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2003年07月26日(土)
里帰りしました。
里帰りというと何となく自分で御飯作らなくて良いだとか、掃除洗濯から開放されるとか、地元の友人と久しぶりに会えるとか、そういうポジティブな事を想像される方が多いと思われます。
しかし私は、実家のもんじゃ屋を手伝う為にだけに母から帰還命令を出されました。
故に帰った早々、エプロン姿でかき氷売ってます。
今日は地元の花火大会。
ドンドンと、景気の良い音が腹に響きます。
花火見物の客を狙って、店先でかき氷販売。
店員は、私と店長の母と母のパトロンでもある専務とちょっと苦手な中国人と知らないおじさん。
この5名。
私とは面識のないおじさんは、母が最近資格取得の為に通っている、ホームヘルパーの研修所でのお友達と判明。
色んなとこで友達作っちゃうのは構わないけどさ、そんな最近知り合ったばかりの人に店を手伝わせるのはどうかと思うよ・・・?
花火は盛大だったけど、夏の割りに気温が低めな上、花火が終わった途端に雨が降るモノだから売上は散々だったらしい。
「きっと他の商店街の人も怒ってると思うよ。なんでこんな天気の日に無理やり花火を決行したのかって。せっかく花火の資金出したのに。客がなんにも買ってくれなきゃこっちは大赤字じゃない」
そうか、客以外の視点、店側の支店ではこういう風に花火を見るのか。
さて、話しは変わって店外販売をしていた時の事。
担当は、私と知らないおじさん。
あんまりお客さんが買ってくれないので、私達は結構暇だった。
やけくそで、バイクに乗ってる男性二人組みにも声だけはかけてみる。
「かき氷いかがですかー」
「あんな糞みたいな奴ら、事故って死んじまえば良いんだ」
…………はい?
「あぁ、でもあんな奴らの巻き添え食う奴らが可愛そうだな。事故るなら電信柱にでも突っ込みやがれ」
あのぅ、おじさん? 何言ってるんですか?
通りすがりの人に、そこまで言います?
その後も、私と同い年くらいの子が自転車で通りすぎるのを見て
「あんなキチガイ女、見ているだけで目が腐りそうだ」
とか暴言を吐いていて・・・
なんなんだろう、この人。平常時はマトモなのに。なんで時々度肝を抜くような呪い事を言い出すんだろう。
しばらくして、おじさんが何故毒を吐いたのか予測できた。
最初のバイクの男性は、金髪・ノーヘル・2ケツ
私と同い年くらいの女の子は、茶パツ・2ケツ・嬌声
多分、これがおじさんの気に入らなかったらしい。
でも、それだけ?
なんなの、この人。いやだなぁ、一緒にいたくないなぁ。
で、おじさんが帰った閉店後。
母におじさんについての一部始終を語ってみた。
「なんなの、あの人?」
「あぁ、あの人ねぇ。もともとは会社に勤めてたんだけどリストラにあっちゃってね。で、今資格取ってるのよ」
「リストラ? へえぇ」
「てか、私と同年代の男性で資格取ろうとしてる人なんて、みーんなリストラ君よぉ」
「あぁー、ま、言われて見りゃそうよね。じゃぁ、あの口の悪さは僻みなのかしら?」
「っていうか、あんな人だからリストラにあったんでしょ。奥さんもいないし」
「何やってた人?」
「葬儀屋だって」
「葬儀屋!? あの人が? 遺族に対して『死んで当然』とか平気で言いそうじゃない。ってか、そんなんじゃヘルパーの資格取っても向いてないんじゃないかしら」
「そういや、そうよねぇ」
「あぁ、でも以外と偏屈ジイサンとは似た者同士で気が合ったりしてね。」
と、いう事だったらしい。
聞いて納得。
でも納得した所で私はおじさんに好感は持てなかった。
私も口が悪いから、人の事言える立場じゃないんだろうけれどさ。
彼の悪口には妬みや嫉みの要素が色濃く感じられて、気分が悪い。
彼の悪口には、余裕がない。
まるで、誰かを呪わなければ自分が押し潰されてしまうとでも言うような印象を受けた。
聞いていて、何だか哀れだった。
ああいう悪口を言う人間にはなりたくないな。
そんな事を思った今日この頃。
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