|
V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
季節柄計計画作りを指導している。計画策定のポイントは、「何をやるか」という計画作りの前に、「なぜ今、上手く行っていないか」という反省をキッチリすることだ。上手く行っていない理由がわからなければ、行動を始めたときに「また失敗したらどうしよう…」という疑念が頭をもたげてしまい、壁にぶつかったらすぐに逃げてしまう。「原因は分かった。これを変えればいいんだな。もう言い訳はしない」という覚悟ができて、はじめて人は前に進める。言い訳を止め集中力を高める現状確認に時間を割くことはとても大事なことなのだ。
「店が人を育てる、今の店の内容を濃くするだけでは人は育たない」とは、あるチェーン店の会長に聞いた人財育成法だ。店が人を育てるとは、店数を増やしていく、ということ。つまり出店準備から開店、運営までの一連のプロジェクトに携わることで人が育つという。一方「内容を濃くする」というのは店舗の改善のことを言う。「創業は易く守成は難し」というが、創業から学べることの方が多いのだろう。既存事業の改善より、新規事業を起こす。人財育成のためにも新規事業に挑戦し続ける経営をして欲しいと思う。
建設会社の営業部長から幹部育成研修の依頼。課題を聴いていると「一部の有能な社員が数字をつくる。彼らが目標の半分を稼いでくれるので、いつも目標を達成できる。一方で稼げていない社員もいる。これを平準化したい」とのことだった。そこで部長に「皆で目標達成」ではなく「皆が目標達成」が理想なのか?と聞いたらそうだという。ここに疑問を持って研修でなんとかしたいと思う人と、結果さえ出ていればいいやで片付けてしまう人。前者の人は少数派だが、今の時代には欠かせない人だと思う。聞いていて是非チカラになりたいと思った。
6年前、ある後継社長が強く不安を感じた事件があった。それは同社の一人の有能な社員が辞めていったときのセリフ。「私は先代(カリスマ社長)の部下であったが、(二世である」あなたの部下でない」。それを聞いてほかの社員もまた同じように自分のことを見ているのではないかと不安になった、という。しかし、以後6年間、辞める人財もほとんどいなかった。社長は社員を「部下」と呼ばすに「友」と呼ぶ。そのフレンドリーな感覚が、社員にやりがいを与えている。
名鉄電車に乗ったら、そこは「ガンバレ受験生」のメッセージだらけの桜咲くトレインという車輛だった。社内には予備校の応援メッセージが一杯かな?と思ったら、それは昔の話。今は一般人のメッセージと、協賛企業からのメッセージが多数掲載されといた。協賛企業も、名鉄のほか、ANA、サークルK、ファミリーマート、ポッカサッポロ、愛知トヨタ、東邦ガス、愛知銀行、三井住友海上、CBCラジオ、東海ラジオ、FM愛知、ZiP、名鉄百貨店、河合塾など多種多様。受験生のみならず、受験生の親に響くメッセージが多数。予備校のような受験生直需産業だけでなく、市民も企業もコラボして応援する姿に共感した。こういうのも「コトマーケティング」ですね。
新聞によるとエンゲル係数が20数年ぶりの高水準だという。貧困家庭の増加が原因か?と思ったらそうではなく、共稼ぎ夫婦が増えているから。働く女性の増加で冷凍食品、チルド食品、総菜などの需要が伸び、結果的に高額化しているのだという。確かにスーパーのレジで並びながら奥様方が何を買っているのかを見ていると、野菜を買うよりもチンすればいい冷凍食品を爆買いする人を多数見かける。働く女性の増加は消費スタイルも変えている。
某社の働き方改革コンサルティングのため、岐阜のナンバーワン紙問屋の(株)トコロ様にお客様30人と訪問。「同音同響」の理念と5Sと三定改善が徹底している姿を学ばせていただいた。通算6回目の訪問だが、改善を重ねている姿と、篤いおもてなしに、見学者一同大変感激。常務が「私は何もしていません。全部部下たちが準備しました」と語っていたが、机上のウエルカムグッズをはじめ、言われなくても自ら気づいて動く、その人間力が素晴らしい。特に今回は事前にお伝えしていた質問「部下面接の仕方」「感動入社式のやり方」などを解説いただきヒントが多数あった。見学の機会をいただいたトコロの皆様、ありがとうございます!心から感謝します!
昨日の日記を書きながら、このことはコンサルティング会社にも当てはまるのではないかと思った。単に商品メニューを揃えて「さあ、いらっしゃい」というのでは、お客さんはなかなか集まらない。コンサルティング業界でも、新たな業態を開発し、「店を増やして業態を有名にする努力」をしないといけないのでは、と思った。近年評判の「認定ビジネス」はその一つではないかと思う。
観光地の表参道を歩く。土産物屋や買い食い屋などが軒を連ねる。この中で、単に土産物を並べて売っているような店には食指は動かない。ところが抹茶シュークリームの大きいもと小さいものをたこ焼きのようにして提供している店や、アンコではないいろんな味のどら焼きを提供してくれる店、ソフトクリームにハチミツをかけて提供するハチミツ屋に、焼き味噌おにぎりを専門に出す店など、新しい業態には惹かれる。普通の店の顧客は、店に来て、モノを見て、その場からネットで注文されてしまう時代。やはり、業態開発こそが小売り店の生きる道なのだろう。
ある小売店の社長が、中期経営計画立案時に、商品部(仕入れ担当部門)の計画を見て2つのことを聞いた。第一はPB比率をどこまでにしたいのか、ということ。これは会社の粗利益率向上とリンクしている。第二は、自社で開発したPBを他社にも売れないか、ということ。それは例えば、ユニクロの商品をユニクロ以外の店でも売れということだ。小売りがメーカー機能を持ち、開発輸入できるということはそういうことだと感心した。
|