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2004年01月03日(土)
私の家には、色んな人が出入りする。
脳梗塞で倒れて何某かの権利を持ったらしい父の為にやってくる、「ほぼ家政婦」のホームヘルパーさん、元々の家業である卸問屋を手伝う、タイだかマレーシアだか出身の奥さん、カフェリーナのバイトをしている、日本人2人と、中国人2人。
出入りしているわけではないが、隣りのアパートのお姉さんは大層な猫好きで、よく家のイチゴやノラを撫でに来る。
流石に縄張りを荒らされた動物の様に毛嫌いし、威嚇こそはしないが、あんまりにこやかにも出来ず、ぎこちなく俯きがちに彼ら会話をする。
ところで、私は「外人」が嫌いだ。
「外人」だから嫌いなのではなく、言葉が通じないから嫌いだ。
私の内に出入りする「外人」達は日本語を片言以上の話す。
だがそれでも好きになれなかった。
中国人達は、母の事を「てんじょ」と呼ぶ。
最初私は「天井がどうしたんだ?」と非常に困惑した。
だがしばらくして、彼らの「てんじょ」は「店長」だと知って、何故だか酷くイラついた。
彼らは他にもこんな事を仕事中に言った。
「ほどこひ、ほどこひ、ひとつ」
なんだそれは?
彼の持つ、たった今客からとってきた注文表を覗く。そこにはこう書いてあった。
『ほどコーヒー』
どんなコーヒーだよ。ホットコーヒーって、予測はつくけど、さ。
母にこのエピソードを話したら彼女は朗らかに笑ったが、私はこれを不機嫌に失笑した。
マレーシア婦人も、理解に苦しい言葉で話しかけてくる事がよくある。
たまたま私が日本人のバイトの子と、自転車でよく行動する事。たまに2、3時間自転車で辺りを徘徊する事もある事を話していると、婦人が、
「TOHGA、自転車、2、3時間? 自転車? 2、3時間?」
と、話に割り込んできた。
「? そうだよ。自転車で2、3時間くらい、そこらを走りまわるの」
「自転車 2、3時間」
「? だから、何?」
「自転車 2、3時間」
「・・・・・・。」
いったい何を言いたいのか、まったく分からない。他にも、ある時。
「TOHGA、問屋のほう、やりかけの仕事ある。教えるからやって」
「は? 私、問屋のほうの仕事わかんないんだけど?」
「教える、来て。私もう帰る。教えるから来て」
「は、待ってよ。仕事中途半端にしたまま帰る気なの? なんでそれを私に押しつけんの? 私はこっちの仕事を手伝わなきゃいけないのよ?」
やんなきゃいけない仕事なら、終わらせなければならない仕事なら、責任持って自分でやるべきだ。時間内に出来なかったのは、自分の責任だ。私の知った事じゃない。
私にはマレーシア婦人の言動が時間が過ぎたからと言って、仕事を放り出そうとしているように聞こえた。
「店長いない、教えるから来て」
ラチが明かないので、渋々、問屋の方の仕事場に行く。
単に彼女が私にしてもらいたかったのは、自分の仕事の過程を見せて、残りは専務に引き継いでもらう事を、店長である母に伝える事だったらしい。
こんな内容だったら、店で「○○が何個まで出来たから、残りの何個は専務にやってもらうと店長に伝えて欲しい」と口で伝えれば充分だったはずだ。
こんな感じで、些細であるかもしれないが、彼らとの意思疎通はやたらとストレスが多く、短気な私はイライラと非常に気分が悪い。
心狭い、かなぁ? 狭いよなぁ。
でもやっぱり、私は「言葉の通じない」彼らの事が嫌いだ。
最近、愚痴とか悪口とか泣き事とか、多いなぁ。
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