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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
5年前、ある大手企業の技術部門の研修プログラムを開発し、講師を指導する仕事をした。そのとき育成した講師と久しぶりに再会。聞くとこの研修は、彼が熱血教官となり、毎年定期的に行われているという。しかも受講者は技術者から営業マンにまで拡大。彼の熱心な講義は、同社の現場社員の意識改革やスキルアップに貢献している…その事実を知り、素直に嬉しくなった。
健康食品販売会社の社長と話す。同社はほぼ個人経営の小さな会社だが、業績は好調。社長には2人の息子さんがいるが、その2人共が社長の後を継ぎたいという。一般企業に就職し敷かれた階段を上る…そんな人生に夢や希望を描けなくなっているのだろう。「社長は社員の憧れでなければならない。だから私はベンツに乗る」は社長の弁。聞いていてこちらも嬉しくなったが、意気揚々の人が日本を明るくする。
会計事務所の若い課長のデビュー講演会に参加する。彼は企業の生き残り策を「絞り込み」とし、以下の9つのキーワードを挙げた。〔1〕商品機能は単純に〔2〕価格は安価か高価か〔3〕商品点数は少なく〔4〕市場は隙間を狙い〔5〕販売地域は狭く〔6〕販路は特化し〔7〕ターゲットは明確に〔8〕在庫は希少化し〔9〕サービスは高付加価値化する。シンプルできれいにまとめられ、とても参考になった。
TKCが作成した中小企業の映画を観た。窮地に立った社長が実抜計画を作成し、銀行と会計士と共にV字回復する物語だ。映画の中で、経営計画を作った社長はこうつぶやく。「この経営計画は私だけのものではない。従業員のものだ。従業員の生活がかかっている社員全員の魂が入った経営計画なのだ」。これを銀行員が「いよいよ具体的な行動に移すのですね」と興奮気味に受ける。こちらまで胸が熱くなった。
某社の管理者研修で、「ベテラン社員がものすごく頑張っている。しかしポストやペイで報いてあげられない。どうしたらいいか?」との質問が2人から出た。それを聞いて「なんて優しいマネージャたちなのだ…」と感心した。同時に、この人たちにこんな質問をさせるベテラン社員はどんな人なのか目に浮かんだ。真摯に働く人は、たとえポストやペイに恵まれなくても、周囲の人が何かで報いてあげたいと思うくらい、愛され大事にされる存在なのだ。
10年前コンサルティングを行った某社の担当者から管理者研修の講師になって欲しいとの電話があった。その担当者は当時、殆ど毎日会社に泊まり込み、会社の基本となる契約書作りに明け暮れていた。同じ歳の私はそんな彼の役に立ちたくて、現場に日参した。その後同社は急成長し、今や有名大企業に成長。このときの仕事が凄く自信になって今がある。今回、恩返しの機会をいただいたことに心から感謝したい。
若い広告代理店の社長と話す。20歳で創業した当初は下請け仕事が多く、顧客に直接顔合わせする機会がなかったという。が、中小診断士試験を受講し、そこで覚えた技術を使って企画書を書いたところ、下請けではなく直で面白いように仕事が取れはじめたという。お客から見れば「問題をハッキリと認識させる分析力」に、付加価値があったのだろう。それだけ課題が何かが見えない時代なのだ。
芸術塚の加藤社長はビジネスマンの顔も持つ。陶器というモノが売れる時代は終わり、今はコトを売る時代。そこで同社が開発したのが「美濃陶酔」というセット商品。日本酒(三千盛)に美しい杯2つ、それに緋酒器がついている。私にはこの緋酒器がとても魅力的で、これを使いながら人と酒を酌み交わしているシーンを脳裏に描いた。「美濃陶酔」を買う人は、このシーンに憧れ、このシーンを買うのだ。
多治見にある美濃焼きの工房「幸兵衛窯」を訪ね、加藤亮太郎社長の話を聞いた。美濃は陶磁器産業に必要なものが全部揃っているがために、独自性が生まれにくく、故に九谷焼や有田焼のようなブランド力がないと言う。地元の窯業仲間もいろんな分野に多角化し、美濃焼きの代表の織部等の伝統を一人で受け継ごうとしていた。伝統文化を背負って生きる人の、背負うものの重さが見えた気がした。
「魔法のフライパン」で有名な錦見鋳造の錦見社長の話を聞いた。鋳物を使ったフライパンで、実際に普通のフライパンで作った野菜炒めと「魔法のフライパン」で作った野菜炒めを食べ比べてみたが、シャキシャキ感が全然違う。厚さ1.5mmの技術を確立するまで9年かかったという。「代わりはいくらでもいる」と言われて一念発起しての大ヒット商品。錦見社長は脱下請けを目指す中小企業のHEROだ。
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