吉本興業の竹内専務と話した。吉本興業には全国に7つの劇場があり、毎日3000人が訪れているという。芸人たちはその3000人に対し、芸を披露する。日々の直接的なリアクションの中で芸は磨かれる。舞台には順番があり、昨夜の巨人阪神戦をネタにしようとしたら前に立った組がそれを実施し、急遽ネタを変えねばならないこともある。TVカメラ越しでは受けたかどうかは永遠にわからない。ライブ会場は人材を育てる一番の場所なのだ。
某機械メーカーには、若者のお手本となるベテランが多数いる。例えば、ベテランのAさんは部品調達の担当。が、なかなかコストに見合う調達先が見つからない。ようやく見つけたのは韓国の零細メーカーだった。零細ゆえに品質は安定せず、管理品質・事務品質にも問題が発生。そこで韓国に乗り込んで生産の現場管理を徹底的に指導した。日本の競争力をこのようなおじさんが支えているのだ。
経費削減セミナーに参加した。主に人件費の引き下げ法の話だった。余り知られていないことだが、社会保険料は税金より高い。そして社会保険料は「高齢者を雇う場合は定年延長と再雇用の方が安い」「昇給月が4月と7月では7月の方が安い」「代休と振休では振休の方が安い」などの解説があった。さらに太陽光発電に1000万円程度と投資した場合のお得感や、300本近い蛍光灯をLEDに変えた時の収益シミュレーションの話もあった。コストカットのヒントは至るところにあるなあ、と感心した。
機械メーカーの若い設計者が、機械をより良い物に改良しようと機械を使っている現場の社員に不満がないかを聞いた。ところが、何もないという。普段、そればかり使っているので当たり前の感覚なのだ。そこで設計者は、作業員を観察することにした。すると、立ったりしゃがんだりの動作や、移動時の歩数など様々なムダを見つけた。次はそれらを生かした設計をするという。今後、現場で発見するのが好きになって欲しいと思う。
機械メーカーの研究員が、この一年の自分の活動を振り返って発表した。検査担当の彼は、単に○×を判定するだけでなく、「どうしたら×が出なくなるか?」まで考えて現場にフィードバックするのが仕事だと考えた。その結果「仕事は前倒しで中間報告を行い、関係者とキャッチボールをするとアウトプットの制度が上がります。段取り7分・実行3分の意味がわかりました」と語る。今後も高い視野で成果を出して欲しい。
機械メーカーの31歳新任班長が、自分のこの一年を振り返った発表をした。彼のモットーは「俺は社員、お前は外注」の区別は一切しないこと。同じ製品を作り、不具合が発生したときは「じゃあ、どうしたら上手くいくのか」を一緒に考える仲間だという。垣根や壁を作り周囲とのコミュニケーションを少なくすれば、自分を守ることはできる。が、そんな保身は顧客視点から見たら何の意味もない。“区別”は力を削ぐ。“統合”は力を有む。
友人と東京から一緒に帰ってきた。彼は、オーケストラでバイオリンを弾いているが、マーラーの熱狂的なファンである。そこでマーラーのことを尋ねると、止まらなくなった。マーラーの生い立ちこと、作品のことを話し、こっちまですっかりマーラー通になった。そんな彼が早速送ってくれたのが、彼が一押しのバーンスタイン指揮のマーラーの交響曲第9番のCD。解説には「最愛のマーラーの最高傑作の最高の凄演」とある。この集中力に感服した。
某社のビルが新装オープンするので、その予想CGを見た。その中で出てきたPCは、皆白色だった。職場のPCの色は大凡黒だと相場は決まっているが、黒ばかりがズラリと並ぶと室内が暗い感じになってしまう。その点、パナソニックのLET’S noteやアップルAirなどは、色が銀。銀や白のPCがずらりと並んでも、明るい感じになる。職場の雰囲気を考える会社はPCの色にもこだわるのだ。
某メーカーの若手技術者が自分がどのような思いで設計したかを発表した。彼は使いやすさと美しさの両立にこだわって設計した。非常に良い仕上がりだったが、品質部長から以下の意見が出た。「使う人にとっては最良だが、保守をす人とにとってはどうなのだ?」。「使いやすい+美しい」のプレミアムを優先しする余り「直しやすい」のプレミアムが犠牲になってはいけない。プレミアム品質はとてもむつかしいものだ。