| 2007年01月31日(水) |
あれは風景みたいなものですよ |
今朝あわただしく身支度をしているときにニュースを見ていた母親から
「東京タワーって小説書いてるひと、外国人なの?」と聞かれたのですが
なんだか説明するのが面倒だったんで
「うん、そうだよ」って答えておきました
あまぞんに注文した諸星大二郎作品が3冊届きました。
ヤヴァイねこれは。
表紙が怖すぎる。
怖すぎるんだよ。
こんなにカバーをかけたいと思った本は初めてです。
カバーっていうかもう表紙を封印してお札でも貼って神棚に保管したい勢いなのですが、残念ながら桐野さんの家には神棚がありません。
これとか
これとか
直 視 で き な い 。
必ずうしろのほうで顔があるっぽいものがうごめいてるんだもの!
内側にあるおまけのカラーページとかも顔があるっぽいものがごろごろしていて怖すぎる。どうしよう。
しかし、話は本当におもしろい!です。怖いけど!怖すぎですけど!
ファンサイトをまわったときに「『生命の木』だけは読んでください」などと書いてあり、私はそういう押しに弱いのでとりあえず網羅しておこうと思って読んだんですが、ぶっとんでました。作者の民俗学に対する研究熱心さがよく伝わり、サスペンス小説のような手の込んだ設定であるにも関わらず、こんな作品をほんとに正気で書けるのかと思ってしまうほどの大胆な想像力。とりあえずキメ台詞「おらといっしょに"ぱらいそ"さいくだ!」って一度は叫んでみたくなるインパクトでした。
しかし、これを青森のキリストの墓伝説を知らないときに書いたってことは、これってすべて作者の創作なんですか?そしてこのおそろしいほどクオリティの高い作品がジャンプにふつうに載ってたって本当なんですか…?すごいな…
あと個人的に一番好きで一番すげええええええええぇぇぇぇぇと思ったのは、「カオカオ様が通る」という30ページの短編です。ウェブで調べたときに作品名だけ見て「カオカオ様ってなんだよ!」とひたすら気になってしょうがなかったので買ってみたのですが、読んだあとでも「カオカオ様ってなんなんだよぉぉぉ!」とひたすら気になりました。話は一言でいうとカオカオ様がひたすら通り続けるのですが、そのめくるめく世界、達観した姿勢が、なんともいえない陶然とした気分にさせてくれます。
わたしはカオカオ様の魅力にすっかり取り憑かれてしまったので、これからいろいろな友人にこの本を貸しまくってカオカオ様の魅力を広め、本をできるだけ手元に置かないでおこう、うん、そうしよう、と心に決めました。だって怖すぎるんだもの、カオカオ様。
| 2007年01月29日(月) |
あなたは最初っから私のものじゃあなかったけれど |
えーっとコレを書くと「おまえそれでもファンかよこのやろうもっと真面目に生きろ!」みたいな感じでたいへん恥ずかしいので言うのはためらわれるのですが、やっぱり書こう、うん、書こう。
ポップの貴公子ルーファス様が昨年8月に無料配布していた(らしい)V&Rの香水テーマソング「Ode To Antidote」(アンティドートを讃える歌、そのままでいくと解毒剤讃歌)ですが、わたしのそのころライブやらロシアやらでテンパッていてすっかり忘れてまして(コラ、だめじゃないかわすれたりしちゃ!)(ごめんなさいごめんなさいもうしません!)、そのあと行ってみたらもうそこでは入手できず、方々探したけどどこもダウンロードの期限が切れてたりして、質の悪い映像と途中までの音源くらいしか入手できていなかったんですが、昨日やっとちゃんとした音源が入手できました!キラキラキラ…
なんかね、フランス人が配ってくれてた…やさしいよフランス人…ありがとうフランス人…これから毎朝フランスパンを食べるよ!
で、やっと素晴らしい音質でフルで聴くことができたんですが、もう、びびりました。崇高にして猥雑、純粋にして妖艶、優美にして華麗なるルーファスワールドが惜しみもなく大放出。ルーファスに目隠しされたままピンク色のアリスの世界に連れて行かれて帽子屋姿のルーファスときのこの上でお茶会をしてしまった。(呆然
この曲、曲そのものも歌声ももちろん雰囲気満点ですばらしいんですけど、後ろのオーケストラの演奏との絡みが特に摩訶不思議アドベンチャーです。オケ自体はごく正統派の音なのに、やってることはすごい斬新。一ミリでも踏み外したら落っこちそうな絶妙な絡み合いをじっくり聴いてると身震いがしてます。プロデュースしたのは誰なんだろう。もしこれセルフプロデュースだったら天才すぎる…!
そんなわけで今日は朝の通勤時も昼休みも帰宅時も狂ったようにこればかり聴いておりました。どんなに疲れていても脳内がすぐバラ色になりますよ…い、いやされるぅ…。
きのうは大学友達と5人で飲みました…。みんな物知りで好奇心旺盛でエスプリに富みまくったピリ辛文化人で、ちょっと私が参加するのは恐れ多かったのですが、メンバー的にははじめての組合せなのにすごい一気に意気投合した…!5人ともはしゃぎすぎてどうしようかとおもった。海外ホームドラマの観客みたいなノリだった。こんなにはしゃいだのは最近ちょっとないぜ…!?
もちろんバンドメンバーといるのも楽しいんだけど、一緒にやっていくことがある分どうも気負ってしまったりするのよね。ギスギスしてきちゃって「あー今の自分やな人間だなあ」と思ってしまってつらくなることなんかもあるわけで。それにくらべたらほんとに昨日は心の底から楽しかった…エスプリに富みまくったピリ辛文化人なはずなのに鼻毛の話とかばっかりしてたしな…
そのせいか今日は松葉杖ついてるひとのエレベーターの乗降を助けたうえにベビーカー押してる母親まで助けましたよ。なにこれ。善人レヴェルが尋常じゃないよ。パワーアップ?