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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
名古屋の夏の風物詩、にっぽんど真ん中祭り。通称どまつり。2月、どまつりのメンバー約400人が「何のためにどまつりやるのか?」をテーマにした理念合宿を開催。私はその講師を務めた。そのとき感じた熱い想いは今年も結実したようで、どまつりは、テレどまつりになって現在、オンライン開催された。驚くべきはその参加チーム数。昨年は200チーム今年はなんと、300チーム以上しかも海外から20チーム。一気に1.5倍以上、世界規模に拡大です。どまつりの理念にこんなにも多くの人たちが共感したということ、ピンチをチャンスに変える姿勢がとても嬉しかった。
としまえんの次にできるのは、ハリーポッターのテーマパークだという。しかも、アトラクション中心の USJ とは違って、撮影現場を再現し、それを見せるライドツアーがあるものらしい。それを聞いただけで、このパークが何を伝えたいのかが分かるし、行ってみたい気になった。やっぱり人は何のためにという目的に共感して人の心は動くのだ。
としまえんが閉園した。としまえんにはほとんど行ったことがないが、その存在感は私にとっては大きいものだった。閉園に伴いテレビで特集されたが、やはり広告が取り上げられていた。一方で最後の様子を見ても、としまえんが今の日本人に何を訴えたいのか。伝えるものが無くなっているような印象を持った。伝えるものがないと過去どれだけ多くの人の思い出を作ったとしても、それが90年以上続いたとしても今の時代に生きる存在価値がないのだと気がついた。
最近、自分の中ではちょっとした変化が起きている。それまで集客に最も必要なのは実績だという考え方があった。が、それでは無名の新人は浮かばれない。もちろん、認められるにはその人特有のアウトプットが必要だ。が、大事なのはそのアウトプットを生んだ思想的な背景だ。なぜ、あなたはそれをやりたいのか?それを創作したのか?どうしてこの形をしているのか?など、人はそこに共感するから動くのである。マザーハウスの山口社長の講演を聞き、本を読んで以降、改めて動機の大切さを感じる日々だ。
リアルな研修が再開している。5〜20人単位で人が集まり、ディスカッションしながらアウトプットを出す研修だ。マスクをするかどうかは任意だ。大企業は感染拡大を恐れオンラインにこだわるが、中小企業はその点度胸がいい。それは見てるところが違うからだろう。大企業は目先のことしか見ていない。中小企業の社長達は3年から5年先を見ている。そのために今教育しないわけにいかないと腹をくくっているのだ。人に投資することが最も確実な投資である。コンサルタントはその負託に答えないといけない。
ビジョン開発の指導の一環で某社の歴史分析を行った。すると、これから伸びる分野について積極果敢に投資をしてきたことが分かった。機械を購入する必要があるため、先代は先を読み、そのたびに革新と度胸をもって投資を決断してきたことがわかる。そして、小さい会社ながらも業界をリードしていた。その流れがDNAであるのなら、同社は次の時代の一歩先を行く手がかりを見つけなければいけない。問題は「何をするか」の「何を」の見つけ方だ。情報の取り方は当時と違う。今の時代特有の情報の取り方を見つけないといけない。
ビジョン開発をする理由プロジェクトメンバーに聞いた。曰く「ビジョンを作れば何にどう取り組めばいいかわかる」「今やってることに対しても、〇×が出せる」「やるべきことは意思決定が早くできる」「効率がよくなる」「ビジョンがないと全員がバラバラになってしまう」「未来が見通せるゴールがあると行動が具体的になる」「全員の意識をそこへ入れて新しいものを海だすことが」など。素晴らしい。やらされ感ゼロ。これだけわかっていれば良いビジョンができる。
某社でビジョン開発プロジェクトを行っている。同社の理念は『公器』だ。その公器という考え方は社員と共有できている。問題は「何を通してこの公器という理念を果たすのか」が不明確なこと。それを皆で一緒に考えて明確にしたいのがこのプロジェクトの動機だと社長は言いう。それを聴いて、その問題意識の高さに感動した。いくら理念が優れていても、その時代に合った「何を通してそれを実現するか」がなければ理念は飾りで終わってしまう。理念とビジョンの関係は常にそうあるべきなのだ。
逆にもし、社員がそのような調査をして、7時開店で問題がないとなれば「7時でも良いのではないか」と提案するべきである。日本人はこのような提案力を稟議書で養ってきた。稟議書はトップに提案する前に、上司のチェックを受ける。すると上司が、トップ層を納得させるための「思考法」を教えてくれて、「もう一行足せ」とか「この一行を消せ」などと教えてくれたものだ。ダイレクトコミュニケーションの環境が整って、相対的にそういうこのような提案能力が低くなってしまったのかもしれない。
ビジネスはつくづく伝え方だと思う。朝6時から開店している店舗がある。これに対し、社員が開店を7時にして欲しいと要望した。朝起きれないからだ。しかし、6時に開店するのは、それを決めた理由があるはずだ。よって社員はまずその理由を知り、次に6時から7時の間に、想定しただけの客の利用があるのかを調べないといけない。さらには、その間にきているお客様に7時開店でも構わないかどうか聞かないといけない。そういうこともせずに「朝が早いので7時」というのでは、その意見は通るはずがない。
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