V字経営研究所・酒井英之の4行日記
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2020年04月15日(水) コロナ禍で考えたこと15・人を大切にする会社の利益計画

コロナ災害で人員削減に踏み切る会社が少なくありませんが、利益と人件費の本質についてかつて日経ビジネスにこんな記事が載っていました。「例えば「収入−経費=利益」は極めて当然な算式とされています。ゆえに誰もが、利益を上げるためにやみくもに収入増に努め、人件費削減も含めた経費減を図っているのです。しかし、私の算式は「収入−人件費を除く経費=利益+人件費」です。もちろん、汗と知恵を出し、努力する社員の人件費という意味ですが、私の算式では、利益と人件費が目標となるわけです。すなわち、会社は株主と社員のものということです。このことにより、人が気持ちよく働き、収入増を図り、自分たちのために経費削減にも汗と知恵を出す。利益を出すまでの“過程”が大事になるのです」(中尾 哲雄 前インテック会長)。社員にこの考え方を伝えて目標値化したら、やらされ感は消えるかもしれませんね。


2020年04月14日(火) コロナ禍で考えたこと14・頑張っているのは、誰か?

「名古屋はいいですね。地域が活性化していて」。名古屋で商売をしている某社長が同業の他地域の社長かこんな風に言われましたこの発言は、暗に「あなたの業績がいいのは名古屋という市場のお陰」と言われているのと一緒。これにカチンときた名古屋の社長は「違いますよ! 地域が活性化しているのではなく、 社員が活性化しているのです!」と返答しました同じ働くなら、このように社員の活躍を誇りに思う社長の下で働いきたいですね。


2020年04月13日(月) コロナ禍で考えたこと13・逆境時の北極星の価値

約1年前、「理念&ビジョン開発」をお手伝いした会社のリーダーからメールをいただきました。同社は地域密着の問屋業。見出した理念は「つながり創造」と「お困りごと解決業」です。今回のコロナ災害の影響を大きく受けていますがこんなことが書いてありました。「進むべき道に迷いがちな状況ですが、先生のご指導の下、経営理念・ビジョンを明確にしたため、新たな『つながりを創造』しながら『お客様の困りごと解決』をすることに力を集中することが出来ていると思います。その結果だと思いますが、逆に新たな企画・サービスが一般社員から多く生まれるという効果が出ています。時間的な余裕も手伝って、以前よりクリエイティブな社内になっているように感じられプロジェクトに関わった人間としてとても嬉しく思っています」これを読んで理念とビジョンの効果とは
・迷いそうな状況下でも集中力が出る
・社員がピンチをチャンスに変えようとしている
・社員の創造力を引き出す
だと改めて認識しました。理念やビジョンはどんなときでも変わらない象徴として北極星に例えられますが、まさに「北極星」効果ですね。


2020年04月12日(日) コロナ禍に考えたこと12・部下から「読んで」と言われた本

シンクタンクの部長を務めていた頃、部下から「読んでください」と薦められた本があります。そこには誰もが知りたい次の問いとその答え書いてありました。「リーダーの法則はわかっているのに、なぜリーダーたる人が少ないのか?」著者の回答。「優れたリーダーシップは、ほとんどの人が払いたがらない代償の上にはじめて実現するものだから」。リーダーは、コトが思うように運ばす「もうやめた!」と叫びたくなることばかり。誰かのためにとリスクを背負い、仲間を集めて挑んでみるが、責任をとるのは自分だけ。そのとき「理想のためにこらえきれる心の強さ」があるかどうか。それがリーダーシップの本質だとこの本は語ります。この本は『頑固な羊の動かし方』。どうして部下が、この本を私に「読んでください」と言ったのか……都合の悪いことは忘れてしまいました。何か事件があり、ブチ切れそうだった私を諫めるつもりだったのかもしれません……


2020年04月11日(土) コロナ禍で考えたこと11・経営理念が語る「ここに打て」

日本の上場企業で、定款に理念を盛り込んでいる会社が何社あるかご存知ですか?正解はたったの9社。エーザイはその中のひとつです。定款に『ヒューマン・ヘルス・ケア(hhc)』と書かれています。同社では社員全員が、仕事時間の1%を患者さんと喜怒哀楽を共にするために使う「hhc活動」が習慣づけられています。小児がんの子供ためにアンパンマンに扮して勇気づける社員がいます。末期がんのおばあさんの足を洗ってあげることで勇気づける社員がいます。嚥下困難の認知症当事者のそばにいた社員は、その人がゼリーを飲み込むのを見てアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」のゼリー製剤を開発しました。内藤社長は、hhc活動はゴルフと同じだといいます。ゴルフでは、いつでも『ここに打て』と言われるフェアウェイがあります。お客様に寄り添っていると、『ここがゾーンだ。ここに打て』と、経営理念が語りかけてくるのだといいます。hhc活動をするようになってから海外でエーザイを知らなかった人たちの入社希望者が増えました。「寄り添う」を掛け声だけでなく、習慣にできる会社がお客様も社員も新人も惹きつける時代ですね。


2020年04月10日(金) コロナ禍で考えたこと10・社長が講師にになって教える会社

「あのときやっていた事業は、実は自利。お客のことなんかまったく考えていなかった。ただ、儲けたい一心。だからうまく行くわけないわな……」某社で社員を集めて行われている「心を高める勉強会」。こんな話をする講師は、社長自身です。社長が伝えたいのは、稲盛さんの有名な「人生・仕事の方程式=能力×考え方×熱意」。ポイントは、考え方。自利で考えるなら(−)、利他で考えたなら(+)。「自利のために始めた事業はみんな失敗」「利他の心で始めた事業は全部成功」自分の体験談をそのまま語るので他の誰が語るより面白いし、説得力があります。社長自らが講師をする会社は社員の考える方向が揃います。何より、誰よりも社長が勉強します。だから、どこも好業績なのです。


2020年04月09日(木) コロナ禍で考えたこと09・挑戦する場所

和菓子で有名な「たねや」には、近江八幡に「ラコリーナ」という施設があります。年間300万人も訪れる集客スポットは、自然があふれています。作った動機は、業者からよもぎを仕入れた時にそのよもぎが農薬まみれだったこと。「安全安心の材料でお菓子を作りたい。自然とともに生きる。やっぱり自然が一番だ」そう考えた「たねや」の山本社長は、滋賀県の近江八幡に農園を作りました。「たねや」は50年後も100年後も存在していきたい。永源寺農園のあるラコリーナは「たねやの生き方がわかる、たねやが挑戦する場所」だといいます。その強い意思をビンビン感じる刺激的な空間。挑戦する場所が明確なのは、いいですね。是非一度、訪ねてみてください。


2020年04月08日(水) コロナ禍で考えたこと08・やらない仕事を決める

理念があると自分がやりたい仕事・やるべき仕事とやりたくない仕事・やってはいけない仕事がはっきり見えてきます。名古屋市にあるお掃除会社のアクションパワーのキャッチフレーズは、「笑顔を届けるお掃除会社」。それゆえ、同社には「やらないと決めている」仕事があります。それは「笑顔に繋がらない仕事」と「笑顔を見ることができない仕事」。「笑顔に繋がらない仕事」とは高所作業など、社員が危険を感じるようなご依頼。「笑顔を見ることができない仕事」は大手ビルメンテナンス会社の下請けの依頼。これだと、ビルオーナーに笑顔を直接届けることができません。こうした選択をすると、金額的には大変魅力的な仕事の依頼をお断りすることもあります。それでもブレないでいると、その笑顔が同社のブランドになって、「お願するのなら、アクションさんが良いな」というファンを増やしています。「○○をする」と決めるときは、同時に「××はやらない」も決める。エッジが立つと自信がついて、ずっと仕事が楽しくなりますね。


2020年04月07日(火) コロナ禍で考えたこと07・きれいな音ですね

遠隔医療を研究している医師から次世代の聴診器の話を聞きました。今、医師が患者の胸に直接聴診器を当てていますよね。それをスマホでやっちゃう。患者が自分のスマホを胸に当てて音を飛ばし、それを離れた場所にいる医師がスマホで聴くことが出来るアプリです。もちろん、患者自身も自分のスマホでその音を聴くこともできます。今の遠隔医療は、患者をカメラで写し、話をするだけ。これだとつながっている感に乏しいですよね。が、ここに心臓の鼓動が加わり、それを聴いた医師から「綺麗な音ですね」と言われたら、患者はどれだけ安心するでしょう。使う人の「ひと言」が頭に浮かぶ商品はステキですね。誰かを安心させるための聴診器+スマホ。こんな人に優しい理念型の商品が、早く開発されればいいですね。


2020年04月06日(月) コロナ禍で考えたこと06・あなたは技術者だ

「皆さんはJR東日本の新幹線のメンテナンスを掃除という面から支える技術者だ」新幹線をたった7分で掃除する「7分間の奇跡」としてハーバードビジネススクールでも取り上げられたJR東日本のお掃除スタッフ「テッセイ」。そのリーダーの矢部さんの言葉です。テッセイの仕事は、掃除。かつてそれは、心無いお客が自分の子供に「勉強しないとああなるのよ」と言うほど3Kの象徴でした。ところが、矢部さんは、冒頭のようにこの仕事の価値を再定義します。テッセイたちはたった7分で新幹線をきれいにし、一列に並んで新幹線に礼をし、困っているお客様に積極的に声掛けをし実に生き生きと仕事をしています。仕事の定義ひとつで、人は変わります。「あなたは技術者だ」と言われたら、なんだか嬉しいですよね。人は「技術者」と認められると、常に改善提案を考えることに誇りを持つようになるのです。あなたの会社の仲間は何の技術者ですか?


酒井英之 |MAILHomePage

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