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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
グラノ24Kでは、惣菜工場のことを工場と呼ばず工房と呼ぶ。理由を聞いたら「なんとなく工場という響きが嫌いでね」。この感覚を理屈で解釈すれば、「工場=機械が主役」に対し「工房=人が主役」。この感覚を残したいのだろう。「工場(こうば)」や「製作所」という言葉を使う人も同じ感覚だろう。工場は中国など海外に簡単に移る。が、人が主役の工房は移らない。日本人は工房を大事にしたい。
グラノ24Kを訪れた夜、同社の小役丸社長と寿司屋でご馳走になる。玄界灘を正面に見る駐車場にコンテナで作ったこの寿司屋のメニューは味噌汁+寿司12貫の『海にお任せ』だけ。野菜と同じく漁船の一船買いをしていて、その日水揚げになった魚を捌いて寿司にするのだという。時化で船が出せないときは漬物をだすこともあるらしい。この日は鯛の兜焼きをいただいた。大変美味しかった。
グラノ24Kに感心した金沢の8番ラーメンが、ラーメンにトッピングするキャベツを地産池消ものに変えた。それが美味しいと評判になった。キャベツ不足になったとき、8番ラーメンが契約している農家に東京の業者が高値で買いに来た。そのとき農家は「短期の付き合いより、ずっと付き合っている8番ラーメンを優先する」と断ったと言う。レストランと農家の共存共栄を示すエピソードだ。
グラノ24Kには、近所の農家から毎日C品やD品となった野菜が、生産したおばあさんたちの手で持ち込まれる。おばあさんは自分が作った野菜が買い取られることを喜ぶ。そしてレストランでそれらの野菜が「美味しい」と食べてもらえることを喜ぶ。これまで「評価」のなかった農家に、お客様から「美味しい」とお礼を言われる。それが腰が曲がったおばあちゃんの生きがい。夢だと聞いてとても感銘を受けた。
旬の材料を使って旬の料理をすることは、コックにとっては「今朝取れたこの材料で何を作るか…?」を考える腕が問われていることになる。グラノ24Kを訪問した日、コックや企画担当が7〜8人集まってレシピを考える場を見た。その雰囲気は、かなりピリピリしていた。「こんな面白い素材、放っておけない」機会はコックたちの腕の見せ所。このピリピリ感はプロたちだけが醸し出す緊張感だ。
地産地消型のビュッフェ・レストラン『野の葡萄』には、たらの芽とか旬の筍など、今日そこに来ないと食べられない料理がある。仕入れは毎朝。農家のおばちゃんが持ち込んでくる野菜。担当の社員がおばちゃんと「今のこの部分のこれが美味しいのよ」と野菜について話し合う。これまで農家とレストランには直接交流がなかった。それが直接出会うことでレストランの可能性が大きく広がったのだ。
ビュッフェ・レストラン『野の葡萄』を経営する「グラノ24K」を訪ねて北九州へ。同社は、その日近所の農家で取れた野菜や米を惣菜にし、バイキング形式で提供している。キャッチフレーズは「健康を食べに来てください」。旬の食材で料理を作るため、定番のメニューなし。お客は「今日はどんな美味しいものが食べられるのだろう?」というミステリアスな気持ちで店に入る。そこが人気の秘訣だ。
天津のホテルで日本のニュースを見る。豪雪のニュースの他に、海老蔵殴打事件を放送していた。世界の目から見たらそんな報道しかしていない日本が間抜けに見えた。翌日の天津空港。ももひき二枚重ね履きが丁度良いという天津帰りの名古屋行きの乗客は、150人乗り位のジャンボに私を含めたった13人。大韓空港の方には大勢の乗客がいて、天津−日本が薄くなっているような印象を持った。
天津の夜、K総経理とその部下たちと伊勢丹の上のレストランで会食した夜は驚きの連続だった。「残すこと(食べきれないこと)がおもてなし」という山のような美味しいご馳走に驚く。ウエイトレスが使っていた情報端末がi-phoneだったことに驚く。天津市の寒さに驚き、凍った川に驚き、川にかかった箸の上の観覧車に驚く。泊まったホテルのTVはSAMSUNG。日本製品がないことに驚く。
天津ではマリオットに泊まったが、この高級ルームに日本人が当たり前のように泊まっていた。工場の係長クラスがこんな待遇を受ければ、自分が偉くなったんだ錯覚するのも無理はない。中には運転手を連れて週3回もゴルフをする総経理も。そんな植民地的な搾取のマネジメントをやっていれば、中国人だって黙っちゃいない。彼らはちゃんと見ている。今にとんでもないしっぺ返しを食うだろう。
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