|
2004年05月07日(金)
仕事先で理不尽な想いをした。
前々日に、
「接客業なんだから、少しはメイクしろよ」
と直属ではない上司に言われ、1ヶ月振りにメイクしたというのに、いきなりパンダ目だ。
もう、研修中は二度と化粧などするものか。
そんな事を思いながら、作業を続けていると、私の様子に気がついた上司の一人が
「もう、終電でしょ? 帰って良いよ」
と、声をかけてくれた。
終電などとうに諦めていたから、拍子抜けした。
でも泣きながら作業されても周りも迷惑だろう。
素直に好意に甘える事にした。
更衣室で私の涙腺を刺激した奴と会う。
こいつは自分が原因だと気づいてないはずだ。
デリカシーの無い奴に何を言っても無駄。
私はそいつに極力顔を見せないようにして、一番低い声で「さよなら」と言った。
終電を諦めていた私は、山手線の駅周辺に住んでいる女友達にSOSを送るつもりでいた。
この日は運悪く財布を忘れ、スイカとパスネットしか持ってなかったからだ。
しかし終電前に解放され、私は途方にくれてしまった。
誰もいない自宅に帰る気分ではなかったが、財布は無いし、パンダ目だし、明日も仕事なのだ。
そういうもろもろの不都合と、自分の傷心を天秤にかける。
私は終電に乗った。
淋しい女だな、と思う。
凹んでも、疲れても、安心して一時的に羽を休める場所すら思い浮かばない。
いや、私の知人達は気の良い奴ばかりだから、求めれば快く窓を開けてくれるのだろう。
求める事を拒んでいるのは、私自身。
優しさを乞うくらいなら、我慢してしまう。
それはなんだか、消毒薬無しで傷を治すのに似ている。
人はそんなに弱くない。
放っておいても、この程度の傷は治るんだ。
でも・・・
なんだか膿んでしまいそう。
まあ膿んでも治るからね!
時間とか効率とか悪いだけって問題。
そんなのは些細な事でしょ?
ちょっと前にやった性格判断で
「どんな人生だったかはわかりませんが、かなりすれている印象があります」
ってコメントがあった。
人並みな人生だったと思うけど、多分、こういう処が関係しているのかなって
ふと思った。
そういえば、終電の中でも私はめそめそ泣いていたのだけれど、
周りの人は、みんな見てみぬフリをしていた。
私の目の前に座っているホステスのお姉さんとか、席くらい譲ってくれるんじゃないかとちょっぴり期待してたんだけど、余裕綽々でメールしてた。
「世の中、世知辛いなー」
と、ココロの隅で思ったけど
私が彼女と同じ立場に立って、席を譲るかと言えば微妙だ。
好意への期待は雪の様にあっさり解けて、私は本題にのみに集中してめそめそした。
誰もお節介を焼かない
干渉されない
ある意味、それはとても自由で
下手に慰められるよりずっと良いんじゃないだろか
京王線に乗り換える為に電車を待っている時に、自動販売機が気になった。
予定外に水分を浪費したから喉が乾いたのだ。
財布を持っていない私は、誰かに話しかけられたら、どう言ってジュースを奢ってもらおうかと馬鹿な思索に耽っていた。
幸か不幸か、やっぱり誰にも話しかけられずに自分の駅まで辿りついた。
|
|
|