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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
変化の激しい昨今では、経営上の安定はどこにもありません。が、安心することはできます。それは共に働く仲間を信じること。「この人たちと一緒に仕事ができれば大丈夫」と思えたら、どんな環境にでも対応できます。「そんな会社あるんですか?」言われそうですが、あります。何社もあります。そのような会社に共通しているのが、新人採用への力の入れ方。とにかくフィーリングが合う人財を選びます。たとえそうした人財がいなくて今年の採用実績がゼロに終わったとしても、頭数合わせのための採用は絶対にしません。ではどうやってフィーリングを測るかですが、ある会社では、採用の最終面接で「30分間プレゼンテーション」を課しています。
「わが社の売りものは経営理念です」。あるクリーニング会社の社長が講演会でこう語りました。「え、経営理念が売りものになるの?」私には、よくわかりませんでした。そこで同社がやっていることをよくよく観察してみると…。同社は、経営理念は「活かす」です。主なお客様は工場。そこでは油や切り粉まみれの軍手やウエス(ぞうきん)など多くの資材が捨てられています。「それらを捨てずにクリーニングして再利用しましょう」同社はそう提案しているのです。そのために、お客様の工場の廃棄物(ゴミ)置き場に行って何がどれだけ捨てられているか調査をします。そして、捨てて処分する手間新品を調達するコスト、クリーニングして再利用するコストをシミュレーションします。その上で、こんなにお得で環境にも優しいですよと提案します。この行為はまさに「資材活かす」こと。そして「時間とお金を活かす」ことです。これは、経営理念の実践であり、経営理念の提案ですね。そう考えてハタと気が付きました。ビジネスはすべからく「経営理念の実践」です。であれば、商品やサービスを売る行為は「経営理念を売ること」と同じはず。あなたの会社はどうですか?先の見えない時代だからこそ、「経営理念を売りものにできないか?考えてみましょう。
「器である理念の中身を、皆でつくりましょう」。理念経営協会で窪田先生に教えていただいたことのひとつです。幸せになりたい人はたくさんします。では、どうしたら幸せになれるのでしょう?最も確実な方法は、「まず他人を笑顔にして、その笑顔を見て自分も笑顔になる」こと。
かの松下幸之助翁は外国人の記者に「あなたはなぜそんなに謙虚なのか?」と聴かれたとき、次のように答えたといいます。「自分はいろんな人の意見を集める」→「人に教えを乞う」→「自分の知らないこと・できないことの多さを知る」→「謙虚になる」→「先見性が磨かれる」→「素直な心で決断する」→結局、衆知を集める姿勢がその人の徳を高め、謙虚さを創り、先を読むチカラを高め、新しいアイデアを生み出し、優れた決断に至ることです。『危機管理』という言葉を生み出した佐々淳行氏は、次のような言葉を残しています。「トップは口を閉じ、耳を開け」。先の見えにくい今だからこそ「聴く」ことを大切にしましょう。
理念経営とは、簡単に言うと「まず他人を笑顔にして、その笑顔を見て自分も笑顔になる」経営です。これを意識すると、お客様へのお役立ち意識が強くなります。すると、今やってる事業にプラスして、あれもやった方が良いのではないかという気づきが多数得られますその気づきが、新規事業のヒントになり、お金の使い方にも表れます。儲かったお金を販促品に使い「おまけのバラマキ」でお客様を獲得していた会社と、儲かったお金で社員研修を行い「親切ですね」と言われることを最高のほめ言葉として目指してきた会社。そして、そのために新規事業に投資をしてきた会社。その差は、今回のようなショックの時に歴然と現れます。まさに、理念の有無が会社の将来を左右します。あなたの会社の理念を口ずさんでみましょう。いかがですか?「さあ、誰かを笑顔のために頑張ろう!」という気持ちになりましたか?そうなったなら、大丈夫です。
創業110年の鮮魚問屋。問屋業以外に回転寿司や居酒屋など次々と革新を生み続けている老舗企業の4代目社長は、新たな事業をどんどん社員に任せています。そのとき、決まって次のように声がけします。「やってみろ。お前の失敗は俺が面倒見てやるから」。なんて温かく、人を勇気づける言葉なんでしょう。挑戦するとき、何か一つでも保証があると(仮それが空手形でも)本当にありがたいですね。これは、Googleが創造性発揮のために、何が欠かせないのかを研究し、最も欠かせないこととして発表した心理的安全性そのものですね。社長は「私が『やれ』と言わない限り、枠からはみ出す『やりすぎ社員』は出て来ない」と言います。はみ出し社員を育てるのも社長の仕事ですね。
そこで同社は原点に返ります。それは「子供たちや大人のマニアにレゴを与え、どのように遊ぶかをつぶさに観察し、そこから新商品開発のヒントを得た」のです。例えば、消防車やパトカーレゴの開発者は、消防士の訓練に参加したり、パトカーに同乗させてもらったりして、消防車やパトカーの魅力を再認識したのです。その現場主義が、支持される商品開発に繋がりました。イノベーションを起こすときは、あれもこれも同時多発的にやってはいけません。やることを絞って、徹底的に顧客の立場に立り、経験を共有することが必要ですね。
レゴブロックをご存知ですか?おそらく誰もが遊んだことのあるおもちゃだと思います。レゴは90年代に特許が切れました。そのため類似品が多数登場し、レゴ社は赤字を余儀なくされました。そこで当時の経営者は「イノベーションの7つの真理」に忠実に、7つのイノベーションを起こしました。その7つとは 創造性と多様性に富んだ人材を揃える/ブルーオーシャン市場に進出する/顧客主導型になる/破壊的イノベーションを試みる/オープンイノベーションを推し進める(群衆の知恵に耳を傾ける)/全方位のイノベーションを探る/イノベーション文化を築く です。
ある金融機関が、60歳以上の高齢者を対象に、定期預金を募集しました。一口30万円で何口でも結構……という内容でしたが、実際に30万円を預けに来た人はゼロ。それどころか「10口でもいいかな…」と、300万円を預ける人が多くいました。「定期預金に、たった30万円では恥ずかしい」という恥の文化が働いた結果です。高齢者相手のビジネスは、「恥ずかしくない」気持ちに寄り添うことが肝要です。この事例は、紫色のボトルだと全然売れなかった高齢者向けの化粧品が、色をオレンジに変えたら、飛ぶように売れたのと同じです。彼らの心の中には、太陽が未だ燦燦と輝いているのです。松下幸之助翁は固定概念を捨て事実だけを見ることを「素直な心」と言っています。「おかしいな。こんなはずじゃ」と違和感を覚えたら、自分のアイデアに固執せず事実だけを見つめ直す。ファクトフルネスという本がベストセラーになりましたが固定概念・先入観が私たちの違和感の源です。素直な心が大切ですね。
NHKの『プロフェッショナル〜仕事の流儀』。ご覧の方も多いでしょう。ではこの番組の第1回のゲストが誰かご存知ですか?正解は、星野リゾートの星野佳路社長です。その中で、実に印象深いシーンがあるので紹介します。星野社長に、司会の茂木健一郎が「日本人はリスクをとることが苦手だという。なぜ、星野さんはそれができるのか?」と質問した時です。事業再生にはリスクが伴うからそこを尋ねたのです。星野社長は次のように応えました。
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