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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
PBは一般的に安いが、単に安いものではない。そこには「間違いがないもの」という信用がないといけない。その信用を与えるのは「店」である。店のプランドへの信用が「安いけど安物ではない。値打ちなものだ」となる。ユニクロもしまむらも、他店と売っているものは同じだが、売り方を変えて独自の業態を開発し、そのブランドが浸透してる。「店名を浸透させる業態開発」こそがPB化を進める土台である。そのためにエリアNo.1となることは、PB化促進の上で重要なことなのだ。
ある小売りチェーン店の会長と話す。先ごろ息子に社長を譲ったが、その切っ掛けを聴いたところ「最近は、息子との衝突が増えた」とのことだった。現場の店を見て回ると、店の姿(コンセプト)が自分の想いとは違う。売れるものばかりを優先して雑貨のようで、「どんな店なのか」が伝わってこない。よって息子さんと衝突するのだが、結果的に自分が持論に拘ってはいけない。現場に顔出すのは止めよう、と思ったという。自分が築いて来た店だからこそ、「一葉落ちて天下の秋を知る」の心境だったのかもしれないと思った。
NHKの『72時間』という番組が好きでよく観ている。ある場所に来る人に、なぜ、どんな目的でここを尋ねて来るのかを72時間インタビューし続ける番組。十人十色というが、ガソリンスタンドを利用する人や氷屋を利用する人、オートレース場に来る人、動物園に像を見に来る人…まさに十人十色の生き様がそこに描かれている。静かで、淡々としていて、特段「これを伝えたい」という主張のない番組。却ってそこが今の時代に受け容れられている理由かな、と思う。自分の中の力みをとり、脱力したいときには最高の番組だ。
女性設計者の活躍でヒット商品開発に成功した鳥越樹脂工業の開発部長にインタビューした。同社はCADを用いて自動車産業の試作品を作る仕事をしていたが、2002年頃にCADが内製化されて仕事が激減。以来試作品でなくパーツを創って納めるようになったが、自動車ばかりの一本足打法では不安なので、OEMで美容器具などの製造を始めた。その後、同社の技術をギフトショウで公開したところ、雑貨問屋から製造の依頼があり、ヒット商品『あわわ』の誕生につながったという。技術を市場を変えて応用していく発想も素晴らしいし、具体的な商品ない技術をギフトショウでPRするのも面白い。是非、第二第三のヒット商品を開発して、多角化が必要な自動車部品業界のベンチマーク企業となって欲しい。
女性が活躍する会社のアドプランナーの副社長にインタビューした。同社は世の中が女活と言い出すずっと前から育休制度、在宅勤務、フレックスタイム、時短などを導入。例えば産休中の女性がメンターとして若い社員の営業をネットではもちろん、同行(現場へ直行直帰)でサポートしたりしている。女性社員の既婚率は57%でそれだけ両立ができている、ということ。人が辞める=赤字、辞めてもらっては困るという発想で女活に力を入れてきたというが、正直言ってこんなに女活が上手い会社が名古屋にあったのかと驚いた。
静岡のお客様を、岐阜のお客様の見学にお連れした。狙いは、同じような業態のFC経営を行っているものの、静岡の会社は不調で岐阜の会社は好調だからだ。特に、働いている従業員の数は同じなのに、なぜ静岡の会社は利益が出ないのか、そこを検証してみたかったという。そこで浮かび上がったのは本部のサポート力の差。岐阜の会社が加盟しているFC本部は大変手厚く、オーナーの経営が軌道に乗るまで援けてくれる仕組みがある。一方静岡の会社は任せっぱなしの所がある。その差はそのまま初期投資の差でもあるのだが、両社長の会話を横で聞きながら、FCのようなサービス業成功の秘訣は何はなくとも本部のサポート力だと痛感した。
ある研修に参加したら、そこに豆腐メーカーの人がいた。会社の住所が私のクライアントの食品メーカーととても近かったため雑談していたら、豆腐を原料した食品はヘルシーでいいかも!という発想が生まれた。そこで両者に会ってもらうよう、早速段取りした。そうしたところすぐさま意気投合し、今まで一度も試したことのない豆腐を原料にした試作品開発まで話が進んだ。マッチングは狙ってできるものではないが、こんなセデンディピティが世の中を動かす。だから開発の仕事は面白くてやめられない。
スタートアップ企業の話を聴いた。スタートアップとはベンチャー企業が持っている新しい技術と大企業と結び付け、その技術に大企業が持っているコンテンツを載せて一気に普及させてしまうビジネスのことだ。直近の例ではポケモンGOや、スターウォーズに出てきたBB−8などは、そのようにして生まれたという。マッチングは投資会社のような専門企業が行うが、大企業の商品企画部門は、こうした情報をゲットできる仕組みが必要だと感じた。自社技術のみで明日を生み出そうとしていたら、置いてきぼりを食らうだろう。マッチングからの急成長の大切さを改めて感じた。
5Sプロコーチ認定講座の準備に入っていることを認定ビジネスで成功している先生に伝えたら、私のコンサル商品のうち『ビジョン開発』でそれをやってみてはと勧められた。「V字経営研究所(V字研)認定経営ビジョン開発コンサルタント」を、認定講師養成講座を開設し、育成するのである。そのような制度を創るメリットは、社会的な価値提供ができること。同じ事ができる人が増えれば私が理想とする100年企業の創出に貢献できるということだ。デメリットは、独占性が失われること。が、大義の前に何かを「独り占めする時代」ことが望ましい時代でないことは明白だ。「酒井先生のようになりたい」という希望者がいる限り、これは真剣に考えないといけないと思った。
世間では認定ビジネスが流行っている。私に置き換えて言えば、自分が実施しているコンサルのやり方を希望者に教え、それを習得した人を「V字経営研究所(V字研)認定〇〇コンサルタント」として認定するもの。そこで4月から5Sに関しては「V字研認定5Sプロコーチ」希望者を集めて開校予定で準備中である。これまで5Sを指導した会社の中に「プロコーチ」を育て、彼らに社内の全従業員を育ててもらう試みだ。既に14人の受講生が集まっている。素晴らしい勉強の場になるように、良い準備をしていきたい。
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