったので、きっちり細かくいろいろとやってみる。 クリュタイムネストラのセリフ「私たちがお前の叔父のためにこの館を守っているのは知っているでしょう」というくだりを。 きっちり語りかけるとか、今自分が語ってる言葉を自分で信じてるのかどうかきいてみたり(その後で、確信犯でそれをやってもらう)、しゃべりながら、カラダを動かしてもらったり、いろいろする。 最後は、クリュタイメストラの「私だって、自分のしたことや自分自身に満足しているわけではありません。どこかで、いつのことだか、私は進むべき道を見失ってしまった」というくだりを、応用問題として。好きなようにやってもらう。 それぞれ注文を出し、それに応えてもらう。 自分でやろうと思ったことがちゃんと出来てるか。 それがもう一度できるかどうか。 ただ、覚えただけのセリフがどんどん立ち上がってくるのがおもしろい。 みんなもおもしろがってくれてるとうれしいな。 帰りの電車の中で新人三人衆は芝居の話ばかりしている。 まるで高校の演劇部の部活帰りみたいで、ほほえましい。 僕は、時々話にまぜてもらうかんじ。
帰ってきて、昨日の続きのNHKドラマ「少年たち2」の2話目。 佐藤誓さんやら、浜畑賢吉さんやら、中村育二さんやら、またしても演劇系な人が続々登場。 花組芝居の人達はそれこそわんさか出てる。 山崎努がむちゃくちゃな芝居をしている。 裁判所の所長なんだけど、ほんとにぬけぬけとしたオヤジだ。そこまでやるか?な芝居がちゃんと成り立ってるのがすごい。 上川隆也は、なんていい目をしてるんだろうね。熱血裁判所調査官という役柄にぴったりだ。 北村有起哉はすばらしい! 子供を愛しはじめる鳶の父親なんだけど、とにかく光ってる。 山崎努と上川隆也と木野花と加納幸和が同じ画面で芝居してる。 なんて豪華なんだろう。 そしてとってもおもしろい。 舞台ではなかなかできないことを、テレビはやってしまえるんだね。 明日も楽しみだ。
| 2001年10月24日(水) |
「MOMA」「傑作劇場」「ブルオイ」 |
夕方から上野の森美術館へ「MOMA ニューヨーク近代美術館名作展」を見に行く。 マチスの「ダンス」やルソーの「夢」、それからピカソの「三人の楽士」などなど、「見たことある!」名画がいっぱい。 平日だというのに、結構混んでてびっくり。 点数は少ないんだけど、とっても見応えがあってよかったな。 ダリの「記憶の固執」っていう絵がすっごい小さいのに愕く。あの「時計がとろけてる絵」なんだけどね。30センチ×20センチくらいしかない。これだけは、ガラスのケースに入って展示してあった。 マチスの「ダンス」もルソーの「夢」もむちゃくちゃ大きくて、違った意味で愕く。 これが「実物を見る」ってことなのかもしれない。 美術の教科書の写真じゃ、みんな同じ大きさだもんね。 ゴッホとモジリアニが一枚ずつあって、懐かしい友達に会ったようで嬉しかった。
その後、上野公園をぶらぶら歩いているうちに、ふと不忍池のほとりの映画館「世界傑作劇場」にたどりつく。 どうしようかと思ったんだけど、えい!とばかりに入ってしまう。 ここは言わずと知れた「ゲイ映画ばっかりの映画館」ていうか、ハッテン場です。 僕も昔は、けっこうお世話になったもんです。 ほとんど十年ぶりくらいなかんじ。 ハッテンはメインの目的じゃなくって、最近の「薔薇族映画」が見たかったのでね。 「2つのゼロ」「のんけ」という二本立て。 「2つのゼロ」は地方都市の市長さんが、娘の婚約者に「僕はあなたに出会ってしまった」とか言われて「ずるずると」恋に落ち、よせばいいのに、自分の家に婚約者が泊まりに来た日に部屋でエッチをしてしまい、その現場を見た娘はショックで自殺。市長さんも、スキャンダルで失脚するというお話。 ふーんっていうかんじでしたね。 「のんけ」は、「俺はホモじゃない」といいながら、ゲイビデオのモデルをやってる主人公(実はゲイ)が、バーで知り合った(ていうか、酔いつぶれてるのを、仕方なくうちにつれてきた)ノンケの学生に惚れてしまうというお話。 二人は、ノンケ同志っていう前提で仲良くしてるんだけど、ある日、主人公はカミングアウト。 ノンケの彼は、それを受け容れられなくて、「もう会わない」ってことになる。 それでもどうしても会いたくて、彼の部屋に行くと、彼は女とセックスの最中。 「そんなに俺のこと好きなら、今の俺を愛してみろよ」って言う。 主人公はやるんだな。一生懸命になって。でも、ノンケの彼は、主人公を突き飛ばして、女とのセックスを続ける。 いたたまれなくなった主人公は、部屋を出ていく。 その次の場面、ノンケの彼は、女に「金、そこにあるから」って言う。 お金で雇った女だったんだ。彼女じゃなかったんだね。 その女が言うんだ「アタシ、よくわかんないけど、そんなに一生懸命になってくれる相手がいるのっていいと思うよ」って。 ノンケの彼は、二人の行きつけのゲイバーへ駆けつける。思い切り後悔してね。 そこへ、主人公から電話が。何だか苦しそう。 大急ぎで、彼の部屋へ。 すると、彼が血だらけになって倒れてる。 ペニスをナイフで切ったらしい。 「死ぬな」って必死にゆさぶると、主人公はこう言うんだ「ペニスの一本や二本で死ねるかよ」って。 最後は、楽しそうに歩いてる二人のツーショットでおしまい。よかったね、死ななくて! って、何だか他愛のない映画みたいだけど、とってもおもしろかった。 出演者はみんな半分素人さんみたいでとってもはらはらするんだけど、それでもやっぱりお話がちゃんとしてるから、ずっと見てられたんだと思う。 バーのマスター役で映画監督の大木裕之さんも出てて、なかなかの名演。 全然、期待してなかったんだけど、これはなかなかおもしろい、いい映画でした。
その後、不忍池の弁天様にお参りに行って、裏の道をてくてく歩いてるうちに、忍ばず通りに出てしまい、「じゃあ、ちょっと歩いてみるか」と歩き始めた。 忍ばず通りを根津の駅前で、言問い通りに左折。ずっと歩いて、春日通りまで。 車では時々通るけど、歩くのは初めての道だ。 それから、水道橋の駅前まで出て、外堀通りを飯田橋まで。 大久保通りをずっと歩いて、神楽坂のあたりを。 ふと思いついて、神楽坂の「五十番」っていう中華やさんで肉まんをゲット。ここも久し振りだ。こんなふうなあてのないぶらぶら歩きでもしてないとなかなかこれないところだから。 ほかほかの肉まんはとってもおいしかった。 また大久保通りに戻る。この辺は古い町名がちゃんと残ってる。白銀町、箪笥町、山伏町。 文京区の本郷あたりはすっかり町名変更されてしまって、「弥生式土器」が発見された弥生町も文京区弥生○丁目になってた。 大久保通りは、そのまんま大江戸線の通り道になってる。牛込神楽坂、牛込柳町、若松河田。 歌ちゃんのうちが牛込柳町の駅前なんだよね……なんて考えてたら、歌ちゃんとばったり! 仕事の帰りなんだって。「どこ行ってたの?」と聞かれて「上野の森美術館」と答えたら、かなり驚かれた。 「またね」と挨拶して、また歩き始める。 若松町の交差点から職安通りへ。抜け弁天をお参りして、明治通りへ抜けるはずだったんだけど、ちょっと脇道に入って、新宿文化センターの前を通ることにする(文化センター通り)。 明治通りへ出る前に左にまがって、八千代信用金庫の角から靖国通り、そして二丁目の仲通りへ。 ここまで来て、ようやく「帰ってきた」って気がする。 仲通りをぷらぷら歩いて柳通りの角まで来たら、パチパチことセツオと遭遇! ブルーオイスターラウンジにこれから入っていくところだった。 僕もさすがに一息つきたかったので、一緒することにした。 上野を歩き出してから約2時間半。十キロくらいは歩いたのかな? ブルーオイスターラウンジ(ブルオイ)は、ドリンクチャージだけでドラァグクィーンのショーが見れるとっても手軽なイカした店。 今日の出演者は「オフィーリア」。ヒトミ、ナオヤ、エスペランザの三人組。 このショーがとっても面白かった。 まずは「プチモビクス」から始まって、「伊勢佐木町ブルース」やら、杉本彩の「ゴージャス」やら、選曲が超イカす!! セツオと二人で思い切り楽しんじゃいました。 新宿駅から「久し振り」に電車に乗って、高円寺まで。帰宅。 まみーが映画「犬神家の一族」のパンフを古本屋でゲットしてきてた。 超懐かしい!! お宝だね。 夜中らから、見逃してたNHKドラマ「少年たち2」の再放送。 山崎努、上川隆也、木野花、加納幸和、高泉淳子、北村有起哉といった、「演劇系」なキャスティングが楽しみ。
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