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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
ファッションアドバイザーの鴫原弘子先生に、伊勢丹メンズ館で服を選んでいただいた。先生と話しているうちに商売で成功された先生のお母さんの言葉が出てとても驚いた。曰く「世界中のお金はあなたのお金だと思いなさい」。とんでもない発想だが、お母さんがこう続けたという。「大富豪だって最初から大富豪だったわけではない。知恵と工夫によってお金を集めたのよ。お金は知恵と工夫次第で集まるもの。お金持ちになりたかったら知恵と工夫をしなさい」。これを聞いて「う〜ん…」とうなってしまった。というのも、先生のお母さんは同時に「10円いただいたら9円の仕事をして1円残すのではなく、11円の仕事でお返ししなさい」と言っているからだ。となると、お母さんのいう知恵と工夫は「+1円」が何か、ということにかかっている。その+1円は、ある時代は「おまけ」だった。ある時代は「サービス」や「情報」だった。そして現代は「おもてなし」になり「コミュニティ」になり「社会貢献への参加」なった。これらの高度化には際限がなく、圧倒的1位になることも可能だ。+1円が進化していくことがマーケティングの進化だと気が付いた。
先日、某社のリーダー研修で、ある受講生がリーダーとして心掛けていることとして「仕事はさして楽しいものでない。だからせめて職場を楽しくしよう」と発言した。それはまさに「我が意を得たり」だった。仕事を楽しくするのは難しいが、職場を楽しくするのは現場の皆さんが知恵を出し合えば難しいことではない。そこでどうしたら職場が楽しくなるか皆さんに考えていただいた。出た意見は「見える化の工夫」「チーム対抗」「賞賛と賞品を工夫する」「サンクスカード」「BBQのような団結イベント」「皆で同じ服を着て仕事をするコスプレ」「顧客と一緒に何かをする」など。いずれも職場が楽しくなりそうな行為だが、ある受講生はこれに「不満や不安を取り除くこと」「現場の人が計画策定に参画すること」を足した。これは、リーダーが引き受けて真っ先に実施すること。それがなされれば、上記取り組みはますます盛り上がるだろう。良い意見が続いて本当にうれしかった。
増税の影響で第一四半期の業績が伸び悩んでいる企業が多い中、ホンダは好調だという。要因は新車。フィットや新型の軽がよく売れているからだ。いずれもデザインが斬新で、ホンダが増税後の落ち込みをカバーするために、この時期に市場投入をしたものだ。増税に限らず、社会全体の景気の影響で業績が落ち込みことがある。そのようなときに多くの会社は値下げすることでそれに対応しようとする。今回も価格を据え置いた実質値下げや、価格は上げたがその分増量して消費者に納得してもらっている会社が多くみられた。それらの企業の姿勢はもちろん評価できるが、需要の減退を克服する基本は、ホンダの「買いたくなるような商品づくり」に尽きるだろう。これからも増税が何度か訪れて、そのたびに特需とその反動の落ち込みがあると思う。そんな減退期でも「欲しくなる商品」を開発し、市場に投入する。それがマーケティングの基本だと、ホンダは教えてくれた。
高校野球の石川県の決勝で、小松大谷に8-0で負けていた星陵が8-9で逆転勝利したと聞いて、とても驚いた。星陵の山下総監督は、「9回表にエースが3者連続三振に抑えた。そして、9回裏に先頭で代打起用されたキャプテンがストレートの四球を選んで出た。こういう試合はキャプテンとエースにかかっている」と語った。この点差での9回の3者三振は、よほど気合が入っていないとできないこと。また、試合に出ていなかったキャプテンが塁に出ることで、なんとかキャプテンを本塁に返そうとしたのかもしれない。練習で積み上げた二人への信頼が「あの人が諦めていないのなら俺も」という気持ちに繋がったのだろう。ビジネスも同じ。私はV字回復指導が専門だが、V字回復が成るか否かはリーダーの気合と信頼次第。もし信頼関係が壊れている時はその修復から指導している。自分と仲間を信じて諦めないことが大切。その前提は「信じられる関係」をつくるということだ。
夏の甲子園予選真っ盛り。息子が少年野球をやっていた時、息子の4つ年上だった先輩は、高校野球で甲子園に行きたくて有名校に進学。チームは夏の甲子園で2勝を上げた。また、ひとつ上の先輩(現2年生)は東京の強豪校に進学。その高校は西東京大会の決勝まで行った。さらに別のひとつ年上の先輩は、岐阜県大会で準決勝まで行った。同じくよく一緒に練習した隣の小学校のひとつ年上の先輩もエースにはなり準決勝まで行った。どの先輩も甲子園まであと一歩のところまで迫った夏だった。彼らは「甲子園に出る」という夢を追い求め、厳しい練習に堪えている。それは遠い夢のようだけど、頑張れば手に届くことが出きる。それは、彼らが覚悟を決めてその道を選んだ結果だ。そんなONE PIECEのような生き方をしている彼らに拍手を送りたい。3年になる来年こそは甲子園へ!
中国の上海の会社が使用期限切れの鶏肉を販売していた問題で、当の福喜食品のみならず、中国全土の鶏肉会社との付き合い方を見直す動きが生まれている。マクドナルドはタイ産に切り替える方針で、他社もそれに続きそうだ。トップ層の組織ぐるみの犯行でどうみても福喜食品に限った事件だが、一事が万事で中国全体が問題、ということになっている。そこで気が付くのは、どこの国の国民であろうと、一民間人とはいえ国家を背負って仕事をしているということ。そして、信用を裏切る行為をしたときは、その信用失墜は当該企業にとどまらず、国の信用を失うということだ。先日、東京都議で女性議員を野次った議員がいたが、あのような行為が五輪を控えた日本ブランドを傷つけるのではないかと心配する意見があった。明らかにあの議員の問題だが、日本人全体の信用を貶めている。今日は、誰もが、自分は国家というブランドを背負っている自覚を持つ時代なのだ。
『レゴはなぜ世界で愛され続けているのか』を読んだ。レゴは90年代に特許が切れ、類似品多数で赤字を余儀なくされた。そこで「イノベーションの7つの真理」に忠実に、7つのイノベーションを起こした(7つとは、創造性と多様性に富んだ人材を揃える/ブルーオーシャン市場に進出する/顧客主導型になる/破壊的イノベーションを試みる/オープンイノベーションを推し進める(群衆の知恵に耳を傾ける)/全方位のイノベーションを探る/イノベーション文化を築く)。しかし、7つ同時に行ったがためにどれも失敗。大赤字に陥ってしまったのだ。そこで、「子供たちや大人のマニアにレゴを与え、どのように遊ぶかをつぶさに観察し、そこからヒントを得た」のである。V字回復のつもりがイノベーションのやり過ぎで会社が更に傾いたことを伝えているのが面白い。イノベーションをするときはやることを絞り、それに賭ける姿勢を明確にしないと読んで気づく名著だった。
わが社のホームページが完成した。感激もひとしおだが、改めて制作に関与していただいた皆さんに感謝したい。Web制作をしてくれたアークインターネットの関口社長と島田取締役は、私のイメージに忠実に作成してくれた。特にありがたかったのは、私が表現などを直すべきか否か迷っている時に、「こっちがいいです」をズバリ言い切ってくれたこと。また、本文はマーケティングに明るい親友が2.0と3.0の違いを意識しながらインタビューしてくれたので、自分の中の潜在的な想いを表現することができた。また、写真はセミナー講師撮影専門のカメラマン藤田寿浩さんに依頼。わざわざ浜松の客先まで来て、会議中の僕を撮影してくれた。さらに、嬉しかったのは「お客様の声」欄に、多くのクライアントが快く応じてくれたこと。「推薦の言葉をお願いします」に「喜んで」と言ってもらえたのは望外の幸せ。多くの方の力を集めてできたホームページ。真に役に立つ情報を発信していきたい。(画面右下のHomepageのボタンを押してください)
その昔、ウォークマンを開発した人の話を聴いたことがある。彼は、ソニーを退社し独立した。そして、ある日ソニーに講演会講師として招かれた。そして開口一番「ソニーという会社は素晴らしい。辞めた人間にこのような場を与える。その懐の深さが凄い」。そんな話だった。その言葉が印象に残っているのは、私も同じ思いをしたことがあるからだ。私が27歳でブラザーを辞め、友人と起業した時、ブラザーから思わぬオファーを頂いた。それは「あなたのアイデアを月1本持ってきてほしい。買うから」という内容。とても驚いたが、独立仕立ての身にはとてもありがたいオファーだった。そして今日、辞めたMUFGからオファーを頂いて、セミナーの講師を務めた。「辞めた人間でもいいのでしょうか?」と確認したらOKということで、今日登壇の日を迎えた。ブラザーもMUFGも何という懐の深さだろうか。経緯より実力を評価してくれる人は必ずいる。そんな皆さんに心から感謝したい。
クライアントの某社は、現在V字回復の取り組みまっただ中。7月末までに必ず目標達成しようと決め、2月に準備し3月にキックオフ。4月半ばからエンジン全開となり、いよいよ7月の勝負月だ。途中思いがけぬアクシデントなどもあり、6月末時点ではやや目標に遠かった。危機感を抱いたメンバーの皆さんは、自主的に緊急MTGを開いた。このMTGは予想以上に盛り上がり、実にシンプルで力強く、誰もが明日から実践できる新たな作戦が生まれた。この一体感のおかげで全社的なモチベーションは決戦の7月を前にかなり高くなった。現在、毎日のように私の手元に、進捗状況の報告が届く。徐々に目標に近づいて行っていて、皆が熱くなっている姿が目に浮かぶ。冷静に「私の予想通りだ」と言えばカッコいいのだが、内心は嬉しくてしょうがない。この勢いなら、きっと目標達成するだろう。皆、あとちょっとだ!頑張れ!達成のお祝いは何しようかな…それを考えるのが楽しみだ。
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